22話 神の家族
本日は2本更新です
「それではレイヌ様、今後とも我々をよろしくお願いします。」
助けた彼らをわが家へ招きこれからどうするのか聞いたところ全員城へ帰るのが怖いらしくこの家に仕えると言ってきた。
義兄さんのことは王とウル、メイしか事情を知らないのでしょうがないとは思う。
事件が解決したらもう一度どうしたいか聞いて自由にさせようと思う。
え?闇ギルドとの戦いはどうなったか?
特に語ることはないので省略だ。
だって本当に言うことがないんだからしょうがない。
というかあれは戦いではなくほぼ蹂躙だった、リンが途中こけて壁に頭をぶつけたくらいしか怪我はなかったしな。
一応全員殺さずに無力化して衛兵につきだしておいたから幾分か闇ギルドには打撃を与えただろう。
あの状況から言って義兄さんを操っていたやつが裏で糸を引いているだろうからそのあぶり出しもできるだろう。
王も自分の息子を害されたからかなり頭に来てるらしく、今も各方面へ指示を飛ばしているらしい。
「レイヌ様、どうなされましたか?」
「どこかご気分がすぐれないのですか?」
考え事をしていて無反応になり、メイとリンが心配そうにしていた。
いかんな、一度考え出すとまわりが見えなくなる。
俺の悪いところの一つだな。
「それでは我々はメイトラ様にご指示をいただき、さっそく仕事の方に移させていただきます。レイヌ様も何なりとお申し付けくださいませ。」
「わかった。だがあまり畏まらないでくれ、使用人とはいっても俺はそういうのはあまり好きじゃないからな。そうだな‥…家族、かな。ラミスはメイの世話係だったからな‥…俺たちの爺ちゃんって感じかな。ほかのみんなも親戚とか兄や姉ってところかな。」
皆驚いているが、じつは俺家族っていうのに憧れてたんだよね。
俺みたいな初期の神は自然発生したみたいに気づいたらそこにいたから親がいないんだよな。
後から生まれたやつらもある意味弟や妹といってもいい存在なんだけど俺のほうが圧倒的に力が上だから一歩引いているようで部下って感じなんだよなぁ。
「レイヌ様、なんとも勿体なきお言葉。立場上表だっては我々は家族とは公言できません。ですがせめてこの屋敷内だけでは家族としてお世話の方をさせていただきます。みなもそれでよいか?」
ラミスがそう言うと他の者も頭を下げて了解の意を表した。
これじゃぁ家族じゃないだろとも思ったが顔を上げるとテレたり微笑を浮かべたりと皆前向きに考えてくれているみたいだ。
「まさかこうしてメイトラ様にもう一度お仕えさせていただけるだけでなく、私のことを家族と‥‥‥爺は‥‥爺は‥…もうここで果てても悔いはございませんんんんんん!!!!」
はぁ、またラミスが泣き出した。
それほど今までの生活はつらいものだったのか、それとも単にただ涙もろいだけなのか。
メイに宥められてひとしきり泣いた後、テキパキと指示を飛ばしてまさに完璧執事といったように仕事をしていった。
渋そうな顔と貫禄が相まってかっこよく見える。
神界では歳を取らないからこれにも憧れるんだよな。
今は人になっている、そのうち俺も歳をとることができるからあんな風になりたいものだ。
ただチラチラさっきの泣き顔を思い出してしまいなんとも締まらないんだよなぁ。
数日後、ある程度家の中も様になってきたから一緒に戦場に立った5人を招いてみた。
皆外観を見て驚き、内部をみて2度驚いたのでメイのセンスはかなりのものだと改めて感心した。
特に盗られて困るものもないしこいつらを信用しているから自由に見て回るように言ったら走ってそこらじゅうを見てまわっていた。
ディランとダリエラは家具や調度品をみて感嘆をあげ、ゴウとレイティアは庭の広さに驚き「これなら様々な鍛錬に使えるのである!」と騒ぎ、ユリアちゃん(「ちゃん」と付けてくれと本人に言われた)はキッチンや風呂場などの魔道具を見に行った。
メイとリンはそれぞれ一緒についていき説明をしている。
俺は特にやることもないからリビングでメイド長の淹れてくれた赤茶というお茶をいただいている。
いや、別に寂しくねぇから!好きで一人で茶を飲んでるんだよ!‥…あぁ、赤茶ってしょっぱい味がするのか、勉強になるな。
「ちょ、ちょっとレイヌちゃん!あの魔道具はなんなの!?あんな性能の物はみたことないわよ!?」
しょっぱいクッキーをもそもそと食べているとユリアちゃんが扉が壊れそうな勢いで飛び込んできて俺の頭を激しくシェイクした。
「ああああああれれえええええはああああ。」
「ふざけていないでちゃんと教えて!」
「じゃああああ揺さぶるなああああ!」
