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創造主長様のお仕事  作者: 己龍
第3章 貴族+家族+愛情=???
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21話 いてもいなくても迷惑である

ちょっと遅れました(/ω\)

「どうしたんだよレイヌさん」


「‥…どこかでバカがバカをやっている気がする」


「はぁ?」


ふいに来た嫌な予感に上を見上げる俺を、不審そうにディーは眉をひそめる。



「そんなことよりこれからどうすんだ?レイヌさんのスキルでここの構造は分かるとしてこんな狭いとこじゃ闘いたくねぇよ?」



枯れた水路が殆どを占め、挟むように管理用と思わしる人が通れる通路は二人並べば窮屈だ。


そもそも俺たちがいるのは元地下水路、既に使われていない場所とはいえ初めからこのような大人数で入る場所ではない。



「俺だって無理だ。ちょっと加減を間違えれば崩落するような場所だぞ?」


「旦那様、戦闘は我々使用人一同にお任せください。くれぐれもご自身でお力を振るわぬようお願いいたします」



先頭を歩く俺の後ろで、使用人総勢12人がピシリとした動きで首を縦に振るう。


動きはきれいだが失礼だな。



「わかった。なるべく広い場所を選ぶからいざというときはディー、お前に先陣を切ってもらうかもしれん。頼んだ」


「あいよ、つか俺達どこに向かってるんだ?場所によっちゃ温存しとかなきゃならねぇけど」


「《狂獣》の拠点だ」


「旦那様!?さすがに我々でほぼ闇ギルド本部と言ってもいい場所へ行かれるのは不安が・・・」



向かう予定地を聞き、ラミスは態度をコロリと変えた。


ラミスだけでなく他の使用人とザワザワと慌て始める。


そりゃぁわざわざ地下に降りて敵地の中心へ行こうとは思わないだろう。



「レイヌさん、せっかくあいつらを撒いたんだぜ、このまま帰ってギルド長たちの助け呼んできた方がいいんじゃねぇか?」


「忘れてないか?確かに俺たちは逃げ切ったがここはまだスラムだ。今は予想外な行動をとった俺達を警戒して追ってこないんだろうが、すぐにまた襲われるぞ」


「その前にスラムから離れることは可能では?先ほどから長い時間歩いておりますが同じ場所は通っておりませので、広く広がっていると思われます」


「ラミス、それもダメだ。さっきも言ったがここはスラムだ、ここの地図くらいは向こうも持っているだろう。そもそもバレずに脱出する通路をあいつらが放っておくと思えない」



俺は《脳内地図》で通常の通路から隠し通路まで丸見えだが、肝心の外に繋がる場所には複数の魔力反応があるためおそらく見張りがいる。


俺一人なら闘って無理やり通るんだがな。


話ながらも歩を緩めず進み、チラリと後ろの使用人たちをみる。


一瞬一人一人に鑑定をしたが、やはり襲撃者たちのようにステータスが文字化けして内容がわからない。


何が原因でこうなっているのかはわからないが、考えられるは神器の機能の一つ、《世界の記憶(アカシック・レコード)》が異常をきたしていることか。


《世界の記憶》は世界の誕生から終末まで起きた出来事を全て記録する機能であり、この世界だけでなくステータスがある世界では《世界の記憶》からアクセスしてその能力を見れる。


この分だと人間だけじゃなくて無機・有機物全般が鑑定不可になるかもな。



「はぁ~、結局行くしかねぇってことか。でも襲ってきた奴らでさえ強かったんだぜ?それに最後に出てきたハゲ野郎、あれは俺じゃ勝てねぇ」


「ディラン様、爺にはわかりませんでしたがあの方はそれほど?」


「間違いねぇ。つけてた防具は一級品、持ってたメイスはありふれたもんだけど相当使い込まれてる。あんだけのもん持ってんだ、冒険者で言うと金ランクの真ん中くらいの実力か」


