表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空から魔女がふってきた!  作者: 杉並よしひと
第二章
PR
29/80

13

 あらん限りの声を出す。音が消えて、自分の耳を信じたくなったからか、いつもよりも大きな声の様な気がした。ハルもそれに気付き、踵を返す。

「これ、何が起こってるんだよ」

 少し、俺の声は震えていた。

「多分、風魔法の結界だと思う」

 ハルは鋭い目つきで当たりを見回した。交差点の歩道に俺達は立っている。しかし、雑踏も車の走る音も聞こえない。人は皆、俺達をよけて歩道を進んで行く。

「風魔法の結界って……。それ、どういうもんなんだ?」

「音って、空気を伝わるでしょ? だから、風の精霊を使役して空気の動きを操ると、結界の外と中で、防音壁を作る事も出来るの」

 しかし、その説明だけじゃ、解らない事ももちろんあった。

「でも、この中でこの前みたいにドンパチやるのは無理じゃないか? だって、結界の中は外から丸見えなんだろ?」

「うん、普通はね……」

 ハルは言葉を濁した。

「でも、他の系統の魔術を合わせて使えるなら、もしかしたらもっと別の事が起きる……、かも知れない」

「なんだよ、もっと別の事って……」

 俺がそう言いかけた瞬間だった。

「あれ……、あの人……」

 ハルが、俺の背中側の道を行く人のを、じっと見ている。

「どうした?」

 俺がハルと同じ方向を見ようとすると、ハルは「振り返らないで」と、小声で制した。

「あの人、まるで、ここに結界があるのを解ってるみたい」

「って言うと?」

「ずっと、私たちの方を見てる。音が聞こえないから解らないけど、多分、呪文を唱えてるんだと思う」

 俺は、振り返っているのを気取られない様に、眼球だけを動かして、肩越しに確認する。

 いた。

 外見は至って普通の大人だ。黒いコートを羽織って、手には通勤鞄を提げている。しかし、横断歩道の真ん中に立って、じっと一所を見つめている様子は、さすがに多くの人の中でも浮いている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