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勇者とチートと物語  作者: 紫藤 霞
ギルドで働こう!
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ギルドに報告パート2

 取り敢えず、それから幾つかの質問と返答を行う。

 とは言えこちらは突入・雑魚敵掃討・ボス撃破と端的に言えばそれだけだったが。


「とすると基本的な撃破はテツヤ君とカズヤ君の勇者様お二人が行った、と言う事かな?」

「えぇ。実戦経験が圧倒的に足りないのでそうさせました。今回はコンビネーションの訓練を兼ねてやらせました」

「君達は凄いな。私達では皆で各個撃破しながら出なければ勝てなかったばかりの敵だと言うのに」

「勇者様って本当にお強いんですね。あれ?そしたらクリスティン様は?」

「こいつは私達の後ろで私達の背後から回ってくる敵を一掃していました」

「しかも常に敵の数が一定になるように間引きまでしてですよ?絶対にひでえ」


 馬鹿を言うな。

 今のお前たちのことを考えて一定数以上にならないようにしたというのに。


「それはそれは……本当にクリスティン様は御強いのですね。勇者様お二人が認める強さのものがEランク。う~む」

「すまないが、これからの事もある。どうすればそのような強さを得られるか、もしよければ教えて貰えないか?王家の秘儀に当たるものでなければ、なのだが」


 どうすれば強くなれるか、か


「しいて言えば空気を感じ取れるか、ですね」

「空気を?」

「えぇ。その場の空気、とでも言えばいいのでしょうか。私も若輩者で良い言葉が見つかりませんがアムリストさん、たとえば連携を取って敵を倒すなら囮を前に出しアタッカーが下がり、準備が出来次第交代するのが普通ですよね?」

「あぁ。魔法使いや魔法剣など一定の時間が必要な場合其れを守るように前に出るな。」

「今回は其れが敵にも会ったときがつけるかどうかがまず一点」

「……あったのか、そのような連携が」

「えぇ。多分ダンジョン主のアラクネアと名乗った物の支配力の影響でしょうが」

「ミント、気が付いたか?」

「駄目です。あの状況で其れに気が付けたものが居たかどうか……仮に居てもそんな事は筈無いと突っぱねていたと思います」


 モンスターは連携をしない。

 そういう固定概念があったのか。

 知らなかったが之に関しては知らない事が事を有利に運ぶ結果となったか。


「ならば、クリスティン様は連携していると何時から気が付かれたので?救出部隊のお二人は聞いての通り全く気がつかなかった様子ですが」

「しいて言うなら最初から、です。動きが外で戦ったモンスターと違った空気がありましたので。すみません、うまく言葉が見つからなくて」

「いえいえ。其の指揮は主にどのモンスターが行っていた、などはわかりますか?」

「基本的にはアラクネですね。たまにラミアも混じっていましたが基本はアラクネの指示で動いている様子でした」

「アキラ、お前本当に良く見てるんだな」

「私はお前達より強いからな。前線で戦う以外にも指揮が出来るように心掛けねばならん」


 其の言葉を聴いてアムリストさんやミントさんはふむふむと頷いていた。

 自分達のパーティーも欠員が出て、あまつさえ預かっていた部隊の殆どが死亡なのだから当然と言えば当然か

 そんな折、アムリストさんがこちらを真剣なまなざしで見つめ


「クリスティン様。無礼を承知でお願い致します。私たちを鍛え直しては頂けませんか?」

「貴方方を?」

「はい、此度の件で自らの強さの未熟さに気が付かされました。勇者パーティーのクリスティン様達が居なければ死んでいたと思います。どうか、今一度私たちを鍛え上げていただけないでしょうか?」


 これは正直困った。

 まだ其の強さを見た事がないが方やCランクの救出部隊、部隊長を任命される人物

 方やその副官。

 強さなど、見なくともある程度は分る。

 分るからこそ、困った。


 応じれない事に


 ありのままに言うしかない、か。


「すみません、今の私には応じる事が出来ません」

「そうですか、理由を聞いても?」

「正直に言えば、お二人が弱すぎるからです」


 其の言葉を聞いて表情が変わる。

 当然だ、ランクCの中でも強い方の者だと自負している者に弱い、と言われたのだから。

 しかも相手はEランク。

 本来ならば敵を討伐する事すら出来ない筈のランクの者からで、ある


「二人の強さは大まかには分ります。そうですね、一月も付きっ切りで訓練を重ねれば一流に限りなく近くまで強さを引き上げる事が出来ます」


 だが、其の程度なのだ。

 其の程度まで”しか”あげられないのだ


「仮に、訓練で一流になったとしましょう。訓練で強くなった状態でテツヤとカズヤどちらかと戦った場合、あなた方二人掛りでも勇者モードに変身”しない”片方だけで圧勝できます。それほど、勇者と言う存在は規格外、人外のレベルなのです」


 勇者に覚醒したての頃でさえ、一流の冒険者達と比べても負けることが無かった二人。

 故に、この二人を鍛えなおしたいと言う欲求はあるにせよ、今はテツヤとカズヤが死なないようにするので精一杯なのだ。

 だからこそ、この申し出を断らなければならない

 そんな事を考えていたらギルド長から質問が飛んできた


「それについては私からも質問がある。疑って申し訳ないが、君は本当にその勇者様お二人より強いのかね?」

「ギルド長さん、其れは間違いなく」

「俺達だと手も足も出ないもんなぁ~」

「ふむ……この戦果を見ても尚、信じきれん、と言うのが本音じゃ」


 テツヤとカズヤが順番にフォローして見せるがギルド長は其れで納得しきれない様子。

 まぁ、普通は勇者の方が強いのだから当然か


「そこでじゃ、一つ模擬戦を行ってもらえんかのぅ?」

「私は構いませんが、相手はテツヤたちですか?」

「いや、勇者二人には悪いが手加減してしまうかも知れん。丁度帰ってきたBランクの者達がおる。そのものたちに頼もうと思っておるのじゃ」

「つまり……弱き者の剣とやりあえ、と?」


 なんとも、面倒な事になってきたものだ。

そんな訳でまたもや戦闘です。

まぁ、負けることは無いと思いたいですが……勝てる、よね?

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