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創造主長様のお仕事  作者: 己龍
第2章 子供+仲間+迷宮=???
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32話 紅蓮の迷宮 8

昨日に引き続きG.Wスペシャル!


3日連続更新


2日目!

煙幕が晴れると、そこには何もなかった。


暴れていた【油炎悪魔(ウコバク)】も、投げられた武器も、オンブルの姿さえも。


あるのは大きく抉られた足場だけで、ドロドロに溶けた足場の岩もとっさにダリエラが氷魔法で冷やし、今では少し暑いかと思えるほどの熱気しか発熱していない。



「オンブルさん、まさか・・・・」



ディーが最悪の想像をするが、彼だけでなくリンも心配そうに周囲を見渡し、ダリエラも魔法を発動させながらも爆心地に目を凝らしている。



「しかしダリエラ、何気なくやってるが氷魔法の無詠唱の数増えてるな」


「・・・・・・・・・・・・・ありがと?」



一瞬何を言われたのか理解できなかったようで返答までに間が開いたな。


そんなにオンブルが心配か。



「いやいやいや、そんなことよりオンブルさんだろ!もしかしてあの攻撃で自爆したんじゃ」


「ありえます、あの魔物は強すぎました。自身の身を犠牲にするほどの攻撃でなければ早期の決着はつかないでしょうし」



どうやらディーとリンは勘違いをしているようだ。



「あの爆発はオンブルがやったものじゃないぞ?」


「違うんですか!?」


「あれは《あの子》が仕掛けたもんだ。オンブルはあれで攻撃される前に仕留めようとしたんだが、気づくのが一歩遅れたな」



彼女は俺と違いレベルを押さえているからな、気づけても行動できるまでが噛み合わないんだろう。


だがあれでも何度か世界には降りているから身体の動かし方は慣れている方だ。


おそらくリンたちから見れば不自然さも湧かないだろう。



「だから、そんなことよりオンブルさんだって!いないんだぞ、死んじまったんだぞ!あんたはなんでそんな平気なんだよ!」



鬼気迫る勢いでディーは俺の襟を掴み上げた。


彼との身長差もあって足がブラブラするなぁ。



「落ち着け」


「落ち着けられるか!一緒に戦った時間はみじけぇけどな、あいつは仲間だったんだ!」


「だったら尚更落ち着け。あいつがこれで死ぬと思うか?」


「だってあれだぞ!?」



ディーは俺を掴んだまま反対の手で爆心地を指さす。


リンとダリエラはディーを止めようとしているが興奮状態で手が出せない。



「あれじゃぁどんな奴でも死んじまうだろ!」


「よく見ろよ」



俺はディーの手をなるべく優しく解き地面に降りると、ディーを連れて爆心地に近づき中を覗いた。


実はまた力が上がりそろそろ《手加減》のスキルでは抑えられなくなってるんだよな。


ディーも俺が解いた手をさすっている、すまんな。



「で、なにがしたいんだよ。どう見ても酷い有様にしか見えねぇぞ」


「お前ももう少し冷静になれよ。よく見れば溶けた足場と冷えて固まった足場の量が合わないだろ?」


「蒸発したんじゃねぇのか?」


「にしては合わない。つまりどこからか流れたりして移動したわけだが」



俺は若干熱気で景色が歪む足場に降り立ち《脳内地図》で探る。



「やっぱりな、ちょうど中心から真下に穴が掘られてる」


「マジか!?じゃぁ無事なんだな!」


「だがあいつの気配が探れない。となると・・・」



俺はおもむろに《無限収納》から一枚の布を取り出し放り投げた。


宙を舞う布はパサリと足場へ落ち



「うっほぉぉぉぉぉ!主様の、主様の下着ぃぃぃぃぃ!」



る前に、地面から飛び出したオンブルにより確保された。


まぁそんなことは許すはずもなく、手に取った瞬間に有罪判定、渾身の膝蹴りを顔面に叩き込み回収した。



「な、生きてただろ」


「・・・・・・・・・・・・・・・あぁ、よかったよ」



ディーも安心したようで長い沈黙の後にひねり出したようにオンブルの健在を祝った。



「忘れてたよ、この人はそういう人だったなぁ。だんだん怒りが湧いてきたけどとりあえず無事でよかったわ」



うんうん、ディーは感動のあまり手を握り締め震えている。


なんとも仲間想いの奴だ。



「・・・でも師匠に蹴られたよ。・・・結局死んだんじゃない」


「あの方は一度痛い目に合った方がいいと思います。私たちの心配を返してください」



女性二人からも安堵を・・・・・止めよう、現実を見よう。


今回はさすがにオンブルの養護はできない。


元々していないように見える?


