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創造主長様のお仕事  作者: 己龍
第2章 子供+仲間+迷宮=???
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11話 使用者が未来を決める

本日はポイント2倍デーで2話更新です。


みんなのお母さんや奥さんには内緒だよ?

作者とみんなとの約束だ!


屋敷にあった魔導レンジとユリアちゃんに渡した魔導レンジは仕組みは同じだが魔法陣により発動する魔法は別物だった。

その理由はオリジナルの方は使い方を誤れば大惨事になってしまうのではたして教えてもよいのだろうか、広めてもよいのだろうか判断に困ったからだ。

俺はこの帝都に住んでいる住人しか人柄は知らないしどの世界にもよからぬことを考える生物はいる。

そうなると少しでも事情を知っている者はいた方がいいだろうと思い、目の前で黙り込んだ俺の機嫌を損ねたかもと心配そうにしているユリアちゃんへ思い切って伝えた。


「・・・・・・そうだな。双方の魔法陣は別物だが、それについて説明するには慎重を要する。ユリアちゃん、これから言う内容をむやみに他言しないと誓ってくれるか?」


そう頼むとユリアちゃんはこれから話すことは重要なことだと理解してくれたらしく、姿勢を正し頷いてくれたので防音障壁を張って解説をした。

実はオリジナルの魔法陣は発熱させる効果ではなく振動を与える効果があり、魔道レンジの中にある食べ物に含まれる水分を動かして温める原理だ。

〝原初の世界″では一般的な知識で魔法として表現できるかと思いやってみたらできてしまった。

この魔法陣に四方を囲まれることにより短時間で芯まで温めることができると説明すると「すごい発見よ!」と喜び、「けどなんで内緒なの?」と聞いてきたのでここで重大な問題点を伝えた。

この魔法陣を悪用すれば大量殺戮兵器が1つ生まれる。

都市一つを覆うものを用意し使用すればそこの住民は何が起きたのかもわからず何の抵抗もできないまま身体中の水分を沸騰させて苦しみながら死ぬだろう。

この兵器の怖い所は知覚できない攻撃でとっさの判断ができず、気づいた時には手遅れになるので殺傷率がかなり高いことだ。

話し終えるとユリアちゃんは青ざめた顔で提供用の魔導レンジを見つめた。

オリジナルと同じ大きさなのでおそらくこの小さな魔道具(魔具?)が原因で起きるであろう残酷な未来を具体的に想像してしまったのだろう。

だがこれでもまだマシな技術転用で、〝機械の世界″には廃棄物の処理に原子を激しく動かして融解させるという技術などがあり、これでも安全な方を選んだつもりなのだ。


「なるほどね、これは確かに広められないわ。おそらくそのブンシだとかゲンシだとかは、わたしには難しすぎる話でいまいち理解できないけど解明されて実用されるのはずっと先の出来事だろうから少しは安心したわ」


入れ直した暖かい赤茶を一口飲んで少しは落ち着いたようだが、それでも手の震えは治まらなくカップがカチャカチャと揺れていた。


「いや、この原理はそのうち広げるつもりだ。もちろん注意して動き、危険性は十分伝えるし、信用できる人物達に先に話して抑止力を確保してからだがな。おめでとう、ユリアちゃんはその第一号だ」


まさか今の会話だけで自分が重大な任務を任されたことに彼は驚いたがクスリとほほ笑むと「光栄だわ」と右手を差し出したのでこちらも握り返し固い握手を交わした。

まだ少し手が震えていたが顔色は戻りつつあったので雰囲気を変えるため改めて魔導レンジについて会話を再開した。


「それにしてもすごいわ。この技術もすごいけどこの魔石って純度最低の屑魔石でしょ?いままで処理に困るだけの物だったけどこれならいくらでも利用法があるわね」

「そうだな。だがやはり高純度の魔石の方が便利だからこっちは一般用になるな」


低ランクの魔物からでる魔石はいままで使い道がなく持ち込んでもタダ同然に扱われてり、死の大行進(デスパレード)終了時には山のような最低純度の魔石に持ち込まれた冒険者ギルドは頭を抱えていた。

