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【第12話-予期せぬ強敵】

 ダンジョンに入ってすぐに、アリスが風の初級魔術、探知を使って周囲を探り、30秒ほどで、すぐにモンスターが現れた。

 ゴブリンが3匹、初級魔術でも倒せるような弱い初級モンスターだ。

 クラリスとフリルが詠唱を始め、言い終わるよりも早く、メルトが剣を使い一瞬で素早くゴブリン達を倒し、一同は更に奥へ進んだ。

 その後も出会うモンスターは初級のモンスターばかりであり、攻撃魔術の使えない、いわゆる防衛専門のアリスの出番が来ることはなかった。

 順調にダンジョンを踏破して行った4人は、特に苦労することもなくダンジョンのボス部屋に辿り着いた。

 ボス部屋の前には扉があり、そこで先陣を切っていたメルトがボス部屋の中を扉の隙間から覗き込んだ。

「なっ…?」

 アリス達が声を揃えて、どうしたの?と尋ねるとメルトはいつもより少し声のトーンを低くしてアリス達に情報を伝えた。

「初級ダンジョンは初級モンスターしかいないから、このボス部屋にいるボスは本来初級のはずなんだけど、何故かここにいるのは……上級ボスだ。これは俺の推測だが、どうやらダンジョンの事前調査員が仕事をサボったようだね…。」

 ダンジョン内では"初級と中級"や"中級と上級"のように1つだけ階級が下のモンスターがいれば、ボスが基本的に上の級なのでボスの周りの下級モンスターはボスに倒される。

 だが、2つ以上級が下だと戦う気が失せるのか危険だと感じないからなのか理由は分からないが、そのまま見逃してしまうらしい。このダンジョンがそうだ。

 出現モンスターはボス共に同級であることが多い。だからこそ1つ差があるだけでも珍しいのに、ましてや2つ以上級に差がある事なんて滅多にない。

 こんな事があるからダンジョンを解放する前には必ず調査員が闇の上級魔術である隠密を使ってボス部屋まで行き、事前に調べるのだが……

 今回は調査員がサボったようで、入り口付近の初級のゴブリンを見て初級ダンジョンだと判断を下したようだ。こんな事をしたとバレれば当の調査員は即日解雇されるだろう…。

「さて、ボス部屋まで来た訳だけど、相手は初級ではなく上級のボスだ、気を抜ける相手ではない。……みんなはどうしたい?」

 3人は顔を見合せて1度だけコクリと頷くと、アリスが発言を始めた。

「せっかくここまで来たんだし、どうせなら行きましょう!いざという時にはメルトの神聖魔術があるし、それに、みんながいればきっと上級モンスターくらい倒せるわよ!」

「…俺へのプレッシャーが大きいような気もするんだけど…まあいい。みんながそれでいいなら…行こう。」

 メルトが言い終わると4人は全員武器を構えて扉を開き、ボスのいる部屋に入っていった…。

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