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昨日の夜遅くまでのメールのやり取りで解ったのは、ハルも一緒に消えていたと言う事だった。翠からのメールはぶっきらぼうな物だった。
「駆け落ちじゃないの?」
うさんくさく思う翠の声音が、向こうから聴こえて来そうな文面だ。
翌朝、竜二は珍しく早起きをし、学校へ向かった。一番乗りへの小さな期待を抱きながら教室へ入り、小さな期待は風船の様にしぼんで行った。
先客、翠がいたのだ。
「よう、翠。お前も心配なのか?」
「私のハルちゃん連れ去って行く奴なんて、心配するはず無いでしょ? 私が心配してるのは、ハルちゃんの方よ」
誰も、「ヤマトが」心配なのか、なんて訊いてないんだけどなあ。竜二はこっそり心の中でにやにや笑うと、そんな事はおくびにも出さずに、話を継いだ。
「とにかく、ハルちゃんとヤマトが、二人ともいなくなってる。これはやっぱり魔法使い絡みの事件ってことで良いのかな」
「そうでしょうね。逆に、あの二人の接点って言ったら、そこくらいしかないだろうし」
「二人が合意の上で、駆け落ちしてたんだとしたら、ど」
「ヤマト……、ユルサナイ……」
「うする……、あ、やっぱり、あり得ないよね。うん」
尋常じゃない殺気を感じ取り、竜二はすぐに意見を引っ込めた。竜二自身も軽い冗談のつもりで言ったのだが、思ったよりまずい事をしてしまったようだ。
話題を元に戻す。
「でさ、翠。ヤマトのお母さんは、ヤマトを探しに動いてる。でも、あの人がもしヤマトを見つけたとして、それは同時に魔法の存在を知ってしまう事でもあるんだ」
「まあ、あれは高等魔術の中じゃ、かなり最初に習う物だからね」
「だから……、ね?」
「一緒に探せって言うんでしょ?」
「理解が早くて助かるよ」
魔法がらみの事なのだ。竜二は、自分一人では、ヤマトを探すだけの力がない事を、十分すぎるほど知っている。もし、見つけたとしても、彼の能力では救い出せないかもしれない。
だからこそ、翠が必要なのだ。そして、口ではああ言いながらも、やっぱりヤマトの事を心配している。竜二はそれを知っている。
「じゃあ、いっちょ探しますか」
「うん」
そう言って、翠と竜二は気合いを入れた。




