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創造主長様のお仕事  作者: 己龍
第2章 子供+仲間+迷宮=???
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22話 事前準備はお早めに

2018年が始まったと思ったら、もう一か月過ぎるんですね


時が経つのが早く感じますね

「いよいよ明日からか」


「そうだな、十分準備も終わった。絶対に攻略できる!とは言わないが、少なくともリンたちも無事に戻ってこれるだけの能力はある」


「そうか‥‥おぉ、ラミス。礼をいう」


「勿体なきお言葉。どうぞごゆっくり」



いよいよ明日から迷宮へ向かうために今日一日は全員に休暇を言ってある一方、俺は屋敷で手続きや段取りの書類を片付け、ウルと二人で赤茶をすすっている。


隣でラミスがかいがいしくお茶のおかわりを注いでくれる。



「・・・・よし、予定外都期間といない間の各種書類もあるな。それから都内の警備強化願い届も確認した、安心しろ!物資や必要経費はこちらで出す!」


「また金が溜まったか。経済の為に積極的に使わなければならないが、王族も大変だな」


「さすがに税を下げるわけにもいかぬからな。それよりレイのところもだろう。お前のところの経済報告書を貰ったが、金が溜まりすぎだ。とっとと使え」



そうなんだよなぁ。


貴族ってのは金は集まるが使う暇がない。


せいぜい食費などの生活費や使用人たちの給料でしか使う機会がないから、宝石や肖像画など大金を一度に市場に流さないと経済が回らないので、貴族の悩みの一つだ。



「とは言ってもその気になれば食費も税も給料も、俺一人で賄えるからな。俺だってどうやって使おうか迷ってるんだ、正直年金などいらん」


「馬鹿を言うな!年金がなかったら我々はどうやって金銭の消費するというのだ。むしろ増やしたいのだこちらは。そうだ、レイはメイと結婚すれば正式に侯爵になるのだから年金も増えるな!」


「やめんか!」



こいつ面倒を俺に押しつける気だ!


ふざけるなよ、こっちだって料理研究や開発やらで出費しているがそもそも素材を持ってくる冒険者が少ないからあまり減ってないんだ。


低ランク冒険者用のクエストも出して出費しているが報酬の上限にも限度があるからあってもなくても変わらない。


贅沢な悩みだとは思うが、結構シャレにならない問題だ。



「お許しくださいウルスラ王子・・・殿下、主は先日大量に魔物を討伐、そしてギルドへ持ち込みましたので近々多くの金銭が集まることになっております。そこへ名誉侯爵階級の年金金貨100枚はさすがに厳しいものがございます」



そうだった、これから素材の売却金も来るんだった!


やばいな、どこに消費したらいいんだ。



「お前も大変だなレイ。しかし冒険者収入については忘れていた。だがその割に書類にある金銭残高が少ないが、この「トウシ」とやらの出費事項はなんだ?多額な出費が記載されているが」



あぁ、投資の事か。


金の消費と技術向上のためにユリアちゃんやベリアル、アマナさんへ研究資金を援助したが思っていたよりこちらも消費が少ない。


さすがに金貨500枚は多すぎたかな?


そのことをウルに伝えるとそんな手があったか!?と即座にラミスに羊皮紙を用意させメモを取り出したが、しかし・・・と途中で手を止めた。



「それは単に金を撒いているだけではないか?それはいかんぞ、このままだとたんなる貴族による気分次第の道楽になってしまう。後々のことを含め、そんな卑しい者にはなりたくない」


「それについては・・・」


「こちらをご覧ください殿下」


「「「うをぉ!?」」」



ウルに説明をする前にいつの間にか隣からオンブルがある物を持って会話に参加してきた。


だからお前はどうやって俺の監視外から現れるんだよ!



