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闇夜を照らすマジカルミナ  作者: 水瀬はる
「護衛」編
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【第40話-お揃いのキーホルダー】

 勢いよくツヴァイの手を引いて歩き出したレイチェルだったが、ひとつ忘れていたことがあった。


「── あら、この道どう進めば良かったかしら?」


 勢いだけで歩き出したものだから、雑貨店までの道のりが分からなくなったので、即座にハイディの元にカムバック。

 そんなレイチェルにすかさず一言。


「え、さっき雑貨店の目の前まで案内しましたよね…ボク?」


「うん、してた」


 そんな息ぴったりの二人にレイチェルは少し赤面してプイッとしながら、


「う、うるさいですわ!少し、ちょっと、ほんのちょっとだけ!忘れてしまっただけですもの!」


 そうして、拗ねたレイチェルと一同はハイディの後に続いて再び雑貨店へと向かった。


 * * *


「はい!本日二回目の紹介となります、こちら!ボクがアリス先輩と……じゃなくて、みんなと来たかった雑貨店です!!」


「もう、本音だだ漏れ…」

「信じられない」

「なんだか凄そうなの!」


 店に入って早々爆弾発言をぶちかますハイディ。

 そんな中、一人だけがハイディの失言など気にもとめずに目を輝かせていた。


「…えっと、ツヴァイちゃんは可愛いもの好き?」


「かわいいものは好き、なの」


「そっかそっか、じゃあいっぱい見て回ろう!」


 そんなやり取りをしながら、ツヴァイはトコトコと店内を歩き始めた。


 ──光石のペンダントに、必要以上にリアルなクマさん柄のマグカップ…それに、ヒラヒラとした青色の羽根ペン。


 商品を眺めるツヴァイのそんな様子を、後ろから見守っていたレイチェルが率直な意見を口にする。


「思っていたより、可愛い系のものというより、綺麗寄りのものが少し多い気がしますわ」


 コクコクと無言で首を縦に振るツヴァイ。

 なんなら、この雑貨店のどんな商品よりも、今のツヴァイの方が…


「「「可愛い」」」


 息ぴったりに三人が声を上げると、無言でツヴァイの方を向いたハイディが、視線はそのまま何やら思い出した顔で近付いてくる。


「どうしたの?」


「あぁ、ごめんごめん!二人の後ろにあるものを取りたくて!」


 ハイディが指さしたのは、四種類のキーホルダーだ。

 よく見ると、イルカの形をしていて、なんとも可愛らしい。


「みんなでこのキーホルダー、買いませんか?」


 突然そんな提案をしたのはハイディだった。

 そのキーホルダーは、青 桃 黄 緑の四色で、イルカの可愛いイメージも相まって女性陣の女心をくすぐるものだった。


「可愛い…」

「可愛いですわ…」

「可愛いの…」


「よし、それじゃあ決まりですね!これは思い出の品として、みんなで大事にしましょー!!!」


 手を上にあげて高らかにガッツポーズをするハイディ。


「そうとなれば値段だけど…」


 そんな話題に入ろうとした時に、ハイディが自分の手を前に出して会話を制止した。


「待ってください!今日、このお出かけに誘ったのは誰ですか?」


「ハイディだね」

「ハイディかしら」

「わからないの」


 ハイディは「ツヴァイちゃんには分からないよねぇ、ごめんねぇ」とツヴァイに謝りつつ言葉を続ける。


「今日誘ったのは他でもない、このボクです!!つまり、何が言いたいか分かりますね!?」


「わからないかも」

「わかりませんわ」

「わからないの」


 息ぴったりなそんな三人の返事を聞き、ウンザリした顔をチラつかせながら、ハイディが深く息を吸い、答え合わせをする。


「── 今日くらい、ボクに奢らせてください!ボクがみなさんに贈り物できる機会も、あまりないと思いますから!」


「…えぇ、わたくしが払いますわよ!」


「ダメです!女の子に奢らせてたら男として顔が立ちません!」


 そうキッパリと言い切るハイディには、いつもは感じられない、ちょっとした男っぽさが感じられた。


「それに、」とハイディは可愛らしい微笑を崩さないまま付け加える。


「…それに、こういう時くらい、ボクに男として格好つけさせてください!」

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