第33話 オリオン発進
(-ω-;)アレ?思ったのと違くなってきた、、、、、けど面白い(* ˊ꒳ˋ*)途中まで書いてたのと違いがありすぎますが面白いと思ってしまい進めました(´▽`) '` '` '`
第33話 オリオン発進
地球側保守施設。
巨大格納庫。
三千年前の文明が残した巡回艇は、静かに光を放っていた。
壁面を走る青い発光ライン。
脈動するような低い振動。
そして巨大な船体。
まるで長年眠り続けていた獣が目を覚まそうとしているようだった。
栞は見上げる。
何度見ても慣れない。
列車のようで。
宇宙船のようで。
魔法生物にも見える。
そんな意味不明な乗り物だった。
「本当に乗るんですか……」
思わず呟く。
アリアが即答する。
「はい」
「徒歩では効率が悪いためです」
効率。
この施設の連中は何かあると効率を持ち出す。
三千年前から業務改善を続けていた組織なのだろうか。
そんなことを栞は本気で考え始めていた。
最近少し感覚が麻痺している。
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一方。
カイルは船体を調査していた。
まるで新しい橋でも見るように。
表面素材。
接合部。
構造。
重量分布。
徹底的に観察している。
神代が呆れた顔になる。
「普通、未知の超古代文明兵器を見たら感動しません?」
「している」
即答だった。
「そう見えないんですけど」
「非常に興味深い」
本気だった。
カイルの目は輝いている。
異世界最高峰の測量士が、未知の構造物を前にしているのだ。
楽しくないはずがない。
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その時。
船体側面が開いた。
青い光。
階段が出現する。
アリアが告げる。
「搭乗可能です」
「任務を開始してください」
神代が深く息を吐く。
「行くしかないな」
栞も頷く。
怖い。
だが。
ここまで来て逃げる選択肢はない。
そして何より。
世界崩壊の残り猶予は一年しかない。
悠長にしている時間もなかった。
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三人はオリオンへ乗り込んだ。
内部は想像より広い。
白い壁。
青い照明。
円形通路。
どこか病院にも似ていた。
だが技術レベルだけは完全に異常だった。
アリアが案内する。
「ブリッジはこちらです」
先導されるまま進む。
やがて大きな扉が開いた。
そして。
三人とも言葉を失う。
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そこは指令室だった。
半球状の空間。
中央には円形コンソール。
周囲には巨大な立体投影装置。
そして天井いっぱいに広がる世界地図。
世界間物流網。
無数の光点。
物流ルート。
保守状況。
それらがリアルタイムで表示されている。
神代の目が釘付けになる。
「これ全部……」
「現在監視中の世界です」
アリアが答える。
栞が呻く。
「スケールがおかしい……」
その通りだった。
市役所の交通管制室を想像していた。
実際に出てきたのは宇宙規模の物流管理センターだった。
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その時。
突然警告音が鳴った。
ビーッ!
赤色表示。
全員が反応する。
アリアの表情も変わる。
「敵反応」
「解放派接近」
映像が切り替わる。
施設入口。
山中。
そこには二十名以上の人影がいた。
昨日の黒装束集団。
だが数が増えている。
そして。
重装備だった。
「早いな」
カイルが言う。
神代が顔をしかめる。
「施設の位置が完全に知られている」
「はい」
「侵入予測時間二十分」
アリアの分析だった。
栞の背筋が寒くなる。
二十分。
思ったよりずっと短い。
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神代が尋ねる。
「戦闘は?」
ガーディアンが反応する。
《迎撃可能》
《殲滅成功率九四・八%》
栞は安心しかけた。
だが次の言葉が駄目だった。
《施設損傷率六七%》
全員が黙る。
破壊しながら守るらしい。
非常にアルカディア的だった。
カイルは即座に首を振る。
「却下」
《理由を要求》
「インフラを壊すな」
即答だった。
ガーディアンが沈黙する。
数秒。
そして。
《妥当性を確認》
まさか納得した。
神代が吹き出しそうになる。
敵より施設の方を心配している。
本当に修復者向きだった。
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アリアが代替案を提示する。
「オリオン発進を推奨します」
「施設封鎖」
「第一認証鍵回収を優先」
それが正解だった。
本来の目的は認証鍵回収。
戦闘ではない。
カイルも頷く。
「出発だ」
その瞬間だった。
オリオン全体が振動する。
低い駆動音。
世界地図が動き始める。
青い光が船体を包む。
そして。
オリオンが目覚めた。
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格納庫外。
解放派たちは崖の前に集結していた。
特殊な探査装置を使用している。
「反応増大」
「間違いない」
「保守施設だ」
次々に報告が上がる。
その中央。
隊長らしき男が立っていた。
三十代。
短髪。
鋭い目。
そして首元には奇妙な徽章。
解放派の紋章だった。
男は笑う。
「ようやく見つけた」
長年探してきた施設。
長年探してきた修復者。
全てが順調に進んでいる。
そう思った。
その時だった。
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山が震えた。
ゴゴゴゴゴ!
爆発ではない。
地震でもない。
空間そのものが振動している。
解放派の面々が顔を上げる。
そして。
次の瞬間。
崖が開いた。
巨大な光。
青い粒子。
長大な船体。
三十メートルを超える巡回艇。
三千年前の遺産。
オリオンが姿を現した。
「な……」
隊長が固まる。
信じられない。
資料にしか存在しないはずだった。
保守巡回艇。
アルカディア技術の結晶。
それが。
目の前で動いている。
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オリオンはゆっくり浮上する。
重力を無視して。
音もなく。
神秘的に。
隊長が叫ぶ。
「撃て!」
解放派が一斉に装置を起動する。
青い光。
衝撃波。
認識阻害弾。
次元干渉装置。
様々な攻撃が飛ぶ。
だが。
オリオンへ届かない。
透明な障壁が展開されていた。
古代文明の保護フィールド。
全てを無効化する。
「馬鹿な!」
隊長の顔が歪む。
完全な技術格差だった。
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ブリッジ内。
カイルは冷静だった。
外の戦闘にも大きく動じていない。
むしろ。
別のものを見ていた。
立体地図。
第一認証鍵。
テーマパーク地下施設。
その周辺地形。
排水設備。
地下構造。
避難経路。
完全に現場調査モードだった。
栞が呆れた声を出す。
「追われてるんですよね私たち」
「ああ」
「もっと慌てません?」
「慌てると危険だ」
いつも通りだった。
本当に。
どんな状況でも。
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その時。
アリアが新しい情報を表示する。
「第一認証鍵保管施設まで三十一分」
「ただし問題があります」
神代が顔を上げる。
「問題?」
空中地図が切り替わる。
テーマパーク地下。
さらに深部。
認証鍵保管庫。
その周辺。
そこに。
赤い点が表示された。
一つではない。
二つでもない。
数十個。
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アリアが静かに告げる。
「先着者が存在します」
「解放派先行部隊を確認」
空気が変わる。
敵は追ってくるだけではない。
もう先回りしている。
認証鍵奪取競争。
最初の本格的な戦いが始まろうとしていた。
そしてオリオンは加速する。
第一認証鍵。
三千年前の遺産。
その回収任務へ向かって。
――第34話へ続く――
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