表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見捨てられた姫様は国を亡ぼす資格があるらしい  作者: サチオウ
目指す先

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/90

第70話 ヒュドラ討伐

翌朝、ろっくんの視界にヒュドラの姿が映った。村まで残り三キロ。


サティエルが先頭に立ち、ろっくんの視界で選んだ場所へ一行を導いた。そこは予想進路上でもっとも開けた場所だった。


「ここで迎え撃ちましょう」

「承知した」


エナメルの旅人は迷いなく従ったが、トールヴァルド隊長は半信半疑だった。とはいえ戦うには悪くない地形、黙って頷く。


やがてオフィーリアが目を細めた。

「……見えた。ヒュドラ接近!」


セレネが即座に詠唱する。

「プロテクティブウォール・ウィズ・ピュリフィケイション!」


二十メートル四方の透明な壁が立ち現れ、淡い光を放ちながら浄化の力を帯びる。続いてサティエルが風を呼ぶ。


「ワイド・レンジング・ブリーズ!」


穏やかな風が結界の外へと流れ出す。ヒュドラの吐く毒霧を押し流すためのものである。


ヒュドラは巨体を揺らしながら速度を上げ、こちらへ突進してくる。


「ライトジャベリン・スリー!」

オフィーリアが光の槍を放つ。しかし三つの首が同時にブレスを吐き、掻き消された。


「……魔法には敏感に反応するのね。利用できそうだ」


そうこうしているうちにヒュドラは結界の目前にせまり、毒のブレスが襲いかかる。しかし、それは結界に触れた瞬間に光となって霧散する。すかさずヒュドラは結界を砕こうと体当たりするが、壁はびくともせず、逆に苛立ちを募らせていった。


「今だ!」

魔法使いたちが胴体や尾に狙いをつけて魔法を撃ち込み、注意を引きつける。その隙に剣士たちが斬りかかる――が、二つの頭に察知され、浅手しか与えられない。


二度目の突撃、今度はシルヴィアの前にチャンスが訪れた。

「――天罰斬!」


交差した双剣が一閃し、右端の首が吹き飛ぶ。

「今よ!」


「フレイムランス」

オフィーリアが炎槍を放つ――だが、別の頭が横から防ぎ、切断面は瞬く間に再生してしまった。


「くっ……やはり厳しい!」シルヴィアが悔しげに唇を噛む。


戦況は膠着し、セレネの顔色も次第に青ざめていく。結界の維持に魔力を削られているのだ。


このままじゃ、まずい……。


サティエルはオフィーリアの元へ駆け寄る。


「風魔法、交代して。私が少し試してみる」


「……了解」


サティエルは剣士たちに声を張り上げた。

「今からヒュドラを拘束します!止まったら、一気に首を落として!」


「なに?どういうことだ?」


「いいから見てて!」


サティエルが最近マスターした憧れの魔法。それを使うのにちょうどいい相手だと判断した。


結界を抜け出すと、サティエルは手を前にだし、意識を集中する。


その魔法は、メーディアの書で上級に分類され、邪竜ファーブニル戦でメーディアが使った魔法。


「いでよ不断の光鎖、その輝きにて敵を拘束せよ――ルミナス・チェイン!」


ほとばしる光が無数の鎖へと変わり、五つの首を絡め取り、胴体を大地へ縫いつけた。ヒュドラが咆哮をあげるが、鎖は輝きを増し、びくともしない。


「今よ、斬って!」


剣士たちが一斉に飛び出し、刃が閃く。落ちる首、五つ。


「みんな下がって! オフィーリアお願い!」


「わかった。ファイア・ピラー!」


轟然と炎の柱が立ち上り、切断面を灼き尽くす。再生は阻まれ、ヒュドラの巨体が地を揺らしながら崩れ落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