第79話 最終管理領域へ
第79話 最終管理領域へ
王都救出作戦から三日後。
避難はほぼ完了していた。
十三万人を超える住民は、アダマスと解放派が設営した仮設都市へ移送されている。
だが。
世界そのものの崩壊は止まっていない。
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第四認証鍵。
世界基盤認証システム。
その中枢である黒い柱は、今も空へ向かって伸び続けていた。
まるで世界が流す最後の血のように。
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残存可能時間。
《35日》
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誰もその数字を口にしなかった。
しかし全員が知っている。
もう猶予は少ない。
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アダマス格納庫。
出発準備が進んでいた。
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巨大輸送艇オリオン。
修復者チームの拠点。
その周囲では整備班が慌ただしく走り回っている。
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神代は荷物を点検していた。
といっても武器ではない。
設計資料だ。
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「普通、最終決戦前って剣とか魔法の準備じゃない?」
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誰に言うでもなく呟く。
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隣では栞が苦笑した。
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「私たちは工事ですから」
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「それもそうか」
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もう慣れた。
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ラスボスの前でも。
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やることは測量である。
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その時だった。
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格納庫奥。
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カイルが一人でオリオンを見上げていた。
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誰も話しかけていない。
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珍しいことだった。
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栞は少し迷った後、近付く。
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「緊張してますか?」
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カイルは少し考えた。
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「してるな」
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珍しく即答だった。
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栞は少し驚く。
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「隠さないんですね」
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「隠しても仕方ないだろ」
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確かにそうだった。
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故郷。
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世界。
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仲間。
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全部が掛かっている。
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緊張しない方がおかしい。
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しばらく沈黙。
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そして。
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栞は少し笑った。
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「でも」
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「大丈夫だと思います」
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「根拠は?」
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「今まで全部何とかしてきましたし」
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カイルも少し笑った。
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根拠になっていない。
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だが。
悪くない答えだった。
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その頃。
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アダマス最上階。
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レギウス。
アーク。
ヴァルド。
エリオス。
セレス。
ルナ。
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三千年前の生き残りたちが集まっていた。
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レギウスは遠くの黒い柱を見る。
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「終わるな」
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静かな声。
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ヴァルドが鼻で笑う。
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「ようやくだ」
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三千年。
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長かった。
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本当に。
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アークは苦笑した。
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「まさか修復者計画が正しかったとはな」
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「お前らが認めるとは思わなかった」
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ヴァルドが笑う。
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そのやり取りを見ながら。
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ルナは小さく呟いた。
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「違うよ」
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全員が見る。
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少女は黒い柱を見つめていた。
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「管理局は間違ってなかった」
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静かな声。
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「失敗しただけ」
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誰も否定できなかった。
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管理局は悪ではない。
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レギウスも。
アークも。
ヴァルドも。
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それぞれ世界を守ろうとした。
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方法が違っただけだ。
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だから争った。
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だから失敗した。
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そして。
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だから今度は。
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違う答えが必要だった。
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その時だった。
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アリアが全艦通信を発する。
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「出発準備完了」
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「最終管理領域への航路を確保」
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空気が変わる。
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ついに来た。
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全員が立ち上がる。
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目的地。
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第四認証鍵中枢。
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そのさらに奥。
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誰も踏み込んだことのない場所。
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最終管理領域。
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管理局最後の墓。
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そして。
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三千年前の答えが眠る場所。
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オリオンが離陸する。
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轟音。
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魔力噴射。
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青白い光。
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王都を飛び立った船は黒い柱へ向かう。
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進めば進むほど。
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景色が変わる。
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空間が歪む。
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時間感覚が狂う。
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世界そのものが壊れている。
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神代の《世界設計図》が悲鳴を上げた。
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「構造がおかしい」
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「世界が折れてる」
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栞も同じものを見る。
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《世界観測》。
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通常なら存在しない空間。
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物流網と世界境界が融合している。
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まるで。
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現実と設計図の間。
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そんな場所だった。
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その時。
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前方に巨大な扉が現れた。
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黒い柱の中。
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何千メートルもの大きさ。
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人類史上最大の扉。
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その表面には文字が刻まれていた。
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神代が読む。
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かつての管理局文字。
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消えかけた古代語。
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そこに刻まれていたのは。
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たった一文だった。
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《失敗を繰り返すな》
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静寂。
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誰も喋らない。
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その言葉だけで十分だった。
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これを残した者たちが何を考えていたのか。
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嫌というほど伝わる。
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そして。
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扉の前。
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一人の男が立っていた。
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黒い軍服。
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銀色の髪。
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黄金の瞳。
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ゼノン。
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管理局最後の執行者。
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彼は逃げない。
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構えもしない。
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ただ。
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修復者たちを待っていた。
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三千年間。
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ずっと。
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そして。
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オリオンが停止する。
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誰も動かない。
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静寂。
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ゼノンが口を開く。
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「ようこそ」
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初めてだった。
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命令でも。
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判定でもない。
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歓迎の言葉。
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「最終管理領域へ」
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その背後で。
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三千年前の扉がゆっくりと開き始める。
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管理局が遺した最後の真実。
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そして。
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世界を救うための本当の答えが。
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ついに姿を現そうとしていた。
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第80話 管理局の遺言へ続く
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