前へ目次 次へ PR 8/14 七話-記憶 皆、なんでもないように愛されたかった。 ネコのようにはいかなかった。 小さな生傷は絶えず、痛む。 されど命絶えるほどではなく。 もっと耐えられただろうか。 ずっと耐えられただろうか。 ああ、同胞たちよ、疲れてしまったんだ。 確かに愛されていたはずの遠い記憶を胸に。 悲しみを乾かそう。 傷跡が疼き続けたとして。 もういいんだ。 いらなかった優しさを求めて。 いらなかった施しを求めて。 傷口を塞ぎにいこう。 もう、それでいいから。