↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者とチートと物語  作者: 紫藤 霞
ギルドと学園と
41/63

番外編・スーリとデート後編

 会談が終わったので自分の部屋に連れて行く。

 今下手な部屋に連れて行くのはスーリの精神面がやばくなりそうなのでやめておく。

 手を繋いでどうにか意識を取り戻したスーリとともに自室に向かっている。


「フドウ、お前は本当に王子様だったんだな」

「ん?あぁ、うむ。王子様だったのだ」

「だからあの勇者二人と最初から仲が良かったのか。教育係みたいなものか?」

「あながち間違っては居ない。詳しい説明は部屋に行ってからにしよう。廊下でする話でもないのでな」

「ん、任せた」


 そんな感じでトコトコと二人で私の自室に移動。

 特に何かあるわけでもないが、スーリと手を繋いで何事も無く自室に入る。

 そこで、やはりと言うか何と言うか、スーリが奇妙な顔をする。

 これはシャルさん達を初めて入ったときに同じ表情をしていたので理由はなんとなく察する


「フドウ、本当にここがお前の部屋なのか?」

「ふむ、そんなに生活感が無いか?」

「無いな。これでは誰もすんでいない、と言った方がまだ信用性があるぞ?」


 シャルさん達をこの部屋に連れてきたときも同じ事を言われた。

 部屋にあるのはたんすに大きなベッド、そしてテーブル。

 普通の部屋にあるものはある。

 だが、シャルさんたちが言うには


「フドウの物がまるで無いではないか」

「そう言われてもな」


 そう、生活感が無いといわれるのがなんと個人のものが無いからだという。

 私自身、あまり部屋を着飾ることをしない方であったし欲しいものも特に無かった。

 とは言え、市場に出回るものや王宮に納品される品は元の世界のものと比較しても遜色の無いものだ。

 それほど美しい、或いは使い勝手の良いものであったが私個人としては特に欲しいものがなかったのだ。

 これはたぶん、一度死ぬまで生きたことが影響しているのだろう。

 それほどまで生き抜き、死んだ事で欲しい物などが全く無くなってしまったのだろうと推察している。

 実際のところは良く分からないが

 其の為かシャルさん達や家族からもっと何か飾った方が良いとよく言われる。

 とは言え、欲しいものも特に無いので飾らないで居たら生活感が無いといわれる始末。

 不思議だ。

 だがまぁ、今はいいやとばかりにテーブルに座る。

 手元にあるチャイムを鳴らしメイドにお茶を持ってくるように指示を出しておいて


「スーリも座ると良い。話はそれなりに長くなるからな」


 私はスーリの分の椅子を動かしておいてから椅子に座った。

 するとスーリは椅子では無く、私の膝の上に座ったのである。

 最近はこういうことが多いので特に気にしてなかったが、やはりスーリは私の事を好いている、と解釈していいのだろうか?


「それでフドウ?何を話してくれるのだ?」

「そうだな、まずは私の名前からか」


 スーリにはそこから一通りのことを話す。

 自分が王位継承第五位クリスティン・F・イムルガルドである事。

 和也や徹夜たちと同じ世界ですごした事がある事。

 シャルさん達の事

 奴隷市であった事

 今まであった事を淡々と説明していった。

 必要な事はたぶんこれですべてであろう。

 さて、スーリに言う事は全部言った。

 スーリはどんな反応を示すのか


「……何というか、現実離れしてるのぉ」

「うむ。それは私もそう思う」

「それで?我に何故この事を話したのじゃ?」

「ん?うむ」


 歯切れが悪くなる。

 しょうがない、この先の言葉を言うのは少々恥ずかしい。

 だが温くなった飲み物を一息で飲んでから


「スーリよ、私と結婚を前提に付き合わぬか?」

「……なぬ?」


 驚かれてしまった。

 私の発言の意図が分かったとたん、ボンッと音を立てるように顔を真っ赤にしたスーリ。


「けけけ、結婚だと?!ふ、普通はただ付き合うだけではないのか?!」

「いや、いろいろと考えたのだが私が意外にもスーリが好きな様でな」

「……意外なのか?」

「個人的な趣味を言わせて貰えばシャルさん達の体形の女性が一番好きなのだ」

「我と正反対だな。胸はペタンコ、背も低いぞ?」


 其の通りである。

 スーリの体形は私の理想とするシャルさん達と全くの正反対。

 だが、しかしだ


「気が付いたら好きになっていた。そう言う事もあるだろう」

「ふむ、そうか……いやいや、そうかではなく!」


 真っ赤な顔をしたままこちらをじっと見つめてくる

 潤んだ瞳、赤い顔、小さな身体

 こちらを見ていた瞳がうつむいたかと思うと私に抱き付いてきた。

 それから少したってから漸く言葉が出た。


「良いのか?我は好みとは正反対なのだぞ?」

「かまわん。好きになったのだからな」

「我はその、ちっちゃいぞ?」

「かまわん」


 それから少し立ってから顔を私の胸に顔を伏せたまま


「宜しく、頼む」

「心得た」


 こうして、私はスーリともまた、婚約をするのであった。

 この後、家族に大いに驚かれさらに同じハーレムを作った和也からは祝福を、徹夜からは嫉妬をもらったのは別の話である

あれ?

デート話がそのままデートで終わらなかった件。

不思議な事もあるもんだと

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。