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闇夜を照らすマジカルミナ  作者: 水瀬はる
「護衛」編
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【第45話-交渉成立】

「ミロ先生、私の提案乗ってくれますか?」


 アリスが、真剣な顔で再び問いかけると、何故かミロは少しだけ顔を緩ませていた。


「──ふははっ、いいねぇ、乗るよ。面白そうだし、オレに出来る範囲で、君に協力する」


「そうですよね、無理ですよね……えっ、今なんて言いました?」


 アリスからの予想外な返答に、少し戸惑い気味のミロだったが、右手に顎を置いた体勢で再び答える。


「んー?君に協力すると言ったんだけど」


「えっ、本当に協力してくれるんですか!?ありがとう…ございます、ミロ先生!」


 アリスが感謝を述べたところで、一段落ついてツヴァイ救出作戦を実行に移し始める…

 はずだったのだが、ミロの一言で、二人は再びおしゃべりモードに突入していた。


「待って、今の反応だとアリスにはオレが、困ってる人の助けを断るような非人道的な人間に見えてるってこと?」


「え、だってこの作戦、私がやりたいだけであって、ミロ先生には得することが一切ないじゃないですか…?」


 そんなアリスの本心にすらも、ミロは「ふっ」と軽く笑い飛ばした。


「オレもそこまで薄情じゃあないよ。大賢者ともあろう者が、困った人を見捨てるなんて出来ない。でも、アリスがどうしてもオレに恩返しがしたいって言うなら…」


 ゴクリと息を飲む音が聞こえる。

 アリスは覚悟を決めた上でミロの発言に乗る。


「大賢者の頼みとあれば、私に出来ることなら何でもします。それで一体、何がお望みですか…」


「──うーん、今すぐ聞きたいのは山々なんだけど、やっぱりこの作戦が成功したあとのご褒美ってことでいいや。その方がオレも頑張れるし」


「えっ?」と思わず拍子抜けした声を出してしまったアリスが、すぐに口元を塞ぐが、そんな様子にミロは再び優しく微笑んだ。


「君と一緒にいると、何だか色々と面白い事が起きて、楽しいからね。…あ、でもオレの傍から離れるなよ?こういう時って大体、面倒事に巻き込まれるパターンが多いからさ」


「はい、分かり…ました」


 そんな戸惑うアリスの頭を、通りすがりにミロは軽く撫でて、


「じゃあ交渉成立だね。あぁ、忘れてた。本物の大賢者のところに朝の魔力補充行ってきていい?」


「は、はい…良いです、よ?」


 少しよそ見をしながら、そんな事を口にしたアリスが、再びミロのいた方向に向き直ると、とある異変に気付いた。


「あれ、ミロ先生いなくなってる…さては、話聞く前に逃げたなー!」


 アリスは「騙されたー!」と心の中で、叫びながら、また少しずつ取り戻されていた大賢者の威厳が、これで±0になったような気がして、少し気の毒に思われた。

 でもでもよく見ると、遠くに人影が…


「アリス、また後で」


 ノールックでこちらに手を振るその姿は、いつもとは違って妙に様になっていた。


「…なんか、格好つけてる」


 恐らく無意識であろう大賢者の、そのイケメンっぷりにアリスは暫くムッとしていた。

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