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空から魔女がふってきた!  作者: 杉並よしひと
第四章
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 俺はそのまま目を逸らし、翠達の方へ視線を向ける。三人ともカタリーナから目を離せないのか、荒い息づかいになりながらも、鋭い視線でカタリーナを睨んでいる。ただ一度、ハルと視線がぶつかる。ただそれも一瞬で、またハルは怯えた様に、カタリーナを睨みつけた。

「まあ、簡単なのから潰しておく事に、変わりはないがな」

 そう言うと、カタリーナは不意に右手の杖を振るった。

「っ!! 現れよ!!」

 何が起きたのか、全く解らない。ただ、いつの間にか俺の目の前に土の壁が現れ、そしてそれが一瞬にしてくだけ散った事だけは解った。

「ほう、なかなかだな……」

 低く、小さいカタリーナの呟きが聴こえる。翠は何も答えない。

 つまり、今、俺は、奴に、狙われたんだな。遅れて理解がやってきた。

 今ので均衡が崩れた。カタリーナの禍々しい声が響く。

「風邪の精霊よ! このカタリーナ・クラウゼヴィッツに、力を分け与えよ!」

「エメちゃん!」

 翠も負けじと声を張り上げる。

「大和さん、こちらへ」

 後ろから肩を叩かれる。なんだ、と振り向くと、渓が険しい顔で立っていた。

「マスターの命令です。出来るだけ、離れた所にいてください」

「……解った」

 とりあえず、出来ないなら出来ないなりに、このやり合いを見届けよう。この場にやってきて、俺が出来る事と言ったらそれくらいだ。

 翠達の後方二〇メートル程、結界のはじっこぎりぎりに、俺は座らされた。

「エメちゃん、やっちゃえ!」

「うあああああい」

 もう見慣れてしまったゴーレムが、あの地響きの様な声で答える。同時に、地面がゴーレムの足踏みとともに、ゆさゆさと揺すられる。

「ふん。ただ質量があるだけじゃないか。決まりきったやり方なぞ、怖くはないわ!」

 馬鹿にしきった様な声で、カタリーナが叫ぶ。また、さっきと同じ動きで、杖を一振り。と、それに続いて、ゴーレムの体が砕け散った。

 さらに続く、崖崩れの様な音。大きな岩や小さな礫が、まとまりを無くし、飴の様に振ってくる。


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