頭に鉄拳を与えて落ち着かせた後俺の作った魔道具の説明と実演を目の前でやってやった。
家の改装中にちょこっと作ったものだがこの世界の技術を大きく飛び越えてつくったのである意味この家自体がかなりの価値になってしまった。
ちなみに作ったものは冷蔵庫やレンジ、コンロなど‘’原初の世界‘’のもので、技術は‘’機械の世界‘’のものを使った。
その結果ほんのわずかな魔力で十分動くとんでも魔道具が生まれてしまったがまったく後悔はしていない。
「すごいわこれ‥…魔道具界の革命よ!それにこれなら応用もたくさんありそうだし。お願いよレイヌちゃん!いくつか譲ってちょうだい!」
「別にかまわないけど、そのうち技術提供をしにいこうと思ってたからあまり意味が「本当なの!?」ちょっ近い!近いよユリアちゃん!顔怖いっ!」
騒ぐユリアちゃんを踏み倒していると見学から帰った皆に宥められた。
いや、別に怒ってないししっかり手加減してるからあわてなくても‥…。
その夜話題の魔道具を使った弟子(うちのコック長)が作った夕食を食べていき、自家製のプルの実を使った果実酒を樽2つ分飲み干して帰っていった。
このプルの実はこの世界
の物ではなく‘’食の世界‘’から《異世界マーケット》で入手したものだ。
見た目は梅に似ているが味はとても甘く、食後のデザートに出してみたら皆我先にと食べていた。
《異世界マーケット》は様々な世界から対価無しであらゆるものを取り寄せることができ、大変便利だが神界のものまで取り寄せられるのはあきれてしまった。
俺は神界にいた頃の愛用品《薬煙》っようは自作の煙草を吸いながら書斎でリンと今後の計画を練ってみた。
薬煙は主に果実の葉を乾燥させて作ったから部屋には甘い匂いが漂っていた。
そこへメイが夜食を持ってやってきたので風魔法で換気をしようとしたら止められた。
「お気遣いありがとうございます。ですがメイはこの香り嫌いではありません。これはお香ですか?」
「いや、これだ。」
「それは煙草ですか?しかしこのような良い香りではなかったと思うのですが。」
「これは俺が自作した《薬煙》というものだ。主に果実の葉を使っているから吸い込んでも害はないぞ。むしろ薬草も使っているから吸えば体力の回復もできる。」
メイはなるほどと納得したあとなぜか申し訳なさそうに頭を下げた。
どうやらそろそろ学園へと戻らなければならないそうだ。今は長期休暇で国へ帰ってきているらしく、あと1週間ほどで帰るそうだ。
あと数か月で今の学園を卒業し、そのあとは上級科へと進学するので当分会えなくなると寂しそうにしていた。
学園のあるイビルアル国には王立図書館があり、あらゆる知識がそこに集められているらしいので近々向かう予定だったからそのことを伝えるとうれしそうに飛び跳ねていた。
寝室へ向かうとメイが「レイヌ様成分を貯めなくては!」と一緒に寝ると言ってきたので二人でベットに横になった。
もちろん彼女はまだ勉学に励む年齢のためやましいことは一切せず抱きしめあって目を閉じた。
翌日冒険者ギルドへ向かい金と銀ランクの依頼を受付へと持って行った。
「おうレイヌ様、迷宮に行くんじゃないのか?王から直々に依頼されただろ?」
「やめてくれバリス。お前から様をつけられると鳥肌が立つ。」
「安心しろ、わざとだ。今まで散々驚かされた仕返しだ。」
「そうかい‥‥この依頼はリンの為だ。今のレベルじゃ俺のペースについてこれないみたいだからな。とりあえず依頼をこなしながら鍛えるつもりだ。」
「ありがとうございますレイヌ様。」
「これかなり危険な依頼なんだが‥…お前にとっちゃ片手間なんだな‥‥。まぁ気を付けて行けよ。‘’賢者‘’」
そう、水晶ランクへ上がったと同時に俺に‘’賢者‘’という二つ名が付いた。
二つ名はその人物をイメージした名を王が授けるらしい。
冒険者同士でのあだ名もあるが公式の二つ名はこの国で決められるらしい。
「わかったが、あの写真どうにかなんないか?派手だろ。」
頭上に俺の写真と『最速水晶 ‘’賢者‘’レイヌ』というプレートが掲げられているが正直飾り付けがすごすぎて過剰装飾だ。
無駄だと分かっているが一応抗議してみると他のギルド員だけでなくその場にいた冒険者たち全員+(プラス)リンからそれは無理だと声をそろえて言われた。
「わかったよ、言ってみただけだ。じゃぁそろそろ行くかリン。」
「はい、お供します!」
「「「「「いってらっしゃい」」」」」
盛大に見送られながら俺は二人へ街外へと向かった。
さて、世界を救う為にがんばるか。
ありがとうございました
これで1章は終了です
次の章からは話数が長くなるのでご了承ください
では2本目をどうぞ




