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【第18話-勉強は進まない】

「ねぇ、フリル!今週の土曜日に私の部屋でテスト前の勉強会をしない?もちろん、お菓子もたくさん用意するわ!」


 そう言ってアリスがフリルを誘うとフリルはすごくキラキラした目でアリスの顔を覗き込んだ。


「えっ!べ、勉強会!?あ、間違えた…」


 何を間違えたのかと疑問に思っているとフリルは一度コホンと咳込みをして何事も無かったかのように答え直した。


「しかたない、付き合ってあげる…」


 しかたないと言いながらも、頬を赤く染めながら、そう短く答えるフリルに、アリスは、これがいわゆるツンデレというやつなのか…と心の中で1人、感心していた。


 * * *


 それから4日後の土曜日の朝9時にフリルはアリスのいる寮の部屋の前に立っていた。


 ピンポンという呼び鈴のあとに、ガチャと扉の開く音がした。


「おはよう、フリル!あれれー!私服姿めっちゃ可愛いじゃん!どうぞ入って入って!」


「あ、ありがと…」


 青と白を基調としたワンピースを着たフリルは言われるままにアリスの寮部屋に入った。


「お菓子はクッキーでいい?喉も渇くだろうから、りんごジュースも用意しておくわね!」


「うん、ありがとうアリス」


「どういたしまして!」


 その会話を終えるとフリルは、アリスが既に食卓(今から勉強机になる)に勉強道具を出しているのに気付き、慌てて自分も食卓に勉強道具を出した。


「……このクッキー美味しい…これ、どこで買ったの?」


「このクッキーはねー、王都のスズおばさんのお店のクッキーよ!」


「えっ!あそこのクッキー、お高いし、めちゃくちゃ並ぶって有名なのに…?もしかして、私が来るから、余計に迷惑かけさせちゃった?」


「そんな事ないわよ!それに、迷惑だなんて思ってないよ!フリルは友達なんだから、ねー!」


 少し首を傾けながら笑顔でそう答えるアリスの、その言葉を聞くとフリルは嬉しそうな顔で涙を少し滲ませていた。嬉し泣きというやつだろう。


 フリルは泣きかけていたので少し喋り方に違和感があったが、それでもしっかりとアリスの耳には届いた。


「ん、アリス、ありがとう!アリスと友達になれて良かった!」


「いいって事よ!じゃあお菓子とジュースも揃ったし、そろそろ勉強始めましょうか!」


 フリルは少しだけ目尻から零れた涙を拭ってから笑顔のまま応じた。


「うん!」


 かくして、勉強会が始まる………と思われていたのだが、フリルはアリスが思っていた以上に頭が悪いらしく、その日のほとんどはフリルに勉強を教えて終わったらしい。


「ねぇ、アリス、ここってどうやって解くの?」


「えっとここはね…」


「ねぇ、アリス、ここはどうやって解くの?」


「……フリル、最初の質問聞き始めてから今の質問で何問目だと思う?」


 フリルは少し考え込んで、疑問形のような発音で答える。


「え、えっと、10問目くらい…?」


「もう50問目だよ」


「えっ、そんなに!本当!?その、ごめんね…?」


「……いいのいいの!私は大丈夫、大丈夫だから、きっと…私なら明日の日曜日が1日あれば、この程度のテスト勉強なんて………うぅ…」


 アリスが少し苦しそうにそう答えるのを見て、フリルは今からはもう質問をしないようにしよう、と心に決めた。

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