闇市、奴隷市襲撃準備
さて、闇市と奴隷市の説明から行なおう。
闇市は簡潔に言えば販売を禁止されている物や薬物を販売している場所
奴隷市は人型の人種の売買――所謂奴隷――を行なっている場所である。
今回私が最初に情報を得たのが「闇市」であり非合法の手段で人型を得たのが「奴隷市」である。
この二つは似て非なるものであり「闇市」では盗難された品や秘密裏の情報の売り買いが行なわれる。
此方の方は犯罪は犯罪であっても刑は窃盗から機密情報漏えいに至るまで種類が豊富で執行される刑もそこまで重くは無い。
重く無いと言っても犯罪は犯罪なので本人達からしてみれば重い刑になるだろう。
問題は「奴隷市」だ
こっちに関わったものはせりを行なうものから奴隷市を興行している全ての者が死刑となる。
それほど重要度が違うものなのだ。
今回得た情報から両方行われると言う事が判明したので徹夜を闇市側に、和也を奴隷市側に配置して勇者の功績を高めつつ殲滅すると言う作戦が取られることとなった。
ちなみに私も和也と一緒に奴隷市側にいる。
此方の方は近衛兵のみならず一般の兵士に至るまで出入り口の全てを固めるように配置されていく
だがここで一つ問題が出た。
それは「誰が中に潜入するか」だ。
アムド兄やアイリ姉もこちらに来ているが目立ちすぎで×
近衛兵も同じように顔が割れている可能性があるので×
詰る所
「私と和也の二人で中に入り、一旦仲で暴れたのを合図に突入、と言う作戦しか取れないと言うことか」
「此処にきて自分の名声が少々疎ましく思うな」
「全くよ。折角奴隷市なんて最低の物をこの手で殲滅できると思ったのに」
「アイリ姉、最終的には殲滅になるんだから此処は私たちに任せて、ね?」
アイリ姉の頭をなでながらこの建物の見取り図を見る。
見取り図から読み取れるのは二つ。
一つは出入り口が二つしかないこと
もう一つは
「魔法使用が出来ない、か」
「あぁ、そこらじゅうに魔法封じの刻印がなされている。ここまでされてしまうと普通は魔法は使うことが出来ないだろうね」
そこなのだ。
和也と二人で突撃までは言い。
問題はどうやってその後近衛兵達に回すかなのだ。
客の中にも魔法を使うものが多い。
だからこそ、魔法が使える相手はこの中で叩く必要がある。
近衛兵や他の兵が魔法を使えないものも多く、魔法を防ぐ手立ても少ないからだ
だと言うのに魔法封じがある為にそれが出来ない。
何と言う面倒くさい。
私は使えるかもしれないが、精霊に負担が大きくかかるかもしれないので使わない方向にする積もりだし
まぁ、それでも私と和也の能力ならいけるか
「それで、偽名先は?」
「ビルマル家と言う取り潰した悪徳貴族の名がある。その名を使ってもらう。クリスは「アルノルドファ・ビルマル」和也君は「エイブラハム・ビルマル」だ。どちらも極悪兄弟として名高いものであった。もっとも、名高いのはその名前だけだった為顔は誰も知らないと言うことだがな」
「そしたら俺が晶をアル兄と呼ぶ感じかな?」
「ふむ、兄役か。前世を思い出すな」
「ほう、前世でクリスは兄だったのか。その話はまた酒の肴にでもしてみようか」
晶が言った言葉でアムド兄が何か納得した表情をする。
まぁ、確かに酒の肴にはいい話題なのかもしれない。
「なら行くぞ、エイブラハム。此処から先は、常に周りに気を張れ。ビルマル家はそれなりに敵が多い家系だったはずだ」
「了解、アル兄」
こうして私と和也の二人は敵地とも言える奴隷市の中に入っていく。
奴隷市入り口で名前の確認をされただけで意外と簡単に入れた。
ビルマル家が奴隷を買いに来たことで落ちぶれたのに良く買いに来れたなとかその手のことは言われたりしたがまぁ、予想の範疇内。
私も和也もその程度の事で怒ったりはしない。
と言うか別に自分の家の事じゃないし怒る理由もない。
唯一つ。
たった一つだけ思うことといえば
「私……これでも第5位王位継承者なんだぞ~。実は偉いんだぞ~」
「あ、あき……じゃない、アル兄しっかり!」
自分の知名度が低いとは思ったが此処まで低いとはあんまり思わなかった。
これでも結構悪党退治とかしていたんだがなぁ。
そんなこんながありながら、奴隷市は開催されたのであった。
デートより先に悪人殲滅。
主人公はうまくやれるかな?




