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しかし、俺の「まさか」と言う言葉に、ユリウスさんは全く取り合わなかった。
「そんな君に、ちょっと付き合って欲しい所が、あるんだよね」
「俺に……、ですか?」
ちょっと想像がつかない。
まさか、俺はこれから魔女裁判みたいな何かに掛けられるんじゃないのか。昔、本で読んだ事がある。あれは、普通の人間の中から魔女を炙り出す為の物だった。
俺は、大勢の魔法使いに取り囲まれて、尋問を受けるのだ。「どうして魔法使いの存在を知った?」「誰かにばらしたか?」「最期の飯は、何が良い?」そして、人知れず……。
俺はかぶりを振った。馬鹿馬鹿しい。そんな物もあるのかもしれないが、少なくとも俺が行く所じゃないし、そこへ連れて行くのはユリウスさんの仕事じゃないだろう。俺が口を開けば、ハルの弱みはぼろぼろと流れ出して行く。
気付けば、車は大通りを離れて、少し細めの道を行っていた。さっきまでフロントガラス越しに見えていた西日は、今は右側に来ていて、フロントガラスからは藍色から橙色へのグラデーションが見えた。
夜がやってくる。
「ハルがハーフだって言う事は、知っているだろう?」
再び、ユリウスさんが口を開いた。
「はい。ハルが言ってました」
「じゃあ、何で彼女が金髪か、解るかい?」
俺は、ハルの柔らかそうな髪を思った。いつでも空気をはらんだ様にふわふわとしていて、陽の光を眩しい程跳ね返す、金色。
次に、ハルのまっすぐな瞳を思う。あれとずっと向き合うには、なぜかエネルギーがいる。吸い込まれそうで、突き放していて、俺を貫く、青い瞳。
「ハーフで金色の髪って、普通じゃないんですか」
「いない事も無いけどね。だけど、ハルは違う」
車のスピードが緩んだ。目的地が近い事を悟る。車は
「ハルの元々の髪の色は、ブロンドじゃないんだ」
「……は?」
車が完全に停止した。




