20話 忍び寄る影
新しい家を見に来たのに父親と義兄が同伴ってこれなんの拷問だよ。
この二人は構うとつけあがるからもう突っ込むのは止めにしよう。
一人諦めているが、メイはそうとう怒っているらしく激闘をくり広げていた。
「メイっそこまでにしておきな。そろそろ家を見に行こう。」
「レイヌ様がそういうなら・・・・お父様もお兄様もおとなしくついてきてくださいね。」
ひと悶着あったがやっとのことで家の中に入っていった。
一通り見たが一階は大広間にリビング、厨房、トイレ、談話室などがあり、二階と合わせて21も部屋があった。
なかなかに広い家だがリンとメイと俺の三人じゃ部屋が無駄になるな。
お邪魔の二人はリビングで酒盛りしていたが早く帰ってくれないかな。
「立派な家ですね。部屋も十分ありますし、あとは家具と使用人だけですね。」
あぁ、部屋が多いのは使用人の為か。だがどうやって集めるのかな?
町で張り紙募集でもするのかな。
そこにほろ酔いになったウルがやってきたが正直ただでさえめんどくさい奴が酔ってるんだ、関わりたくない。
「む、レイはそこでなにしてるのだ?家の中をはもう見なくていいのか?」
一足遅く話しかけられてしまった。
「もう終わったよ。あとは家具と使用人をどう集めようか悩んでるところだ。」
「家具は我のお気に入りの店を紹介しよう。使用人については‥…スラム街へ行ってきてほしい。」
なぜスラム街へ行くと使用人が見つかるんだろう。
ふとメイをみるとなぜか申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
ウルに説明を求めたいがこいつもなんともいえない表情をしていた。
一体なんだっていうんだよ。
「スラム街には優秀な人材がいる。もと王宮に勤めていたものがな。」
「なんで王宮にいたやつらがスラムの住人になってるんだよ。なにかしたのか?」
「違う!彼らは十分に勤めてくれた!悪いのは‥…兄上だ。」
あのお兄さんのせい?
なにがあったのか聞いてみるとウルとメイがとぎれとぎれに教えてくれた。
なんでもあの人は優秀な人がいたらそれが専属の者であろうと無理やり自分のそばに置いては癇癪でスラム街へ捨てるそうだ。
なんども助けに行ったそうだがそのたびに邪魔が入り現在まで一人も救い出せていないそうだ。
捨てられた人の中には他のウルとメイが世話になった人もいるらしい。
「そういうことなら任せてくれ。だがいいのか?そんなに大切な人ならお前たちのそばに‥‥‥あぁ、無理か。」
「そうだ。もし呼び戻したら兄上がまた邪魔をしにきてさらっていくだろう。ならレイに雇ってもらったほうが安心だ。だから頼む、彼らを救ってくれ!」
「メイからもお願いします!」
お願いされなくてもこっちから動くと言うと二人は安堵して手を取り喜び合った。
しかしあのお兄さんそんなことしてたのか。
お説教して矯正してみようかと思ったが生来の性格であるならおそらく無理であろう。
今までの経験や生き方でそうなったのなら周りが何と言おうが考えを改めることはないだろう。
そんなやり取りをしているとまためんどくさいやつ(ほろ酔いの王)がやってきて絡んできた。
とりあえずさっきまでの会話と結論を話すと申し訳なさそうにしていた。
「あやつも前までは立派な男であったのにのう。残念なことだ。」
どうやらこんな横暴な性格になったのはここ数年らしい。
ウルやメイに聞いてみても前は民を想う尊敬できる人物だったそうだ。
いつ頃かだんだんと横暴になっていき最初の頃は戸惑ったらしいが今では慣れてしまいもはや諦めているらしい。
こういうときは何らか本人にとって生き方を変える事件や出来事があるのだがどうやらこころあたりがないらしい。
王も同じように考え諜報部隊にお兄さんの周辺を調べたらしいが変わったことはなかったらしい。
