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見捨てられた姫様は国を亡ぼす資格があるらしい  作者: サチオウ
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第83話 サティエルの作戦

――黒鉄傭兵団に合流した直後、シュレスタイン軍から作戦変更の通達が届く。


『我々は城に籠り、魔物を迎え撃つ。黒鉄傭兵団は町から離れた魔物を討伐せよ』


ベルンハルト団長がサティエルを見やり、頷く。

「承知した」


「俺たちは町から攻撃されて逃げてきた魔物を狩る、そういうことでいいんだよな?」


サティエルは首を横に振る。


「ううん。神殿に用はなくなったし、この国に長居する必要はなくなった」


「ここから逃亡するのか?」


「まさか、この戦争に長々と付き合う気はないだけ。

この機会に両方――魔物も、ゲルデン軍もまとめてやっつけるよ」


その言葉に周囲がざわつく。オフィーリアの背筋を冷たいものが走った。


まさか……破壊神の力をここで?


止めるべきか迷ったが、サティエルの口から出た作戦は驚くほど合理的だった。


そのため反対する者もなくそれが実行されることとなった。



ベルンハルトが助言する。

「姫の強さは承知しているが、目立ちすぎる。前と同じく顔を隠した方がいい」


「そうなの? わかった」


サティエルは魔法袋から《ルーナの仮面》を取り出し、顔に装着した。


「では――作戦開始!」



サティエル、オフィーリア、シルヴィアは町とは反対側、ムーンゲートの背後に回る。


同時にセレネが城壁の手前に巨大な結界を展開。魔物を町に近づけず、町側からの攻撃も遮断するためだった。


黒鉄傭兵団はセレネと一緒に結界の背後に待機。カルメロは作戦内容をシュレスタイン軍へ伝え、説得にあたる。



やがてムーンゲートから、魔物が姿を現す。


トロール数十体と、巨体のサイクロプスが二体。

その後、少し遅れてレッサーデーモンの群れと、その上位であるグレーターデーモンが一体。


グレーターデーモンは上位の大型悪魔でありコウモリのような翼を持ち強力な魔法を扱う厄介な魔物。


レッサーデーモンは下位の悪魔で飛行能力はないが強力な魔法を使う大型の魔物でありトロールを上回る強さの持ち主だ。


シルヴィアが悲鳴を上げる。

「サイクロプスとグレーターデーモン!? 無理じゃない!?」


サティエルとオフィーリアはそれを聞き流し、広範囲の低火力魔法を同時に放った。

魔物たちは一斉にサティエルたちに狙いを定め、町へは目もくれず襲いかかる。


「よし、こっちに来た」

サティエルたちは距離を保ちつつ後退を始める。


だが一体だけ、翼を羽ばたかせ一気に距離を詰めてきた。――グレーターデーモンだ。


「こいつは私が誘導する! オフィーリアとシルヴィアは他をお願い」


サティエルはろっくんの背に跨がり、挑発するように攻撃を放ちながら空へ舞い上がる。


地上ではオフィーリアが風魔法で高速移動し、間合いを広く取りながら魔法を放つ。


「シルヴィア、おとり役よろしく!」

「ひーっ、私そういう役、嫌いなんだけどー!」


文句を言いつつも、シルヴィアは身体強化で適正距離を保ち、飛んでくる魔法を軽やかにかわす。


――彼女らが導く先は、ゲルデン軍本陣。


そう。サティエルの狙いは、ムーンゲートの魔物を引き連れて、敵軍本陣へぶつけることだったのである。

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