主人公・無双する
試合開始の合図は無い。
ギルド内の戦闘スペースに上がった時点で何時仕掛けても問題ないのだ。
これは模擬戦ではない。
実戦形式の戦闘なのだ。
こちらが動かない事を不振がりながら相手の魔法使い二人は既に動いている。
方や攻撃魔法を唱え
方や補助魔法を唱え味方を強化していく。
正直な話、兄や姉と連携する際も強化魔法など使わずに敵を粉砕していたので其の光景は私にとって興味深いものであった。
「ふむ、物理防御と魔法防御の上昇か。あれなら真似できるか?」
オリジナル魔法を使えるのは確かにカズヤだけである。
だが、精霊の力を借りる事ができる私には似たような事が出来てもおかしくは無いだろう。
もっとも、この試合で使う気はさらさら無いが。
こういうのは練習あるのみ。
実践でいきなり使うのはリスクが高すぎる。
故に見るだけとなる。
「火よ燃えよ!炎となりて敵を討て!バースト・フレイム!」
言葉と共に炎が燃え上がり私の身体を包んでいく。
初手から一気に決めに来ているのは目に見えている。
業火の中、私は炎にまぎれて相手の懐に入り込む。
一番最初に気が付いたのはメンバーの盾役ヴァル・ブレスト。
即座に私のパーティー内への侵入を阻もうと其の巨大な盾を前面に押し出し私の行動を防ごうとする。
だが、甘い
「っ?!そ、そんな!?」
巨大な盾は、私の侵入を阻むどころかたった一撃壊れ盾としての機能を崩壊させてしまう。
一撃の威力が此処まであるとは思っていなかったのだろう。
それなら場とそのままヴァルとリーダーのロウが二人掛りで攻撃を仕掛けてくる。
アタッカーのアリアンは背後で剣術の準備をしていたが一瞬間に合わない。
まずヴァルに掌底をあて背後に吹き飛ばしロウの剣を麒麟で防ぐ。
この段階でアリアンの準備が完了し
「ロウ!行くわ!」
「任せる!」
ロウと交代でアリアンがロウの身長ほどもある大剣を両手で軽々扱う
しかし其の一撃は動きに似合わず重い一撃となって襲い掛かってくる。
麒麟で受けているがこちらが後退させられてしまう。
成程、この連携はうまい。
アタッカーのアリアンが何かしらの魔法をかけた、或いは掛けて貰い剣を軽々と扱えるようにしたのだろう。
しかし、それでも尚、私には届かない
「っ!冗談きついのよ!」
麒麟に覆われたこてで大剣を掴み思い切り空へと放り投げた。
空中に放り投げだされたアリアンに追撃をしようと足に力を入れた所で背後より気配がした
とっさに私は感で右に大きく回避すると其の数瞬後にロウの攻撃とアルマの魔法が時間差で先ほどまでいた場所に攻撃されていた。
このため一旦私は距離をとる事、振りをする
「いやはや、まさか彼の実力がこれ程とは。こっちは盾を壊されちゃった上、中央突破されたのに相手に怪我一つさせられなかったね」
「あれは反則よ、私の魔法も意味が無いなんて」
「ヴァルは大丈夫かしら?あんなふうに飛ばされたなんて」
「仲間の心配も良いが、自分達の心配ももう少しすべきだな」
こちらを向く一瞬の隙を突いて補助魔法をかけていたアリアリンを捕まえ思いっきりギルド内の先頭スペースの端っこにぶん投げる。
これで、掛けられていた補助魔法は解かれた。
さらにロウと呼ばれているリーダーにその場で空中にとび踵落しで頭に直撃させる
「ぐっ、がっ……?!」
「ロウ?!」
隙を突かれて状況が分らない中さらに意識混濁したリーダーではもはや指示も出せない。
そのまま大剣使いの剣を折り魔法使いの首元に手を置いて
「チェックメイト……降参、していただけますね?」
「……そうね、これは私たちの負けね」
こうして、「弱き者の剣」との戦闘は箱を開けてみれば呆気無く、ほんの数分で終わってしまったのであった。
危なげ無く戦闘勝利。
傷一つ受けていないので完全勝利です(爆)




