表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空から魔女がふってきた!  作者: 杉並よしひと
第四章
PR
53/80

「もしかしてお前ら、ずっと俺の事騙してたのか?」

「騙してたって言うのは違うな。魔法使いに生まれたからって、魔法だけが生きる道じゃないって事だよ。これ以上言わせるなよ、恥ずかしい」

 飄々とした竜二の声が聴こえる。俺はすぐにはその言葉の意味を理解出来なかった。一拍遅れて、理解とも言いがたいもやもやがやってくる。

 とん、と肩にかわいらしい重みを感じた。見ると、ハルが微かな寝息を立てて、俺の肩に頭を預けている。なんてこった。

「ハル、寝ちゃったんだけど。どうすれば良いかな?」

「とりあえず、その場所代わりなさい、私と」

 翠が勢い込んでそんなことを言う。そんな会話を聞きながら、ユリウスさんは笑って、

「まあ、疲れたんだろうな。悪いけどヤマトくん、しばらく寝させてやってくれないか?」

 と言うのだった。

「羨ましくてねたましいわ」

「翠がそう言うと、本当にヤバく聴こえるね」

 竜二と翠の気楽な言葉が後ろから聴こえてくる。一方俺は、正体不明の緊張に、身が固くなって行くのを感じていた。今更、肩に全神経が集まって行くかの様な感じがする。

 眼球だけを動かしてハルの寝顔を盗み見る。こいつめ、世界が幸せに満ちているかの様な顔で寝てやがる。

 また静かに眼球だけを動かして、ハルの寝顔から目をどける。ちらりと覗き込んだルームミラーで、ユリウスさんと目が合った。彼は何も言わず、ただ悪そうな笑みを浮かべただけだった。しまった。

 結局、誰もが不自然に、一番大事な話題を避けていた。そして、誰もがそれに気付いていたに違いない。

 しかし、誰もそれを指摘しなかった。結局、遅かれ早かれ話さなければいけない事くらい、誰もが解っていたからだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