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見捨てられた姫様は国を亡ぼす資格があるらしい  作者: サチオウ
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第90話 敗戦報告

4/28~5/7毎日更新します

ゲルデン帝国側に敗報が届いていた。


ゲルデン帝国皇城。

分厚い石壁に囲まれた作戦室に足音が響く。

伝令が息を切らせて駆け込み、膝をついた。


「報告いたします。シュレスタイン王国王都リーザ攻略部隊は壊滅。ディートリント将軍は討ち死にしました」


室内がざわつく。皆、信じられないという反応だ。

そんな中、中央に座る男――皇帝ダグラス二世が声をあげる。


「はああ……? 

ディートリントが?。

まだ、戦いは始まったばかりのはずだが?

ムーンゲートの誘導が失敗したのか?」


伝令は、怯えつつも的確に返答する。

「いえ、ムーンゲートは計画どおり誘導できました。

しかし、そこから出現した魔物を、何者かが率いてわが軍を襲撃しました」


参謀たちは驚きで顔を見合わせる中、ダグラス二世は怒りに震える。


「ぐぬぬぬ……まさか、わが軍の作戦が逆手に取られようとは......。

で、シュレスタイン側の状況は?」


「ほぼ、被害がないものと思われますが、今のところ、こちらに攻め込んでくる気配はありません」


「我が方だけが一方的に戦力を失ったというのか?

そんなバカな。ディートリントがいてなぜそのようなことが起こる?」


「正体不明の『ルーナの仮面』を付けた者が一対一でディートリント将軍を討ち破ったとのことです」


またも、室内がざわつく。


「一対一だと!?信じられん。そのようなものがいるのか......。

そういえばルーナの仮面……モルキアのルーナ大神殿でも目撃例があったな。まさか、その仮面の者にヴォルフ隊長も討たれたのか?。

そいつは何者だ」


「は、詳しくはわかりませんが、どうやら、『黒鉄傭兵団』なるものに所属しているのではないかとの情報です」


「『黒鉄傭兵団』だと!知っているものはいるか?」


参謀の一人には黒鉄傭兵団の心当たりがあった。マテトキア王国リストライネン辺境伯領から一部地域が割譲されたときにシノロ第三砦にいた部隊。


サイクロプスを倒したなど前評判は高かったものの、実際に会ってみるとそれほどの実力はなく。口うるさく感じたため事実上追い出した相手。


あいつらめ、実力を隠していたということか......。


しかし、自分が追い出したことがバレるわけにもいかず。沈黙するしかなかった。


皇帝ダグラス二世は誰も知らないと判断し命令を出す。


「では、その黒鉄傭兵団を探れ」


「はっ!」


参謀たちは慌てて黒鉄傭兵団の行方を探す指令を出すのだった。

次回より新章となります。

いよいよ、エルネスタの故郷、ガルターニュ王国へ入ります。


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