どうやって処分しているかはわからないが少しでも値段が付けば低ランク冒険者の懐も潤い、結果的にこの世界の生活水準が上がり死亡率も下がるだろう。

問題はこの屑魔石に値段を付けてくれるかどうかだ。

この技術だけではギルドを説得するには足りず、個人で取引してくれと却下されるだろうな。

本来魔物の素材や魔石は冒険者ギルドで売却する決まりだが屑魔石についてはむしろ感謝されるかもしれない。

冒険者の混乱を避けるためになるべく買取価格は統一してくれた方がありがたいから、なんとかギルド単位で取引できるようになにか他に理由を見つけなければな。

とりあえず勝手に取引させないためにユリアちゃんには問題解決までこの新技術に没頭することを禁止にさせた。

もちろん駄々をこねたが価格統一について説明するとしぶしぶ了承してくれた。

まぁ今までの魔石でも作れるし回路を刻む練習期間だとでも思って欲しい。

解決案を考えておくと伝えしばらくドワーフの女性と3人でお茶会をしたあと図書館へ向かうため店を後にした。

ちなみに魔石と魔法陣の結合技術を使った道具は「魔技具」と名付けられた。













城下町ではいつのまにか昼が過ぎていたこともあり、どこのカフェも混み入っている光景が繰り広げられていた。

先ほど茶菓子にケーキを食べたのでお腹も適度に膨れているので冷水を買って皮袋に入れてもらい飲みながら歩いていた。

というかすごく飲みづらいから今夜水筒でも作るか。

今夜の予定を歩きながら決めていると道の端をフードを被り顔を隠した怪しい男がコソコソと移動をしていた。

念の為にステータスを確認し、正体がわかると気配を殺しながら背後に回り人通りが少なくなるまでついていった。

職人が住む場所、通称[職人街]まで戻ってくるとここでようやく男に声をかけた。


陛下(・・)、なにをしてるんですか?」


突然の声に飛び上がったお義父さん(予定)はゆっくりとこちらを振り返った。


「れ、レイヌ!?なぜこの場所がわかった!?」

「それはこっちのセリフです。一国の主がコソコソと何してるんですか」


陛下はダラダラと汗をかきと逃走のしようとしていたので先回りをして退路を断ってから会話を続けた。


「これは・・・その・・・・そう!街の様子を見ておったのだ!やはり伝え聞くより実際に見た方が良いからな!」

「なるほど。百聞は一見にしかずと異国の言葉もありますからね。しかし護衛も付けずにとは些か無防備にもほどがあるのでは?」

「い、いや・・・・・仰々しいと普段の様子を見れぬからな・・・・。」


どこからどうみても嘘なのでとりあえず同行すると提案していると城の騎士と衛兵たちが反対側からこちらを見つけると慌ただしく走ってきた。


「れ、レイヌ様!王を捕まえてください!」


騎士の一人が叫ぶと陛下は一目散に逃げようとしたので足元を空間魔法で固定した。


「む!?レイヌ、我が義息子よ!後生だ、見逃してくれ!」


必死に動こうとしているが一向に進まない自らの足を両手を使い引っ張る陛下を冷めた目で見ながら騎士達が集まるのを待った。


「ハァ、ハァ、ハァ、レイヌ様、協力、ありがとう、ございます」

「かまわないがこの騒ぎはなんだ?」


すると今度は文官貴族たちも集まりだして周囲にいた人たちは何事かと騒ぎだし、この場に陛下がいると分かると騒然としだした。

慣れないこと(肉体労働)をした文官貴族たちは息を切らしながら陛下を取り囲み、逃げる隙も与えないようにしていると、そのうちの一人がこちらへやってきた。


「ご、ご協力・・・・あり、ありがとう・・・・」

「わかったから息を整えろ」


先ほど買った冷水を渡すと勢いよくすべて飲み干してブハァー!と一気に息を吐いた。

どうやら相当の間走り回っていたようだ。


「す、すみません。全て飲んでしまいました・・・・」

「いや、気にしなくていい。とりあえず説明を頼む」


文官貴族はハッとした後呆れ顔で事の顛末を語った。

どうやら現在王城では仕事中の陛下が急に消えて大騒ぎだそうだ。

執務室の扉の外では騎士が守って(監視して)おり、窓付近にも見回りがいるにもかかわらず消えた陛下に現場が混乱していると侍女の一人が机の下に脱出口を見つけ使用した痕跡があることからまた(・・)仕事に飽きて逃走したとわかり、城の全兵力を投入して捕縛するため探し回っていたそうだ。

ここで最近話題のベリアルに武器を作って欲しいと常日頃ボヤいていたこともありこの場を中心に捜索していて今ようやく見つけたということだ。


「まったく、王にも・・・あ、違った。陛下にも困ったものです。一体何度逃走すれば気が済むのでしょう」


疲れ果てた文官貴族の後方では騎士たちに簀巻き状態で担がれた陛下が「我は諦めんぞー!」と暴れており、こいつが皇帝やってて大丈夫かとこの国の将来が心配になった。


「新しい脱出口も見つかるし、また見張りを増やさなければなりません。そろそろ人員に余裕がなくなってきましたよ・・・・・」


あのおっさん、そんなに毎度逃げてるのかよ。

脱出口ともなれば緊急時に使用できるように封鎖することができないから見張りをたてるしかないのはわかるが、王城務めの者たちが不憫でしかたない。

今日の予定を変更して王城の脱出口を全て緊急時以外開かないようにしようかと提案すると是非に!と即答されたので工具を屋敷まで取りに行き王城へと向かった。









脱出口封鎖作業中、陛下は俺の後ろで文官貴族たちに羽交い絞めにされ、「頼む!止めてくれー!」と泣きながら最後の抵抗を続けていた。

そんな姿を晒すまで仕事をしたくないのか・・・・・・。


皇帝陛下 「くっ!我に仕事をさせても第二第三の我が必ず・・・・・」

宰相 「いいから今日中に溜まった書類の確認をお願いいたします。こちらとしても仕事が進みませんので」

皇帝陛下 「ぐぬぬぅぅぅぅ・・・」


その後翌朝まで各騎士団長と宰相、国務経済大臣ら重役による監視のもと、休みなく皇帝は仕事を続けたそうな。


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