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結局、もやもやと考え事をし続けたまま、次の朝を迎えた。
あんな話を聞いても尚、俺の心は少しも決まらなかったわけだ。どっちかと言うと、より混沌へと近付いた感じだ。なんなんだ、まったく。
携帯電話をみると、一件だけメールが届いていた。ハルからだった。短く一言だけ、
『カタリーナのところへ行きます』
とだけ書いてある。
魔法が何をする物なのか解らない。俺は魔法を使えないから、解らない方が当たり前だ。ただ、あれは絶対的な「力」だ。その証拠に、俺は「力」で殺される所だったし、「力」で、見知らぬ小屋へと飛ばされた。
ハルも、俺は知らなかったが、翠も竜二も魔法使いだと言う。ユリウスさんから話をされたが、それでも、俺が何も出来ない事に変わりはない。気付くべき事には気付くが、それでも誰かを助けることは出来ない。俺ではなく、力を持っている人間にだけ、出来る事なのだ。
「はあ……」
誰に聞かせるためだけでもない溜め息をつく。今しがた起き上がったベッドへもう一度寝転がり、窓から外を見上げる。窓の外は見ているだけで寒くなる様な、素晴らしい青空だ。
あー、今日はサボり決定かな。
……。
…………。
だめだ、起きよう。何でか解らないけど、堕落した感じがする。
俺は着替えると、はっきりしない頭をゆらゆらと振りながら、食卓のある下の階へと降りて行った。みんな家を出てしまったあとなんだろう。階段を下る足音は、とんとんとよく響いた。
ぺたぺたと廊下を進み、リビングへ入る。適当に何かを食べよう、とキッチンへ向かおうとすると、食卓の上には既にいくつかの皿が並んでいた。
ラップの下には、おにぎりがどぉーんっ! と、ひい、ふう、みい……、七つも並んでいる。
なんだなんだ、と怪しむ俺の目に、皿とテーブルに挟まれた一枚の紙片が入った。
『大和へ
腹を空かせてちゃ、戦は出来ないよ!
全て食べるべし
母』




