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見捨てられた姫様は国を亡ぼす資格があるらしい  作者: サチオウ
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第86話 サティエル VS ディートリント将軍

サティエルとディートリント将軍の戦いが始まった。


最初に仕掛けたのはディートリントだった。


「フレイムストーム!」


巨大な炎が渦を巻き、サティエルを包み込もうと迫る。


「ライジングトルネード!」


サティエルは強烈な風魔法を放ち、炎を上空へ吹き飛ばした。


「ほう……やるな。だが魔法使いなど、近づいてしまえば脆いものだ」


その言葉は、先ほどグレーターデーモンが吐いた台詞と同じ。


次の瞬間、ディートリントは身体強化をしていないにもかかわらず、それに匹敵する速度でサティエルへ飛び込み、拳を叩きつける。


――勝った。魔法使いにこの速さは防げまい。


だがフッとサティエルの姿が消える。


「なに……!?」


気づけば、彼女の手は掴まれ、宙を舞っていた。


「ぐっ……!」


地面が迫る。咄嗟に翼を広げ、衝撃を受け止める。


「やっぱり魔族だったのね。普通の魔法使いにしては身体能力が高すぎると思ったよ」


それを遠くから見ていた兵たちがざわめく。


「将軍が……魔族だと!?」


動揺する兵士たちに、ディートリントは冷然と呪文を放った。


「ファイヤーランス!」


炎の矢が兵たちを貫き、悲鳴とともに沈黙させる。


「仲間じゃなかったの?」サティエルが皮肉げに呟く。


「軍事機密を見た者は消す――それだけだ! それより貴様は何者だ!!!」


「さっきルーナ仮面って名乗ったよね?忘れたの?」


「ふざけるな! 魔法使いのくせになぜそこまで動ける!」


「ちゃんと基礎から修行したからだよ。あなたは生まれつきの力に甘えて、ちゃんと技を磨かなかったでしょ。そんな素人みたいな動きじゃ私には通用しないよ」


「ぐぬぬ……」


聞きたいのはそんなことではなかったが、図星を突かれ、将軍は苛立ちを隠せない。だが彼女も勝機を見ていた。


――こいつは格闘に自信があるから近づいても逃げない。ならば、至近距離の強力な魔法をお見舞いする。


再び飛び込み、右手を突き出す。


「ブラストノヴァ!!」


先ほどグレーターデーモンを吹き飛ばした爆裂魔法だ。


だがサティエルは冷静だった。


「今度は魔法?そんな大振り、バレバレだよ」


彼女は迫る右手に合わせるように左手を出す。


「プチアルティマータ!」


衝撃波が弾け、地を震わせる。


「ば、馬鹿な……! 我がブラストノヴァが……」


ディートリントの右腕は、肘から先ごと消し飛んでいた。


愕然とする将軍。


「――気功蹠」


サティエルは瞬時に将軍の背後に回り込む。


「気功掌!」


掌底が背を撃ち抜く。


「魔法使いは、近づいてしまえば脆いって本当みたいね」


その言葉を最後に、ディートリントは地に崩れ落ちた。


サティエルは念のため彼女の帽子を取り払う。


露わになった頭には――二本の角。


「やっぱり……魔族。セレネの言っていたモアネ人ね」


ゲルデン兵たちは事実を知らされていなかったらしい。しかし魔族が将軍を任されているとなれば軍内にどれほど魔族が潜んでいるのか……。


その時、黒鉄傭兵団が駆けつけ、ベルンハルト団長が前に出る。


「姫! 無事だったか! そいつは……」


「この軍の将軍だよ」


ベルンハルトは驚愕する。これが“爆炎のディート”か……。衣服の豪奢さが、その地位を裏付けていた。


「ははは、すごいな姫。

  ……戦いは、これで終わりだ!」


ベルンハルトは大声で叫んだ。


「黒鉄傭兵団、サティエル団長が――ゲルデン軍、ディートリント将軍を討ち取った!!!」


その一声で戦況は決した。

すでに劣勢になっていたゲルデン兵は戦意を失い、散り散りになっていく。


勝利は、完全にサティエルたちのものだった。

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