【第11話-攻略開始】
「ダンジョンに入る前に、それぞれのできることを把握しておきたい。少し時間をもらえるかな?」
メルトが問いかけると3人はこくこくと頷いた。
まず私からと先陣を切ってフリルが答える。
「わたしはフリル、得意魔術は呪術と闇魔術で、闇魔術は一応上級まで使える。あまり連発は出来ないけどね!あと、好きな食べ物はオムライスで、上にケチャップで文字を書くのが好き!」
何か余計な情報も入っていた気がするが、数少ない友達なんだし、一応覚えておこうとアリスは頭の中でメモをした。
「私はクラリス、得意魔術は氷魔術、氷魔術は上級まで使えるわ。えっと、好きな食べ物は……って、これ必要ないわよね?」
全員がこくこくと頷くと、発言はアリスに移った。
「私はアリス、得意魔術は攻撃魔術と固有魔術以外の魔術ならほとんど全部得意よ!大体の魔術は上級まで扱えるわ。魔力も加護の力のお陰でほぼ尽きることはないよ!私も好きな食べ物はパスで!」
そうアリスが言い終えると、フリルはぷくーっと頬を膨らませ、アリスの好きな食べ物を聞きたかったというとても分かりやすい顔をしながらアリスを見た。当の本人は苦笑いをしながら目を逸らして逃げた。
「では、俺で最後だね。名前はメルト、得意魔術は光魔術と神聖魔術だ、光魔術は上級まで使える。神聖魔術は初心者だけどね。後は、この剣についてだね。俺の剣は魔術を纏わせる事ができるんだ。いわゆる魔剣だね。それと、聖剣の加護の力…具体的に言うと、聖気だね。俺は聖気と魔術を合わせることでその属性と同じ斬撃の刃を飛ばすことができる。」
アリスはその言葉を聞いて考えた。
(神聖魔術…光の上位魔術だ…。それに、『付術の加護』を持っている職人にしか作れない高価な魔剣まで…)
上位魔術はほとんどの人が習得する事が出来ないため、もはや固有魔術と言っても良いのだが一つだけ決定的な違いがある。それは、上位魔術に関係のある加護を持っていなくても、とてつもない努力を重ねれば誰でも習得できるという点である。
そのため世間では上級魔術の上として超級魔術とも呼ばれている。
噂によると、国王陛下が直々に任命した、この国の大賢者と呼ばれる人間は、元々、少しは適性があったのだろうけれど、加護ではなく、努力で超級魔術をほとんど…あるいは全属性使えるらしい。
メルトは加護によるもののようだが。
「すまない、1つ言い忘れていた。2人はダンジョン攻略が初めてだと聞いていたから、今回は簡単な初級ダンジョンを攻略する。これで、2人の実力を確かめさせてくれ。」
メルトの言葉は予想外だったが初めてのダンジョン攻略でいきなり中級ダンジョンを攻略せずに済んでアリスとクラリスは内心ほっとした。
「さて、みんな準備はできたかな?」
メルトの問いかけに一同がコクリと息を飲んで頷くとメルトがダンジョンの扉を開けた。
──「それじゃあ、行こうか。」
かけ声と同時に一同はダンジョンの中へと進んだ。




