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勇者とチートと物語  作者: 紫藤 霞
ギルドと学園と
33/63

和也覚醒

 壇上に上がっていけば次第に、会場の声が大きくなっていく。

 この場所のつくりのお陰である。

 壇上にいるものには会場にいるものの声が

 会場にいる者達には壇上の声が聞こえるようになっている仕組み

 そのお陰で多くの奴隷市にやってきている者達の顔も見える。

 とは言え、幾人かは顔を隠すマスクをつけているが。

 マスクが有ろうとなかろうと関係ない。

 今この場所にいること事態、罪なのだから。


「見事、見事あの大競り合いで競り落としてみせたビルマル家のアルノルドファ様が壇上に上がってきたぞぉおおぉおお!!」


 若い私の顔を見て、あんな若造がとか、屈辱だ今に見ていろよ等の厭悪の声が聞こえる。

 それ程までに姫を競り落としたかった者達が多かったと言う事だ。

 グロリアス様を競り落とせなかった者達の怨嗟を纏いながら壇上に上がりきった。

 此処からなら会場が一望できる。

 破壊すべき場所は三つ。

 壇上に一つ、中心に一つ、残る一つは……あの柱の上か。

 少し、精霊にきつい命令を下さないといけないかもしれないな


「アル兄、あった?」

「あぁ。あの目の前に見える透明な石がそれだ。残りは会場中心とあの柱の上。それさえ壊せればこちらにはいかようにも手がある」

「ん……あのお姫様の所に行っても?」

「あぁ、構わんよ。ふむ、そこの物」

「はぁ、なんでしょう?」

「弟が一緒に買った紅狼族の娘がいる筈だ。一緒に連れてきておいてくれ」

「了解です。」


 そういって直ぐに和也が買い取った娘も壇上の端から中心に連れてこられ姫と一緒になって鎖をつけられている状態になる。


「ちょっと行ってくる」

「あぁ、構わんぞ」


 和也は先に二人の下へ。

 そして私のほうに司会がやってくるとつまらない質問をいくつもしてくる。

 そのお金は何処から手に入れたのか?やこの後どうするのかなど。

 本当につまらないことばかりだ。

 さっさと、全てを終わらせてシャルさん達二人に甘えたい。

 もしくは甘えられたい。

 そんな事を思っていたら突如膨大な魔力があたりに漂った。


「な、なんだなんだ!?」

「これは……」


 間違いなく、和也の魔力

 壇上の上にあった魔法封じの石が既に砕けている。

 直ぐに会場中心に目をやればそれも壊れている。

 感覚的に柱の上にある魔法封じの石も壊れているのであろう。

 まさかと思いながら和也を見れば白金の鎧を身に纏い白金の剣を手に持った和也の姿が、そこにはあった。


「俺の、俺の名は……俺の名は和也! 勇者和也だ!此処に居る者に告ぐ!もはやお前達は俺の怒りの限界を超えた!今此処で、神罰を下す!」


 おぉぅ。

 和也が覚醒してる。

 一体何がどうして?

 だが、そんな私の思考を他所に和也は剣を壇上に突きたて


「全ての者に、断罪を。神炎よ、薙ぎ払え」


 その言葉と共に手を振りかざす。

 それと同時に会場は一気に白い炎に包み込まれていく。

 なんともまぁ、豪快な事で


「なななな、なんなんだ、何なんだお前達?!」


 そして漸く状況が読み込めたのか、司会役の者が青い顔をして此方に指をさして来る。


「ふむ、この状況なら名乗れるな。王位継承第5位、クリスティン・F・イムルガルド。この国の法に則り、貴様を死罪にするものだ」

「ひ、ひぃいぃ!?お、お助けを!ど、どうか、どうかお助けを」

「ならん。お前達が行ったのは闇市の最もやってはならんとされている奴隷市。死を持って償え」

「ア、あ、あぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁあ」


 その言葉にもはや狂乱となって此方に魔法を

 いや、此方ではない。

 出鱈目に魔法を打ち始める司会役。

 なるほど、魔法が多少は使えたのか。

 言葉にするまでも無く、麒麟が身体に纏わり、その出鱈目な魔法の身体にあたる部分を消滅させていく。

 最も大半は出鱈目に発動しているものだから矢鱈滅多な方向に飛んで行き会場を、そして壇上を破壊していく。

 無論、こんな出鱈目に、出力も何も考えずに打ち続ければ当然打っている側はスタミナ切れを起こし


「あ、あひゃ、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」


 ドスンと座り込んで精神が崩壊した。

 この国では死罪と一度宣告されるとよほどの事が無い限りそれを覆すことは出来ない。

 しかも王族の目の前で闇市の、奴隷市の司会を務めていたのだ。

 言い訳なども出来ないと悟り、精神が崩壊したらしい。

 うむ、なんともまぁ、あれな幕引きだ。


 そんな事を考えていると此方を向いた和也と目が合った


「あ、晶……どうしよう、なんか覚醒できっちゃったっぽい」

「そのようだな。まぁ、問題など無い。後で身体検査するとしよう」


 そしてそれから数分後、近衛兵やアムド兄、アイリ姉が突入してきて会場を完全に破壊して、その場にいたもの全ての死亡を確認してから奴隷達と共に王城に向うこととなった。

 意外と呆気ない幕切れにあきれながら、早く何もかも忘れてシャルロットさん、シャルロッテさんの二人のシャルさんにルパンダイブでもかましたくなったのは、秘密だ。

気がつけばぎりぎり一週間立つ所だった。

最近は寒いですので体調などお気をつけてください

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