災害級モンスター
先に進めば進むほど、敵の攻撃してくる頻度が減ってきた。
其れに伴ってか、一転して敵の強さも上昇しつつある
「だぁ!かってぇえ!」
「くっ……!」
前衛として動いていた徹夜が壁として相手の注意を引ききれて居ない。
其の為に後衛の和也もまた接近戦を余儀なくされている状況である
魔法でいっそうしたいところだが、この辺りまで来ると魔法に対魔能力の高いモンスターが多くなっていく。
上層階で見せたような魔法でいっそう、と言うのは難しいのであろう。
とは言え和也の戦い方は面白い。
接近戦の中に無詠唱魔法を組み込んでいるので相手からしてみればやりづらい事この上ないだろう
徹夜にしてもそうだ
こっちは徹底的に接近戦を、両手で剣を揮えるように鍛え上げた。
二刀流も可能にしておけば幾分かは楽になるのと、本人の強い希望でそうなった。
まぁ、二刀流は男の夢でもあるからな。
とは言え、敵が固くなってきて、魔法も聞かなくなってくると中々に難しいと言う事も分かってきただろう。
ふと隣を見るとこちらを攻撃しようとしてくるラミアが居た。
奇声を上げこちらに襲い掛かってくる。
なんてことはない
襲い掛かってくる爪を掴み麒麟の能力で雷撃をラミア全体に流し込みさらに体の真ん中めがけて力を増幅させた攻撃を行う。
之だけでラミアは吹き飛び焦げ付き消えていく。
そうそう、消えたモンスターは私は左手首の、徹夜と和也は右手首に装着した腕輪の中に入るようになっている。
ギルドで何を何匹倒したのかと言う証拠となるのである。
共同でモンスターを倒した場合は其の人数分に等分される。
便利なものがあったものだと思いながら続けざまに飛び掛ってくるハーピーの足を掴み思い切り地面に叩きつける。
地面が陥没し、ハーピーの顔の骨が砕け散りそのまま粒子となって右腕に吸い込まれていく
既にハーピー、ラミア、アラクネ、サッキュバスといった女性型モンスターはかなりの数を倒している。
だが奥に進めば進むほど敵の数は少なく、其の分強くなっていく
いったい何処まで先があるのやら
「ア~キ~ラ~!暇なら手伝ってよぉ~!」
「ばか者、之も修行の一環だ。気合を入れて行え」
「そういわれてしまえばっ! 手助けをいえないではないっ、かっ!」
やはり和也の体力では中々に動きながらの魔法詠唱は厳しいらしい。
少々息を切らし始めてる。
大して徹夜は全く息を切らさずに敵から目を背けずに一心不乱に二刀の刀を振るっていく。
和也には少し基礎体力の訓練を増やすべきであろうか?
とは言え、確かにこの人数では苦戦する相手だとしても、だ
之で共同Cランクチームならいざ知らず、救援部隊が全滅する事はない筈である。
パーティーなのだから最低でも三人、最大で六人のパーティが五組居るのだ。
最低でも15名、最大で30名の救出部隊が出撃してこの程度の敵に全滅させられるだろうか?
答えは否、だ。
救出部隊のリーダーはある種部隊長のように全てのパーティーの命を預かっている。
今回みたいな場合リーダーが無能な者を選ぶ事などありえない。
さらに敵と戦っている地の利もまた比較的こちらにある。
戦う場所は四角形のそれなりに大きな広場がのみだ。
通路で戦闘となれば話は別だが今の所そういった広い場所でしか戦闘は行っていない
ならば後は数と質の問題だが数が互角だとしても質は救出部隊に軍配が上がる筈だ。
なのに何故救出部隊は敗北したのか?
そんな事を考えていると奥の方から新たなアラクネがやってきた。
しかも、今までの存在とは少々違うらしく知性があるみたいでこちらと戦っていたモンスターを引かせた。
一定の距離を保ちながらこちらに話しかけてくる
「良くぞいらした、生贄よ。さぁ、無駄な抵抗はやめ我らに従うが良い」
なんとも三流の敵の言いそうなことだ
だが、話せると言う事は知性があるということ。
相手の見かけはアラクネでDランククラスの物だがあれだけ流暢に共通語を話せるならBランククラスのボスと考えるべきであろう。
少しでも情報が引き出したい。
和也と徹夜のほうを向けば剣を向けたまま襲い掛かろうとはしていない。
しゃべるモンスターは初めてで多少の困惑が見える。
ならば今のうちに
「其の前に聞かせて貰おう、私たちよりも先に着いているはずの物はどうなった?」
「ん?生贄の事か?女は要らぬから牢に閉じ込めている。男は其の精を捧げ命を捧げている最中であろう」
「なら、私たちもその精を捧げないといけない、と言う事になるのか?」
「其の通りだ、人間。中々に筋がいいな。お前達にもう逃げ場は、無い」
其の言葉の直後、ぞくりとした感触が右側から現れた。
気が付けば広場のような部屋だった場所がコロシアムのような場所に変わっている。
そしてそこにいるのは
「災害級特別指定、アリムゲストの悪夢、だと?!」
災害級モンスターの登場であった。
その昔、アリムゲストと呼ばれる場所があった。
かなり強固な守りに固められた其の都市は一夜にして火の海に包まれたのである。
其の年を焼き払ったものこそ目の前に居る化け物、アリムゲストの悪夢である。
見た目はオーガの様に左右に一本ずつ、二つの角を生やし褐色の身体に牛の顔。
そして何よりも目に映るのが不釣合いとも言えるほど巨大な右腕。
あの右腕の一撃は家をも破壊する。
左手の魔法は辺りを荒野に燃やし尽くす。
其の二つを止めることも出来なかったギルドが付けた名前
それが災害級特別指定「アリムゲストの悪夢」であった。
之は間違いなく、Bランク、それもBランク上位のモンスターである。
「貴方達は少し強いから弱らせないとこちらのものがやられてしまいますわ。パーデン、手の1本や2本は如何って事ありません。胴体と頭が無事なら好きなようにしなさい」
「■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!」
咆哮を上げこちらに視線を合わせる。
成る程、かなりの強敵である。
流石にあの二人には荷が重いか。
私が全力を出せば。
そう思ったと同時に
『駄目だ。汝は戦う出ない』
そう、初めて聞く声が聞こえた。
フラグ、両方とも立っちゃいました。
あ、後観想下さい。
宜しくお願いいたします




