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勇者とチートと物語  作者: 紫藤 霞
ギルドと学園と
31/63

奴隷市の事

 今回の奴隷市はそれなりに規模の大きなものだった様だ。

 既に奴隷市が行なわれておりオペラ会場の様にそれなりに広い壇上に既に売買が済んだ奴隷が並んでいる。

 既に四人、見えるだけでも普人の売買が終わっている。

 売買の終わった普人の女性は壇上の端に寄せられ次の女の子、或いは女性が壇上の真ん中に歩かされていく。


「あんまり、良い気分じゃないだろうが、まだ見ていろ。売買の全てが成立してから奴隷を保護しないといけないからな」

「あ、あぁ」


 流石にこの光景は現代人としては厳しいか。

 私とて良い気分だとは決していえるものではない。

 そしてさらにカラド兄からの提案として


「一人、奴隷を買わないといけないのも億劫か」

「どうする?あ……アル兄の趣味で行く?」

「いや、ビルマル家は徹底した普人主義でな。買う時は必ず亜人を買うことになっている。さて、どうするやら」


 そういって、手元にある金貨100枚の入った袋を持ち上げてみせる

 元の世界の単価で100億、と言った所か。

 それだけの金額があるが奴隷達の売買額の基本が銀貨

 金貨になるのも珍しいと言うのに金貨100枚もあればまず必ず買える。

 そして壇上の上に乗ることが出来るのである。

 そこでこの場所を一気に制圧したいのだが果たして出来るかどうか。



 そうそう、奴隷と言えば


「和也、奴隷市全てが違法じゃないと言うのは私は言っていたか?」

「へ?いや、それ聞いてないけど」

「ふむ。合法の奴隷市もある。身売りや口減らしなどの理由で奴隷商に売ると言うやり方だ。本来なら取り締まりたいがそれがこの世界では普通の事なので取り締まれない。兄達もそれは普通の事だと認識しているからな」

「此処の奴隷市とどう違う?」

「扱いそのものが違う。奴隷、と言っても強制的にアルバイトをさせられる程度の認識で間違いは無い。奴隷から開放される為に自分に払われた金額働けばいいだけ出しな。大概は一年程度でその金額をためることが出来る」


 無論例外もあるが大体はそんな感じ。

 犯したり乱暴をしたりした場合、自分を売った奴隷商に駆け込めばその奴隷の買取人に罪を与えることが出来る。

 だが此処の奴隷達はそれさえも出来ない。

 だからこうした闇の奴隷市は死罪が適任だ、と言うことなのだ。


 無理矢理人を壊したり犯したりする連中など、生きていてもしょうがないのだからな


「という訳だ」

「成程な。なら、此処で買った奴隷をその普通の奴隷として扱うのも有りなの?」

「無論、有りだ。だから買いたい娘がいたら買え」

「うぅ……が、頑張る」


 和也には少々、いやかなりキツイだろうがこういう人の闇も見せておかないといけないからな。

 この世界も、きれいな事ばかりではないという事を教えないといけない

 正直、和也にも徹夜にも教えたくない事だがこの二人は勇者だ。

 いずれ、人の悪とも闘う時が来る。

 教えれるうちに教えて置かないと潰れてしまうからな

 そうならない様に心がけているつもりだ


 さて、そんな事を考えていたら赤毛の女の子がやってきた。

 胸の大きなロリ巨乳。

 ちらりと和也を見るとうぅ、となにやら葛藤していた。

 大方、買っても良いのだろうかと悩んでいるのだろう。


「もしあれが誘拐されたものならば、あとで親元に戻せばいいだけの話しだぞ?」

「そ、それもそうか……よ、よし」


 もっとも、その親元が殺されていなければ、だがな。

 これは心の中で付け足した。

 和也としては競り落とす気なのだろう。

 通例道理何処何処の出身等の説明がされている


「この赤毛の女の子は何と!父親が紅狼族!母親が普人の混血なのです!」


 その言葉に会場からおぉと一際大きな声が出た。

 それにしても紅狼族とはまた


「これまた珍しいな。いや、この周辺に紅狼族が居たとは」

「こうろう?犬人族と違うの?」

「説明を聞けば判るぞ」


 とは言え、紅狼族か。

 この近辺の種族にはいなかった筈だが……親殺しか?


「この紅狼族とは名の通り髪の毛や体毛が真紅の色をした狼の亜人!素早い行動に優れた洞察力があります!そして何よりこの豊満で大きな胸!紅狼族の証たる子孫を育てる為の豊満な乳房こそ、紅狼族の証の一つなのです!」


 その言葉に大きな歓声と共にせりが始まっていく。

 銀貨10枚から始まったせりはあっという間に銀貨200枚を超えていく。


「ほれ、競り落とすのだろう?やってみろ」

「う、うん。銀貨250!」


 その声と共に一気に値段が釣りあがりさらに400、500、と上がっていく。

 流石に此処まで来ると相手が少なくなるがいないわけではなかった。

 相手はとうとうこれでおしまいだとばかりに銀貨900と言って来た

 和也はこちらを見るが構わんと言って続けさせる


「金貨1枚!」


 その言葉に周りから大きくどよめく声が聞こえる。

 紅狼族であろうと、通常は銀貨の間で終わる者がなんと金貨まで持ち出したのだ。

 それに驚かないものはいなかった。

 そして対抗していた相手もまた、それには無理だと降りたことでせりは和也が制したのであった


「それではこの紅狼族はビルマル家次男、エイブラハム様が競り落としました~!」


 と言う事になった。

 後は特に競ることも無く和也の眼にはいることも無かった。

 とは言え、後から考えればこのとき競り落とさなくても全員解放させるのだから良かったのだが、そのことに気が付いたのは全てが終わってからだった。

簡潔にお金のお話。

1金貨=1000銀貨

1銀貨=1000銅貨


そんな感じ

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