16話 大戦の幕開け
おまたせしました~
キィィィィィン、キィィィィィン、キィィィィィン
鉄の匂いがこもる部屋を炉の灯だけが照らし続ける。
この鍛冶場で装備を作り続けて4日、いや5日?が経ったが未だに依頼された装備作りは終わらない。
もう眠いし疲れてきたがあと1日か2日で終わりそうだから休めない。
隣では先ほどまで寝ていたベリアルが元気に鎚を振っていた。俺も休みたいなぁ‥‥
はいっこれで大剣が316本目。
貯蓄していた素材はギリギリ足りそうだがそんなことより気になることがあった。
ベリアルの作るスピードは俺に少し劣るぐらいになっていることだ。
「なぁ、おまえ鍛冶の腕あがってないか?」
「ふん!ふん!あぁっわしもっ不思議にっ思っていたわい。」
不思議どころではない、あきらかに異常だ。試しにステータスを見てみると種族がエルダードワーフに変わっていた。
種族ってそんなに簡単に変わるものか?
原因として思い出すのは鍛冶神の加護だ。ってちょっと待て!まさか俺も変わってるのか!?
慌てて確認するがありがたいことにまだ人族だ。ただでさえ目立ち始めたのにこれ以上目立ってたまるか。
「なぁ、実は俺は相手の能力がわかるんだ。」
「ふん!そうか!だがっ今更っそんなことでっ驚かんよ。」
「でだ、おまえの種族がエルダードワーフってのに変わってるんだ。」
カランッという音が部屋に響いた。
「おい、サボるな「なんだとぉぉぉぉ!」あっぶね!熱した剣を向けるな!」
「エルダードワーフなんて御伽噺にしかいないものだぞ!なぁほんとか!?本当なのか!?」
「落ち着けよ。だからそれを向けるなって熱っ!今顔に当てただろ!」
てっとり早くステータスを見せるとベリアルは膝から崩れ落ちた。そして高々と拳を上げいきなり吠え出した。
「うおぉぉぉぉぉ!わしはついに伝説の種族になったんだぁぁぁぁぁ!」
「うるせえよ!狭い場所で吠えるな!そんな元気があるならとっとと鎚を振るえ!」
興奮冷めやらぬまま作り始めたがさっきよりスピードが上がってる!?しかも性能まで上がり始めぞ!?だがこの調子なら早く終わりそうだ。317本目の剣を打ち終わると次は防具作りへと移った。
「あ~空気ってこんなにうまいのか。」
鍛冶場から久しぶりに出ると大きく息を吸い込んでそっと呟いてみた。
感覚では5,6日ほど籠っていたと思うが、出撃まで残り僅かな時間しか残ってない。俺も準備するために図書館へと向かった。
もちろんスキルを手に入れるためだが、司書さんにはこんなときにという顔をされた。
だが一般の戦闘向け本は読破してしまったから初になる禁書庫へと許可書を見せて入室した。
脳内地図で見るといくつもの区画に分かれておりそれぞれ禁書のレベルに分けられていた。
貰った許可証はレベル9でほとんどのものが読めるらしいが、こんなものをぽっとでの男に出せてしまえるのは懐のでかい王なのか、ただの親バカなのか悩むところだ。
案内役の司書さんに一応残された時間を聞いてみた。
「悪いけど出撃日っていつか知ってるか?あと何日か教えてくれ。」
「えぇ知っていますよ。明日の8時ですがなぜ知らないのですか?」
はぁ!?明日!?