「き、貴殿はたしか新たにメンバーに入ったサンティエ殿であったな、噂には聞いている。して、その手に持っている物は?」


「はい、こちらは《ユリア魔道具・魔具店》亭主ユリア様からの献上品の魔導レンジと、《アマナ薬店》亭主アマナ様からの新薬でございます」


「勝手に会話に参加するなよ・・・まぁいい、これは投資する代わりに開発したものを最初に貰ったものだ。本来なら投資によって開発された物の販売額の何割かを貰うんだが金はいらないからな、物品とこちらの要求にある程度答えることを条件にした」


「なるほど、物品なら場所を取るだけで済むし、失業者もある程度減るな。レイたちのおかげで安全に探索できる地域範囲も広がり都市に入ってくる素材も増えた。しかしその副次作用で失業者が出始めているのでな」



いままで良い素材の数が少なく、そのため質の良い物の品数も少数しかなかったので腕の高低も関係なく、どの職人でも生活できるだけの収入はあった。


だが、俺たちが周辺の高ランクの魔物を狩ったおかげで危険度が下がり、素材を持ち込む者も種類も増えた。


質が高い素材が多くなると、職人のなかでも素材を扱える技術や経験から格差が明確生まれ、劣った腕の職人が次々と破産している。


その原因は現状に甘えてしっかりと基礎を学ばず、いらないプライドにより他の工房の下で就職しようとしない職人たちにも問題があるんだがな。



「だからって無作為に投資するなよ?いたずらに消費してもいらんところに金が集まるだけだ。ちゃんと結果に見込みがありそうな場所へな」


「わかっている、これでも王族だぞ?これで無法者たちに力がついてはかなわないのでな」



考えてやってくれるならこちらとしても文句はないか。


他の書類を渡したり足りなかった部分について話し合っていると、気づけば夕食の時間帯になっており、それぞれ休息を取っていたリンたちと共に食事をとった後、二人で執務室へと移動して残りの打ち合わせを片付けた。


それにしてもたかが十数時間仕事しただけで若干疲れが出るとは、やはりいささかこの体は不便だ。


窓に寄りかかり薬煙を吸っているが、もはやこの格好に慣れたのかウルは特に何も言わず書類のチェックをしていく。


そもそもなぜ誰も彼も俺が薬煙を吸っていると驚くんだ?と若干緑がかった煙を吐きながらウルを見る。


こういった事務仕事は文官や宰相がすべきことで一国の王子がやるべきことではないが、周りが信用できない今はメイの婚約者であり、まだはっきりと特定していない敵に対する戦力の俺を排除されないために直々にこういった仕事をしてくれる。


王座は義兄さんに譲って自分はスキル研究に没頭するために「冒険者ギルド本部統括長」という冒険者ギルドのトップに着きたいらしく、将来の事を考えてこういった作業も以前から行っているそうだが、状況的に公言せず仕事もできず、次期国王になるための動き回るフリをしているためどうやら久しぶりの仕事で楽しいらしい。



