表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見捨てられた姫様は国を亡ぼす資格があるらしい  作者: サチオウ
目指す先

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/89

第87話 シュレスタイン王セベリアーノの目論見

サティエルたちは、戦いの論功行賞が行われるとのことで、しばらく王都リーザに滞在していた。


サティエルたち四人と黒鉄傭兵団の幹部には立派な部屋が与えられ、それなりに厚遇されていた。

だが、なぜか外出制限がかけられ、城外へ出ることは許されなかった。


ベルンハルト団長は満足げに笑う。

「俺たちが一番の手柄だってことは間違いない。どんな褒美が出るのか楽しみだな」


シルヴィアも大きく頷く。

「サティエルが立てた作戦、完璧だったからね。魔物を誘導して敵にぶつけたおかげで、こっちの被害はすごく小さかった。絶対いい報酬がもらえるよ!」


だがサティエルは、外出を禁じられていることに不満を漏らす。

「それなのに、なんで外に出ちゃいけないんだろ。おかしいよ」


セレネも不安を口にする。

「外出制限なんて……何か裏がありそうで怖いです。嫌な予感がします」


オフィーリアも渋い顔をする。

「ああ……余計なことを仕掛けてこなきゃいいんだが」


エナメルの旅人だけなら、報酬をもらわず国を離れたかもしれない。

だが黒鉄傭兵団は団員の生活がかかっている。


不満や不安はあったが、要望はある程度通るし、休養日と考えれば悪くもない。

サティエルたちおとなしく過ごすことにした。


やがて論功行賞の日。城に呼び出された一行は、謁見の間へと通される。


そこには強固な結界が張られ、玉座と謁見者とを隔てていた。ラップレリア王国と同じ造りだ。


玉座に座すシュレスタイン国王セベリアーノ。その傍らには、今回の戦闘責任者である強面のエサイアス将軍が控えている。


まずは国王が口を開いた。


「こたびの戦において、黒鉄傭兵団は大きな功を挙げた。

敵将ディートリント将軍、さらには深紅の爪傭兵団長イーヴァルを討ち、多くのゲルデン兵とムーンゲートから溢れ出た魔物を撃退した。その功績、まことに比類なきものである」


その言葉に、エナメルの旅人の面々は胸を撫で下ろす。

だが国王の声はそこで途切れ、次の言葉は重く落ちた。


「……報奨金を授けたいところだが、重大な軍法違反の疑いがある。エサイアス、説明せよ」


「はっ」


将軍は一歩前に出て、威圧的な眼光を向けた。


「今回の任務、黒鉄傭兵団に下されたのは“町から離れた魔物の討伐”であった。

にもかかわらず、貴様らは命令を無視し、勝手にゲルデン軍本陣への攻撃を仕掛けた。これは重大な軍法違反である!」


重苦しい空気が謁見の間を包む。


――だが、これは口実に過ぎなかった。


黒鉄傭兵団が手柄の大半をさらったことで、シュレスタイン軍内部では一部に強い不満を抱いている者たちもいた。

その矛先を和らげるため、彼らを「違反者」として貶める必要があった。


さらにもう一つの理由。

敵将“爆炎のディート”を討ち取るほどの力を持つ者たちを、王国は欲していた。

だが、カルメロの報告によれば、彼らはかつてラップレリア王国の誘いを断った。強引にでも従わせる策が必要だったのだ。


だからこそ――飴と鞭。

報酬と処罰をちらつかせ、彼らを王国の支配下に取り込もうとしていたのである。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