これはなにかあると思い本人を鑑定させてほしいと頼むと是非にと三人から頼まれ屋敷のことはリンとメイにまかせたあと王城へと向かった。
「なぜ貴様のようなやつと話さなければならぬ!とっとと出ていけ!」
「そういうなランバ、新しい義弟にあいさつしてはどうだ?」
「たとえ父上の言葉であろうとお断りします!下賤な冒険者風情が私の時間を無駄にさせるな!」
怒ったお兄さん‥‥いや、義兄さんに部屋を追い出されてしまった。
ほんのわずかな時間だったが鑑定するには十分だった。
なんとか義兄さんをなだめて部屋から出てきた王とウルが早速結果を聞きに来た。
「簡潔に言うけど‥‥操られてるな。重度の精神汚染と精神操作がされてる。」
二人はおどろいてすぐに治してくれと頼んできたが断った。
申し訳ないと思ったがこちらにも考えがある。
王族を操っているとなると相手はなにか大きなことを企んでいるだろう。
ここで義兄さんを治療すると他の王族やその周辺の人物、最悪の場合王が操られる可能性があり、そうなったら簡単には治療させてもらえないだろう。
今は本人を放置してこっそりと周辺調査をし、黒幕を潰してから治療したほうがいいだろう。
そのことを伝えると納得してもらいすぐに調べさせると王とウルは急いでこの場を去った。
残った俺はしばらくは出番がないので身の回りのことをしようと王城を後にした。
屋敷に戻るとはやくも家具が数点運び込まれているところだった。
なんとも仕事がはやいねぇ。
「レイヌ様、おかえりなさいませ!」
しばらく作業を眺めているとエプロン姿のリンがこちらへやってきた。
なんとも笑顔全開でしっぽがあったらちぎれんばかりに振っていそうだ。
軽く会話をして屋敷に入り家具の置場所の指示を出していたメイと作業員達と一緒にお茶を飲んで休憩したあとまた一人見学をしながら家具を数点交換してもらった。
実は交換した家具には魔法と魔道具が仕掛けてあり、どれも洗脳系の仕掛けであったため意匠が気に入らないなどいちゃもんをつけ交換させた。
やれやれ、さっそく邪魔が入って少しイラついたがこれからの生活に期待を膨らましているリンやメイをみているといくぶんか気持ちが晴れた。
空が赤らみ夜がきそうな時刻になると今日の作業はここまでと皆撤収していって三人で夕食を食べた。
まだ使用人がいないので俺が作ったのだがこの世界にはの料理法はなかなか他の世界にも引けをとらないにもかかわらず料理の数が圧倒的に少なく味もなんだか物足りない。
とりあえずこの世界の材料でお好み焼きもどきを作りふるまうと二人とも最初の一口で固まった後すごい勢いで食べ始めた。
食べ方はキレイなんだがとにかく食べるスピードが速い。
一枚一枚を大きめに作ったのに何度もおかわりをしてくるので俺が食べる時間がない。
やっと二人が食べ終わりこっちも食べ始めたがやはり味が物足りない。
なんとか他の世界から物品を手に入れたいと思いながらなんだかんだ10枚も食べてしまった。
二人を寝室へ寝かせた後ルルに念話で先ほどのことを相談してみた。
「そうですか。ならそれらしいスキルをつくって送りますね。」
「あぁ頼む。しかしこの世界は技術が進んでいるのか遅れているのか極端だな。応用がまるでできてない、いやその発想もないのか。」
「そうなんですよねぇ。なんでこうなったのか‥…。」
「‥‥‥お前のせいだろうが。」
そう言うといきなり念話を切られた。
あいつ‥…逃げやがって。戻ったら減給どころじゃ済まさないぞ。
なんて思っているとポーンと音が聞こえ、スキルが送られてきた。
スキル《異世界マーケット》を入手しました
仕事は早いのになんであいつは肝心なところで抜けているのかねぇ。
とりあえずいい時間なのでもう一度ルルへ念話をとばし脅した後床に入った。
最近雨が多いですね
自分も日々の雨にうんざりです
某猫型ロボットの雲とりバ〇ツが欲しいです
・・・・・・〇〇えもーーーーーん!!
help me!!