「ふぅ、これで全ての書類の確認は済んだ。問題ない」


「それはよかった。しかし警備強化は普段の2倍の人員投入と正直無茶を承知で申請したが王城の警備は大丈夫か?」


「そちらも問題ない。スラム街での騒ぎで闇ギルドが妙に静かになり不気味なのでな、黒猫亭の毒物事件のこともあるのでもともと増やす予定ではあった」


「そこで俺が申請を出したから即時投入可能になったか」


「助かったぞ。それから王城の警備についてだな、それについて話があったのだが思いのほかこのような時間まで延びてしまった」



ウルは先ほどまでと違い眉をへの字に歪め、天井を仰ぎ見ると吐き出すように嫌な報告を告げた。



「兄上が4日前の明朝、紅蓮の迷宮攻略の為に派閥貴族たちと1個中隊を連れて出立した。ご丁寧に情報を遮断し父上すら出立後に知ったそうだ」


「陛下が知らなかったのは問題じゃないか。下手したら国家反逆になる。ところで陛下はどうやって出立を知ったんだ?」


「昼の騎士団の訓練視察時に宰相に伝えられたそうだ。本人曰く事前に知らせたそうだが、そもそも許可をおろすわけがないのだから実際は報告があったとの記録は無い」


「次期国王候補の一人に危険なことをさせるわけがないからな。大方このままだとお前に負けるんじゃないかと功を焦ったんだろう」


「操っている者が、な。その結果減った兵をそこまで帝都から出すわけにもいかぬ、ギリギリまで人数を絞り編成した一個小隊を追わせた」


「危険貴族が減ったから王城の守りが減っても問題ないというわけか?悪いが警備人数強化の話は無しだ、冒険者と傭兵ギルドへ依頼を出して賄ってくれ」


「なぜだ?不本意な状況になったとはいえ、危険は減ったのだぞ?」



こいつは・・・なんでこんなにお気楽なんだよ。


危機管理というべきか防衛する側の考えが足りなさ過ぎるだろ。



「黒幕が義兄さんについていったとは限らないし、そもそも組織だった企みかもしれないんだ。今ここで更に王城の警備が減るのは恰好の的だ」


「・・・複数犯の可能性を忘れていた、後で書類の修正とクエスト発注をしておこう。とにかく言いたいことは一つだ、おそらく向こうで兄上たちと鉢合わせになるだろう。どのような妨害や罠があるかはわからない、十分に気をつけろ」


「罠を張る前に3層以降にもたどり付けそうにないと思うが、リンたちに伝えておく」



迷宮攻略に義兄さんの保護か、やることが増えたな。


義兄さんを含めて貴族たちではどうせ戦闘力は期待できないからほぼ騎士団任せになっていることを考えてポーション等の回復薬の増備をしなければならんか。


明日出発だと言うのになぜ土壇場で慌ただしくしなければならないんだよ。



「今から作ると睡眠時間が削られるな。アマナさんに頼んでいくつかまわしてもらえるよう頼むか」


「それならばわたしにお任せください」


「・・・・だからお前は、勝手に部屋に入って来るな!ちゃんとドアから見えるように入ってこい!」



なぜ下界に降りてもオンブルにビクビクしなければならないんだ。


思い返せば神界でもなんど牢屋にぶち込もうが翌日にはいつの間にか職場で仕事をしているような奴ではあったが、いまだになぜ拘束も結界も効かないのかはわからずじまいだ。


封師たち全体の活動目標も第一が俺の降臨用の封印術の開発で、第二にオンブルを拘束することだったからな。


牢屋から抜け出すたびに封師たちはくやしがっていたなぁ。



「もちろんドアから入ってきましたよ?音も出さず、気配も出さず、姿も消して」


「ドアから入る意味ないだろう!」


「・・・・レイ、彼女を《織部蜘蛛》の特別顧問として雇わせてもらえないか?この隠密性は是非欲しい」


「やめておけ、絶対に手綱を握れない」



そもそもこいつは無理やり俺から離されることに全力で抵抗するだろう。


別に自慢とか自惚れではなく、少しは物理的にも精神的にも離れて欲しい。


ふと気を抜くといつの間にか横にいるようなこの状態は俺の平穏のためにも大変好ましくない。



「えぇ、ウルスラ殿下とはいえどわたしは我が主様以外からの命令は受け付けません、そもそもわたしと我が主様との繋がりはわたしが生まれてきた時からすでに宿命とされており‥‥…」


「わかった!もういいからアマナさんのところへ行って調達してきてくれ!」


「まだ始まったばかりですが・・・・わかりました」



今度は普通にドアから出て行った。


最初からそうしてくれよ。



「ははは、賢者でもあのエルフには振り回されているか。メイの奴も帰ってくると大変だな」


「言うなよ・・・・メイトラ姫殿下は良くも悪くも一途だから必ず揉める」



なんで出発前夜にこんなに疲れなければならないんだか。


レイヌ 「ところで、なぜ全員俺がこれ(薬煙)を吸うと驚いたんだ?」

ウル  「それはそうだろう。見た目からして意外、年齢とて・・・・」

レイヌ 「俺は成人だ!」


※この世界では15歳で成人です

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