第83話 世界を繋ぐ者たち
第83話 世界を繋ぐ者たち
白い空間に、四つの光が浮かんでいた。
修復者。
補佐官。
継承者。
管理端末。
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カイル。
栞。
神代。
アリア。
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三千年前に完成しなかった最後の構成。
共同管理方式。
その中核となる者たちだった。
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物流網中枢。
世界接続領域。
断裂した基準世界回線。
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目の前には巨大な亀裂が存在している。
黒く。
深く。
底も見えない。
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それは世界の傷そのものだった。
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ルナが前へ出る。
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「ここから先は私も入れない」
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静かな声。
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第三認証鍵である彼女ですら。
ここは管理者専用領域だった。
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カイルは頷く。
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「十分だ」
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言葉は短い。
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だがルナは少しだけ笑った。
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最初に出会った頃なら考えられない表情だった。
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「帰ってきてね」
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その一言に。
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栞が少し驚く。
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神代も。
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アリアでさえ沈黙した。
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最初にカイルが答える。
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「ああ」
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短い返事。
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だが。
十分だった。
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その瞬間。
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物流網全体が光り始める。
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ドクン。
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ドクン。
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ドクン。
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心臓のような鼓動。
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世界規模の震動。
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アリアが即座に解析を始める。
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「世界再接続計画」
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「起動準備開始」
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「負荷分散システム接続」
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巨大な光陣が浮かぶ。
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まず栞が包まれる。
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《世界観測》
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能力が拡大する。
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世界全体が見える。
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エルドバルト。
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王都。
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アダマス。
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北方物流中継局。
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そして遥か彼方。
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無数の世界。
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数え切れないほど。
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全て。
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見える。
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あまりの情報量に膝をつきそうになる。
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だが耐えた。
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「栞!」
神代の声が飛ぶ。
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その一言だけで踏み止まる。
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今は一人じゃない。
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そのことを思い出す。
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次に神代の周囲に光が集まる。
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《世界設計図》
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今まで見えていた設計図がさらに広がる。
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道路。
橋。
建築物。
ではない。
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世界そのものの設計図。
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物流網誕生から現在までの全情報。
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失われた歴史。
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管理局の記録。
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世界形成理論。
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全部流れ込んでくる。
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神代の額に汗が浮かぶ。
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「これ……」
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「世界の設計書じゃないか」
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震える声。
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人間が持っていい情報量ではない。
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それでも。
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手放さない。
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ここで止めるわけにはいかなかった。
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そして。
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アリア。
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管理支援端末。
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物流網そのものとの接続を開始する。
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膨大な演算。
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数千万。
数億。
数兆。
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普通の存在なら一瞬で壊れている。
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だが。
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彼女は耐えた。
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いや。
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成長していた。
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ミリア。
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ルナ。
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エリオス。
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たくさんの出会いを通して。
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ただの管理端末だった存在は。
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もう違う。
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一人の仲間になっていた。
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そして最後に。
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カイル。
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修復者。
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地球出身者。
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物流網が選んだ後継者。
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基準世界接続点。
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巨大な光が集まる。
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周囲の景色が消える。
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白い空間。
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黒い亀裂。
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世界。
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全部が遠ざかる。
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その時だった。
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カイルの前に景色が現れる。
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見覚えのある場所。
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夕暮れ。
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高架橋。
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信号機。
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コンビニ。
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学生服姿の若者。
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高校生の頃の自分。
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地球だった。
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「……」
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思わず立ち止まる。
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異世界へ飛ばされる前の日常。
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もう戻れないと思っていた景色。
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その先から声がした。
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「久しぶり」
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カイルが振り向く。
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誰もいない。
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だが声だけは聞こえる。
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物流網だ。
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世界そのものの声。
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「ずっと待ってた」
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静かな声。
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優しい声。
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怒りもない。
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責任を押し付ける気配もない。
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ただ。
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待っていた。
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修復者を。
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カイルは少し考える。
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そして聞く。
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「俺じゃないと駄目だったのか」
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しばらく沈黙。
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やがて。
返事が来る。
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「違う」
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意外な答えだった。
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「誰かが来れば良かった」
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静かな声。
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「でも」
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「君が来てくれた」
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その言葉で。
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何かが少しだけ軽くなる。
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英雄だからではない。
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選ばれた特別な存在だからでもない。
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ただ。
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たまたま来た。
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そして。
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直そうとした。
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それだけだった。
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その時。
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現実側。
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栞たちの視界に変化が起きる。
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黒い断裂が止まった。
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広がらない。
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崩壊が止まる。
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アリアが叫ぶ。
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初めて。
本当に初めて。
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感情を宿した声で。
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「接続開始!」
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世界が光る。
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物流網が光る。
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第四認証鍵が光る。
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そして。
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地球とエルドバルトを結ぶ最後の回線が。
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ゆっくりと再構築され始めた。
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三千年間切れていた。
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世界と世界の橋が。
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今。
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再び架かろうとしていた。
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第84話 最後の修復へ続く
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