「さすがだが、お前なんで知ってるんだ?」



こいつは地下への先兵として最初に潜っていったはずだが、最後に出てきたあの大男の風貌の詳しさに首を捻る。



「そりゃぁオンブルさんがくれたこの魔技具のおかげだよ。ほら、一見キレイな手鏡だけど、このガラス玉みたいなやつから向こうの景色が見れんだよ。聞いてねぇか?」


「‥…聞いてねぇよ。あいつ、知らない間に面倒なもん作りやがって」


「旦那様、これは」


「わかってる。こんなのが普及すれば除き放題秘密漏れ放題だ。ディー、くれぐれも他には話すなよ」


「わかってるよ!?つかそんなこと、俺は考えねぇからな」



ディーから受け取った魔技具は初見では手鏡と区別がない。


本当扱いに面倒なもんを作ったなと魔技具を返すと、フッとある考えがよぎり自身の服をまさぐり叩く。



「何やってんだレイヌさん?」


「作った奴が奴だ。内緒にしていたことといい、何かしらあるんじゃないかと「———ッカツン」」


「・・・・・あったな。これ俺の持ってるガラス玉に似てるけどまさか」



俺は待ち構えているであろう《狂獣》との戦いに備え、ガッと足を踏みしめ気合を入れた。


足元に何かあったような気がするが気にしない。



「いや、完全にさっきガラス玉っぽいの踏んでたよな。あと床を砕くのは踏みしめるのレベルじゃねぇよ」


「お、オンブル様は相変わらずお茶目な方でございますな。ところで旦那様、《狂獣》の元を目指すとのことでしたが、今向かっている先がそうなのでしょうか?戦うにも撤退するにも旦那様のスキルでわかる範囲の情報が欲しいのですが」


「まぁ慌てるな。今向かっている場所は少し特殊でな、先客はいるが隠し部屋を目指している」


「先客でございますか。危険な者でしたらすぐさま我々の後方へとお下がりください」


「大丈夫だしお前たちも知っているやつだ。そもそもあいつは――――――」

















「やぁ《ドブネズミ》くん!さっきぶりだね」


「なんで隠れ家(ここ)にくんだクソガキーーー!!!」



巧妙に仕掛けが隠された隠し部屋をちゃちゃっと解除し中に入ると、そこにはさきほど交渉していた《ドブネズミ》とその部下であろう3人の男女がなにやら忙しそうに荷造りをしていた。


俺達はそんなことはお構いなしにゾロゾロと部屋へ雪崩れ込む。



「おい小僧…小娘?どっちでもいいや、どこのもんだ!」


「今更偶然来たなんて言い訳はできないわよ?使用人まで連れてきてこんな場所まで・・・無事に帰れると思わない事ね」



獲物を構え今すぐにでも斬りかかろうとする部下2人だったが、すかさず《ドブネズミ》は俺たちの間に飛び込み部下の方をかばった。



「バカが、相手見てケンカ売れ!こいつは化物級の強さ持ってる、一瞬で殺されるぞ!」


「別に好き好んで殺そうとはしねぇよ。あ、ディーは扉閉めてくれ。そこの燭台を下げれば締まるから」


「だからなんで仕掛け知ってんだお前は!?」



それは《脳内地図》と単なる観察のおかげだ。


もはやなにを言っても無駄と悟った《ドブネズミ》は部下に続きを任せて俺たちの相手を嫌々買って出た。



「で、なんでここにいるんだよ。てっきり今頃城へ帰って軍の編成に大忙しだと思ったんだが?」


「その前に《狂獣》に先回りされてな。出口で国民を人質に取られてやむなく後戻り、《狂獣》の部下みたいなやつに襲われながらバラバラに逃げて俺たちがここに来たんだ」


「おい、ここにくんな!とっととどこかいけよ!?」



頭をかかえ激しく振るう《ドブネズミ》は「もう終わった俺…」っと言い残し床へと崩れ落ちていった。



「こぞ・・・こむ・・めんどくせぇ、てめぇはリーダーが言ってた貴族当主のガキだよな?こっちは散々情報を教えてやったのにこの仕打ちか?」


「さっきからなんで疑問形なんだよ。言っておくがむしろ俺たちは感謝されてもいいんだぜ」


「わけわかんねぇよ・・・くそ、てめぇらなんか相手すんじゃなかった」



メソメソと泣きながら落ち込む《ドブネズミ》に近づきとりあえず励ましておく。


この先何が起こるかわからないから物はやれないがとりあえず肩でも叩いてやろう。



「さっきは言い忘れてたんだけどな、待ち伏せされたときの人質は老若男女バラバラでな。とっさの判断じゃあんなにそろえることはできんだろう。という事はそれだけの準備期間あったってことだが」


「・・・待てよ、じゃぁ何か?あの時あいつの部下がどこかで見てたってことかよ!」


「そうだろうな。さすがに常時周りの気配を探るのはしんどいからあの時は警戒も薄かったが、あの場を見ていたなら何も知らないお前たちはどうなると思う?」


「のこのこ逃げ出そうとしたところで死ぬな。良くて即死か悪くてあいつらの玩具になるか、どっちにしろギリギリのタイミングで逃れたってとこか」



《ドブネズミ》は団長やバリスたちと話していた時と違い、やたらはきはきした喋りになっており、頭もそうとう回っている。



「とにかく俺たちもこのままでは終わらない。スラムで顔が利くなら良ければ俺達と来ないか」


「わかった。つぅかそれ以外道はねぇだろうが・・・・」



俺のチームに新たに計4人が加わったが、人数以上の動きをしてくれそうだな。

オンブル 「くっ!隠し魔技具が壊されました」

リン   「大変です!オンブルさん、早く次の魔技具の起動を!」



ストーカーの目は一つではない

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