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勇者とチートと物語  作者: 紫藤 霞
ギルドと学園と
25/63

必殺の技(そして主人公は切れる)

 全力となった私にストーンゴーレムなど、この程度の土くれなどたいした敵では無い。

 大降りに右腕を振り下ろしてきた拳を手のひらでそのまま受け止める

 右足がその威力が高いことを証明するように地面にのめり込むがそれだけであった


「……は?」

「あんな事が出来るのか、晶は」


 その様子を近くで徹夜と和也が見て一瞬惚ける。

 いや、ストーンゴーレムの腕の中にいるシャルさんもまた驚いた表情を見せる。

 何度も言うがこの程度の敵等、今の麒麟を装備している状態で相手に勝ち目など無い

 驚いたのは土くれのストーンゴーレムもであったさらに力を込めた振り下ろしの攻撃を今度は受け止めることもせず直撃で受けてやった。

 ドン!と言う激しい音と共に足元に皹が入る。

 普通なら致命傷であるが麒麟と呼ばれるオリハルコンを装備している晶は無論、無傷であった。

 それに引き換え相手の腕は手に無数の皹が入るほどの反動を受けていた

 このときの私は正直怒りで頭が回っていなかったのだ。

 自業自得、と言えばそれまでだがこのストーンゴーレムとの戦闘を望んでしまっていた。

 その為に遠視を余り行なわなかったからこうなってしまった。

 好きになった女性が捕らわれてしまいさらに怒り爆発。

 罪悪感やら怒りやら色んな感情が出鱈目に、ドロドロに混ざった状態。

 ぶっちゃけ、切れてた。

 自分の拳が壊れたことに驚いているストーンゴーレムの右腕を捕まえるとそのまま力を込めて”身体から強引に捥いだ”


「ちょ、晶?!」

「冷静になれ晶!」


 私が切れていることに気が付いた二人がそういうがもはや切れている私には聞こえなかった。

 さらに右腕を失ったことでバランスを崩しているストーンゴーレムに捕まっているシャルさんを掴んでいる手を麒麟で粉砕し救出

 そしてもはや逃げる事も闘うこともできなくなったストーンゴーレムにシャルさんを抱きかかえたまま脳天踵落しで完全粉砕


「シャルさん、大丈夫ですか?」

「え、えぇ。大丈夫よ……貴方、何者?」

「勇者より強い一般人です」


 これで頭が冷えた。

 シャルさんを助けたのならあっちのシャルさんは偽者か幻と言う事に


「きゃぁぁあぁぁぁああ!!」


 そんな思考をしていたらあちら側からシャルさんの悲鳴が上がった。

 偽者の筈なのに本物のような声色。

 何が起きたのかと見てみれば和也が此方の指示道理に足を狙い右足を壊し体勢を崩したらしい。

 それで今の悲鳴なのだが……どういう事だ?

 あれではまるで”本物の様では無いか”

 ともかく、偽者であっても助ける必要があると言う事か

 急いで私自身も残ったストーンゴーレムの方へと向かいながら


「徹夜!今のを見ていたな! その勇者の鎧は土くれ程度の攻撃など歯牙にもかけん!攻撃を喰らおうが関係無い!一気に攻め立てろ!」

「応!」


 その言葉と同時に先ほどとは打って変わった動きとなった徹夜は態勢の崩したストーンゴーレムに向う。

 腕を出鱈目に振るがもはや威力などあって鳴きの如し。

 普通の人間であれば大怪我をする攻撃も


「おりゃぁぁぁぁあ!」


 直撃の攻撃を受けても一切ひるまず殴りかかってきた手を十字に切りつけさらに続けざまに踏み込んで天羽々斬で胸を切りつける。

 さらに胸に切りつけた傷めがけて和也の無数の魔法が飛んでくれば


「―――――!!!」


 土くれの悲鳴のような声が聞こえるもはや虫の息だ。

 シャルさんを握り締めていた左手の力が抜けるのを確認しそのまま地面に落ちる直前にダイビングキャッチ。

 触った感覚は間違いなくシャルさんの物。

 あっるれぇぇぇ?


「これが、止めだ!あぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」


 徹夜が魔力を貯め始めた。

 唯一の必殺技を出すつもりだ。

 余波でも威力がそれなりにあるのでもう一人のシャルさんも担いで一揆に和也の傍に行く

 その際シャルさんの弾力が有り張りの有る御尻や柔らかく指が吸い付いてしまいそうな胸を触ってしまった


「ちょ、ちょっと晶君?どこ触ってるの……?」

「勘弁してください!急ぎ!緊急なんです!」

「はぅっ!お、お願いだから触るのも強くするのもや、やめてもらえない?」

「そういう風な文句は後で!本気でまずいので!」


 二人のシャルさんにそう言いながら漸く和也の傍にたどり着く。

 和也は既に魔力を半分以上一気に消費したからか膝を突いて立てなくなっていた。

 その正面に立ち、シャルさんを和也の前に置いてから麒麟に精霊を宿す。

 真っ白だったオリハルコンが青くなり目の前に障壁を生み出していく。


「全員構えろ!耐え切れるはずだが耐え切れないかもしれないからな!」


 その言葉に二人のシャルと和也は構える。


 徹夜は大倶利伽羅を鞘に収め、天羽々斬に魔力を送っている。

 次第に天羽々斬が光に包まれ始めていく。

 そして天羽々斬を掲げただ一言、言葉を紡ぐだけで良い


「光、あれ」


 その言葉と同時に両手で持っていた天羽々斬を思い切り振りぬく。

 それだけで徹夜を中心に数え切れないほどの光の斬撃が生み出され半径500㍍内の全てを切り刻んでいく。

 激しい音と共に障壁に当たる斬撃その一撃一撃が障壁を削ってしまうかと言うほどの威力。

 目の前にはその斬撃によって木々が吹き飛びストーンゴーレムがたったの一撃で無残にも本当に土くれになる威力の者を何度も何度もその身に受けそのまま土くれに姿が変わって行くあった。

 これが徹夜の、勇者徹夜の必殺技。

 名前はまだ本人は決めていない

 兄二人を危うく危険な目に合わせそうになったそんな技であった。


 数秒後、漸く必殺技が終わるとあたりはもはや森とは呼べない状況であった。

 どうにかしのいだのだと判り此方も障壁を解く。

 取り合えず問題が二つ出来てしまった。

 その一つが


「この薬草の森の薬草、全てなぎ払ってしまったのだが良かったのか……?」


 そう、あの必殺の技で辺り一体をなぎ払ってしまい薬草の森そのものが消え去ってしまったのであった。

 良いのだろうか?

今の所どの変が必殺?と思われるかもしれませんがそれは敵が弱いだけです。


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