俺の感覚はだいぶ狂っているらしく予想を大幅に裏切った時間しか残っていなかった。こうしちゃいられない!俺は特別に明日の朝までの入館許可をもらい魔導書と戦闘本を高速で読み漁った。結果は上々で見事雷・氷・空の魔法スキルと各種武器スキルそれぞれAを手に入れた。
門の前まに集合した後4時間かけポイントに集結しバリスの指示と王のもと陣形を組んだ。
そう、なぜか王と女王、それからウルたち4人も戦場に来ていた。
俺は隣に立つウルに周りには聞こえないよう話しかけた。
「なんで王族のおまえらがここにいんだよ。」
「なにをいう。民を守っての王族だろうが。我らが前に出ずにどうする。」
「じゃぁなんでおまえと兄さんがこんな最前列にいるんだよ。他のやつみたいに後方で待機しててくれれば正直ありがたいんだが。」
「しょうがなかろう。兄上が反対を押し切って先頭に立つと言ったのだ。我はお目付け役だ。」
あぁ大方自分が活躍して支持を得たいんだろうが邪魔だな。この場にいる誰よりもレベル低いし、もっと己の身をわきまえた振る舞いをしてもらいたいな。
陣形は三角形の頂点に俺たちがいる形で、ようは俺らが強い魔物を倒して低ランクを後ろで狩るということだ。ちなみに他の王族は後方にいるんだが女王はじめてみた。まさに仕事ができる系の女性でレベルもなんでこの人女王やってんの?と思うほどの高レベルだ。この兄さんより女王がここにいてほしい、と思いながら周りの9人を見る。会議室にいたメンバーと王子たち、そして謎のムキムキな角刈りおっさん。このおっさんドレスみたいな防具だしなんか化粧してるからなんとなく近寄りたくなくて話かけなかったが向こうから近寄ってきた。
「あ~らいい男!わたしユリアっていうの。魔道具のお店開いてるからこの戦いが終わったらぜひきてね☆」
バチンッとウィンクしてきてかすかに薔薇のような香りが漂ってきた。
絶対いかないぞ!たとえ魔工技師S持ってろうがそっち系の店に決まってる!
できれば顔見知りになりたくないがこの場にふさわしいレベルとスキルを持っているから逃げられない!
「しかしおせぇなリーシアさん。もうすぐ交戦にはいるぜ?」
「たしかにねぇ。これじゃぁ序盤はあたいたちの活躍にまかされるよ。」
どうやら水晶ランクはまだ到着していないようで後方連中もザワザワとしているがこれじゃぁ指揮にかかわるぞと思っていると馬に乗ってきた城の騎士がやってきた。
「報告します!ただいまリーシア様が魔物行進に遭遇し戦闘中との報告がきました!」
これをきいたやつらは騒ぎはじめ逃げ出すやつも出始めた。ウルの兄も騎士の馬を奪いさっさと逃げた。
バリスも王も必死にどうにかしようとしているがもう収拾がつかない。しかたない、少しでしゃばらせてもらうか。
「落ち着け!!!」
威圧スキルを使い全員に聞こえるように叫んだ。
「今更騒いで何になる?俺たちはこの場所にいるんだ!」
ざわめきがかなり収まってきたところで止めだ。
「お前らにも帝都には大切なやつがいるだろう!俺たちはみんなの命を預かってここにいるんだ!俺たちはプロだ!生きて帰ってそして‥…英雄になるぞ!」
混乱は歓声に変わりあちこちからやってやる、みてろよという声が聞こえだした。
「やれやれ、役目を取られたな。これでは我の立場がないぞ。」
「ならあとは任せる。がんばってくれよ?」
ウルはまかせると親指をたててキラキラしていた。
「そのオーラはあとにとっておけ。‥…きたぞ。」
俺の言葉にみな正面をみると、そこには黒い海が広がっていた。魔物で出来たその光景は着実にこちらへ近づいてくるが、あきらかに1万なんて数じゃねえない。
2万、3万はいるな。
周りが再び混乱に落ちたからもう一度喝をいれた。
「ビビるな!魔物を狩れ!狩って狩ってそして・・・・王からの報酬と討伐料で大金持ちだ!!」
しばしの沈黙のあと大爆笑がおきた。後ろで王も笑って宣言してくれた。
「レイヌ殿のいう通りだ!褒美はたっぷり出す!いくらでも狩ってくるのだ!」
冒険者も騎士たちも色めき立ちさっきまでの不安はもはやこの場にふさわしくないものとなっていた。
「父上にもレイにもかなわないな。あとでコツでも教えてくれ。」
「なんでも教えてやるさ。さぁ剣をとれ!拳をあげろ!目の前の金づるを狩りつくせ!」
こちらと魔物の雄たけびで空気が震える中ついに戦いが始まった
配信遅れて申し訳ないです!
ですがもうすぐ仕事関係は落ち着きそうです。
今しばらくおまちくださいm(__)m




