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「まじかよ……」
無意識に呟いてしまう。
つまり、心当たりが無かった。あの男が何で俺達をこんな所に飛ばしたのか、訳が解らない。
とりあえずハルを起きない事には何も始まらない。そう思い、隣の小さな肩を叩く。
「おい、起きろ!」
肩を揺すると、ハルは「うーん」等と言って、ごろり、と寝返りを打った。俺の腿に顔が当たり、同時に目をぱっと開いた。
「ちょちょちょ、ちょっと! あんたなんで私の隣にいるのよ!」
「いや、俺ずっと隣に寝てたんだけど……。ちょっとまずい事になった。昨日の事、覚えてるか?」
「昨日の事って……」
ハルはしばらく黙って考え込んだ後、かあーっ、と頬を赤くした。
「もしかして、あんたが隣にいたのって……いや、でもまさか……」
「思い出した?」
「え、嘘。嘘だ!」
ハルはひどく動揺している。まあ、俺もさっきまで一人で考えていたから取り乱しようが無かったけれど、こうやって起き抜けに衝撃の事実を知らされると、やっぱり慌てるよなあ。
「なんで!? え? 嘘!」
ハルはそう言って、俺を睨みながら自分の肩を抱いた。ほっそりとした肩が、一層小さく見える。この慌てふためくハルを、とりあえず落ち着かせなくてはならない。
「とりあえず落ち着けって」
「ヤマト、あんた私に何したのよ? こんな所連れ込んで。私全く記憶が無いんだけど。この性欲魔神!」
いやいや、マジで、なんでそんな事言われてるか解らないんだけど。
「ちょっと待て! 俺は何もしてない。俺は、ここがどこだか解らない。俺がどういう風に誤解されてるか解らないけど、とりあえず話す時間をくれ」
「……話しなさいよ」
拗ねた様な声を聴いて、俺はとりあえず安心した。話を続ける。
「昨日、俺達は見知らぬ男の張った結界に取り込まれた。結局そこから脱出は出来なかった。そのうち結界の中に穴が開いて、俺達はそこに取り込まれた。で、気付いたら俺達は今いるこの小屋みたいな所に飛ばされていた。
OK?」
「おー……、けー…………?」
ハルは拍子抜けした様にそう呟くと、急に顔を赤くして、
「あーもー、ほんっとバッカみたい! こんな事心配した私の方がバカみたいだわ!」
と毒づいた。なんだなんだ、さっきから急だなあ。




