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闇夜を照らすマジカルミナ  作者: 水瀬はる
「護衛」編
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【第46話-暇つぶし】

「んー、ミロ先生が帰ってくるまで暇だなぁ…」


 ずっと寮の前で待っていても退屈だ。

 そう言って暇つぶしを探しに、あちらこちら視線を巡らせるアリスの目に、ひとつの売店が目に入った。

 それは、学園内の売店で、お菓子やジュースだけでなく、新聞や雑誌なども売っていた。


「あ、そうだ!最近お気に入りの本、まだ新刊出てないかな?」


 最近は雑誌も読めていなかったな。と思い、アリスは情報を求めて売店に向かっていった。


 店に入ると店員の「いらっしゃいませ」という定番の言葉が聞こえた。

 アリスは軽くお辞儀をして店内を散策し始める。


「何かお菓子とか買っちゃおうかな?あぁ、でもダメ…思ってたよりここのお菓子高い」


 そんなアリスの声が聞こえていたのか、振り返ると店員の顔が少しばかり、圧のかかった怖い笑みに変わっていた。営業スマイル怖い。


「やっぱり雑誌だけでいいかな、魔術式の本か、可愛い系の本が新しく出てたら嬉しいけど……うげぇ、意外と雑誌も高かった…」


 アリスは渋々銅貨を数枚、手のひらに乗せて、ミロが帰ってくる前に済ませようと、急いで雑誌を手に取り、早速レジに向かった。


「お会計ちょうどですね、ありがとうございます」


「あ、あの…やっぱりさっきの声、聞こえてましたよね…?」


 別に聞く必要もないし聞くべきでもなかったのだが、アリスは気になったので聞いてみた。

 そんなアリスの言葉に、店員は返答をせずに、ただ先ほどと変わらない圧がかった営業スマイルを再び見せつけてくれた。


「あああ、営業スマイル怖いぃぃぃ…」


「お客さま、レシートは……って、もういない」


 その頃のアリスは、店員から逃げるように雑誌を受け取り、すぐさまその場から立ち去っていた。


 * * *


 寮の前に再び戻ったアリスは、少し呆けた面をしていた。


「あれ、ミロ先生まだ帰ってきてない…待たせちゃってるかなと思ったんだけど……はっ!もしかして先に行っちゃった!?」


 ふと思い浮かんだ想像を、慌ててブンブンと首を横に振り、かき消す。

 お出かけに誘ったのはアリスの方なのだ、ミロが勝手に行くはずもないだろう。


「……じゃあ、本当にまだ帰ってきてないのか、じゃあちょうど良いし、先に雑誌読んじゃおー!」


 アリスはそう言うと、右手に持っていた雑誌を自分の目の前に取り出し、ゆっくりと広げた。


 雑誌には色々なジャンルのものが載せられていたが、特に興味はなかったので、新刊紹介のページまで飛ばし読みした。

 読み始めて数ページの頃、アリスの目に面白そうなものが飛び込んできた。


「ふむふむ、えっ!待って、めちゃくちゃ可愛い本出てるじゃん!?」


 その雑誌に書かれていた文章には、『猫になった僕』という題名が書かれていた。それを読み、恐らく主人公が猫なのだろう。と思い、アリスは胸を膨らませた。

 そして、何よりも文章の隣に映し出されていたイラストが、猫らしさ満点でなんとも可愛らしく、アリスは心を打たれた。


「よし、今日はお出かけついでに本屋さんも探してみよう!なかったらなかったで仕方ないけど…」


 そうして今日の計画に期待を馳せたアリスは、読み終えた雑誌をそっと閉じ、ミロの帰りを暫く待った。

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