気のせいだよ、気のせい。


あれでも部下だからな、神界では何度も助け、助けられてきた。


酷い扱いをしているように見えるのはこの世界での行動を見ているからだ。


誰に言い訳をしているんだ俺は。


とにかく今回はタチの悪い冗談だ。


俺はともかく周りが笑えない。



「気配を殺してまでなにをしていた。ここにいる全員もしやと心配したんだぞ?」


「それは我が主様もですか!?」


「俺はしていない」


「そうですか・・・・」



ガクリと落ち込むオンブルだがそんな恰好をしても問題は解決していないぞ。



「で、何をしていたんだ?」


「はい、ちょうどいい機会なので私を心配する我が主様の顔を一目見ようと隠れておりました」


「あ・ん・た・は!何考えてんだよ!」


「・・・時と場所を選ぶべき」


「さすがに私も今回のオンブルさんは酷いと思います」



おぉぉ、三人に囲まれた集中攻撃だ。


敵意が無く好意から来る攻撃にさすがのオンブルも気まずそうだ。


神界では死はあってないようなものだから彼女もこの反応は失念していたんだろう。


魔力壁の外はいまだ極寒だからしばらく出ることはできないし、この場で十分反省してもらうか。



(我が主様、いえ、主長様へ報告があります)



この場を休息地点とするためにいろいろと準備をしているとオンブルから念話が飛んできた。


三人に謝りながらのながら念話だが、俺の事を《主長》と呼ぶということは・・・・。



(それは神としての進言か?)


(はっその通りです)



俺も念話をしながら他に悟られぬよう準備と並列で話すが、下に潜った際になにかあったか?



(さきほど下を潜った際に発見したのですが、空間に歪を発見いたしました)


(!?範囲と深度は?)


(この魔力壁内ほどの広さで深度は2です)



これは、さすがに無視できない。


空間に生まれる歪は最悪の場合複数の世界を繋げ、崩壊の切っ掛けとなることがある。


神々(俺たち)はさらに歪みの深刻度を《深度》と呼び、5つの段階で区分けしている。



深度1 被害はなく時間経過で元に戻る

深度2 被害はないが自然回復は不能、亜神が直接修復

深度3 小さい物ならば歪に巻き込まれる。また、歪の周囲では様々な現象が起きやすい。

深度4 人間や動物などの生き物が巻き込まれる。異常気象や生態の変化が急速に起こり、中級神が複数で修繕

深度5 他世界へとの接続、または融合。ほとんど場合が融合と共に崩壊、神界総出で対処。



歪が起きる原因はさまざまだが、ほとんどが-のリソースだ。


おっと誤解しないで欲しいが、-のリソースによって引き起こされるのであって、根本はその世界の生命体だ。


生命体が生み出した恨みや憎しみといった感情が少しづつ集まり、周囲にあった-のリソースと混ざり合い起きる現象の一つが空間の歪だ。


さて、ここで今回発見した歪の場所を確認しよう。


場所は迷宮内の記録では前人未到の二十階層。


この場には素材となる植物も昆虫もおらず、生命体はここにいる俺を含めた5人。


更に俺から-と対を成す+のリソースが放出されている。


原因はいったいなんだ?



(ルルに報告は?)


(すでに完了しております。創造神ルルリアからこの世界の担当神たちへとすでに情報共有は済ませたそうなのですが・・・)


(どうした?)


(迷宮を総管理する試練神からの連絡では、各迷宮にいる亜神たちからの返答が無いようなのです)



ふむ、つまりはこういうことか?



-のリソースのたまり場たる迷宮

     +

深度2の歪を発見、原因不明

     +

管理者が不在



導かれる答えは一つか・・・・・・・・・・非常にまずい事態だ。


果たして歪があるのはこの迷宮だけなのか?


どの歪も深度が低いものなのか?


わからないことだらけだ。



(世界中を創造神権限で確認するように通達。現在の最高責任者である創造主第三席には緊急コードを発令してくれ)


(了解いたしました)



ここは俺がルルに直接伝えるのが筋だが、目視で確認したのもルルとこの件で話したのもオンブルだ。


細かな話の食い違いに取られる時間も惜しい事柄なので、ここは彼女に任せよう。


しかし亜神たちよ、君たちはいったいなにをしているんだ。


彼らは時に天使と呼ばれ、皆早く神へと昇進するため真面目に仕事に励む働き者だ。


そんな彼らが上司であるルルの呼び掛けに応じないとは、考えにくい。


俺の頭の中ではいくつもの心配事が次々に生まれ、いますぐにでも最下層に降りて行きたいが、その心情を押さえもくもくとテントを立てていく。


ここで俺一人がスタンドプレーをしても逆に状況を引っ掻き回すだけだからな。


テントの骨組みを握る手が震える。


相変わらず自由に動けない立場が辛いなぁ。

ディー  「わかってんのか?笑えねぇぞオンブルさん」

リン   「ちゃんと聞いているんですか?」

ダリエラ 「・・・二人とも待って。・・・これ以上責めちゃダメ」

ディー&リン 「「なぜ!」」

ダリエラ 「・・・オンちゃんが喜ぶだけ」

オンブル 「・・・・・・チッ」

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