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空から魔女がふってきた!  作者: 杉並よしひと
第二章
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28/80

12

 情けない事に、俺はすぐ目を逸らした。さっきとは逆に、ハルの目の前を通って、かなり暗くなった駅前へと歩き出す。

「とにかく俺は、千種にはなんにもやましい感情は抱いてないから。そこんところは解っといてくれよ、ほんとに」

「はいはい。とりあえずそう言う事にしておいてあげる。みっちゃんには黙っといてあげるから」

 ハルは俺の後に続いて横町から出て来た。日が暮れて、武蔵野の空気は急に冷たくなっているようで、顔や手の肌を刺す様に冷やして行く。

「言っとくけど、あいつも千種の事は知ってるぞ。結構仲いいし、たまに『笹子』に顔出してるみたいだし。

 それに、千種は多分、お前の言ってるみたいな事は思ってないはずだぞ」

「あ……、そう……」

 ハルは勢いをそがれた様に急に黙り込むと、

「ヤマトのバカ」

 と言った。

 俺はそれを聴かなかった振りをして、ずんずんと歩いて行く。タイミングを逃してしまったからか、俺は何も言い出せぬまま、橙色の電車が走る高架をくぐり、大通りと大通りが交わる交差点に差し掛かった。ここを右へ曲がるとハルの家、まっすぐ行くと俺の家だ。

 信号がちょうど青になり、俺はハルに向かって片手を挙げた。

「じゃあな」

 ハルは、何も言わずに片手を挙げてそれに答えた。

 俺はハルから目を離し、足を踏み出そうとした。

 その時だった。

 急に、世界から音が消えた。

 今まで聴こえていた、横断歩道の雑踏も、列車が鉄路を踏みしめる音も、みんな消えた。

 俺はすぐさま後ろをを振り返る。まだすぐそこにいたハルと目が合った。俺は何かを考えるよりも前に、ハルへ呼びかけた。。

 魔法使いの仕業だ。考えなくても、それくらいの事は解った。

「ハル!!」

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