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【第17話-勉強は計画的に】

「えっと…私はアリス・ミラージュ。高等科3年生よ」

 アリスが求婚された事を無視しつつ自分の名前を語ると、名前まで可愛いなんて…などという台詞が小声で聞こえた気がしたが、更にそれもフル無視すると、次は男子生徒が自己紹介を始めた。

「ボクの名前はハイディ・ルミナス!中等科3年生で、光の魔術に適性があるんだー!よろしくね!ところで次の休日空いてる?僕と一緒にお茶でもしない?」

(あれ?ルミナス……?どこかで聞いた事ある気が…誰だっけ、何か関わりがあったと思うんだけど…思い出せないー!)

 そして、アリスが考えるのをやめると同時に1つの事実を悟った。あぁ、とんでもないやつに目をつけられてしまったと。

 とりあえずアリスはお茶のお誘いを丁重に断りつつ、別れの挨拶をして、その場を去ろうとした。

 すると、後ろから声が再びかけられた。

「あっ、そうだ、アリス先輩」

 ハイディの声だ。

 アリスが「どうしたの?」と振り返り小首を傾げた。

 ハイディは、真っ白い歯が少し見えるほどの可愛らしい笑みを浮かべながら答えた。

「また会おうね!」

 そう言い終えた後、アリスにはハイディの笑顔が少し曇ったように見えた。


 * * *


 ダンジョン攻略で少しだけでも単位を得たのは良いものの、アリスは新しい次の問題に頭を悩ませていた。

 それは、今から4日後の金曜日に行われる校内テストだ。

 アリスは基本的に実技の単位を取れない代わりに筆記で単位を補っていた。事実、魔術式の理解度が高いアリスは筆記でも好成績を残していた。(第2話参照)

 卒業をするために必要な単位は実技と筆記を合わせて、250単位以上である。全単位を取ると500単位なので半分取れば卒業は出来る。

 ただ、筆記が得意と言っても満点な訳ではない、寧ろ全部満点な訳がない。だから、実技の単位を少しでも多く取っておかないと後々苦労する、または、留年になってしまうためアリスは初級ダンジョンだとしても単位が貰えたことを喜んでいたのだ。

 今回の初級ダンジョン攻略で与えられる単位数は3だ。ちなみに、攻略成功時に貰える単位は難易度別で変わってくる。

 話が戻るが、アリスは単位を少しでも多く得るために勉強をしなくてはならなかった。だが今回のアリスは珍しいことに、完全にテスト勉強を忘れていた。新しい友達が出来たからか、明らかに気が抜けていた。

「んぅー...どうしよう、テスト勉強をちょうど忘れていたタイミングで、よりにもよって私の苦手な教科のテストがあるなんて……。」

 そう言った後、アリスは机の隣に置いたりんごジュース(自販機で買っきてたやつ)を険しい顔で飲んだ。

「私の友達に、誰か勉強会に誘えるような人いたっけ…。クラリスは…あぁ、ダメダメ、あの子は勉強途中にお菓子を食べだすから集中出来ない。メルトは…あぁ、ダメだ、周りの女子達からの目線がとんでもない物になるのが目に見える。」

 少し間をおいてふと思い出した。そう、忘れられていた数少ない大事な友達の事を。

「あっ、いけない忘れてた、フリルは…えぇと、あれ、特に問題ない…。少なくとも、クラリスみたいに勉強中にお菓子を食べ始めたりする事は無さそう」

 それから、アリスは急いでフリルの席の前まで行き、フリルを勉強会に誘いに行った。

 だがそれが、大きなミスだとは気付かずに…。

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