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一
次の日、退勤となった繭美から、そのまま契約解除依頼の電話がかかってきた。
怪我の治療ついでと昼に性病検査も行った結果、性病の梅毒で陽性反応の診断結果が出た、店と客に迷惑をかけられないとの事。
店は、契約解除になるが、また来たらいい、と再契約を約束したが、本人の意志は固く、口頭そのままで契約解除となってしまった。
一方、同日待機所。現場に居合わせなかった元SM嬢の冴が頬月を詰問する。
時間帯的に、待機所で二人が同席など有り得ないから、恐らくは岩田が聞き出せと意図的に止めておいた結果だろう。
「まさか、お前ではないだろうな?」
「まさか。本当に心配して――」
事実、繭美の怪我に真っ先に駆け付け、以後の一切は全て、最も近くにいた頬月の手柄だった。
「随分と手際が良かったそうだな」
「困った時の、で信頼を得て来た私ではないですか」
「そうだったな」
冴はインターフォンを取り、頬月との詰問が終わった事を告げた。
「……私を疑っているんですか?」
冴がインターフォンを元に戻すと、すかさず頬月が抗議した。
「手順を踏んだだけだ。それより指名がかかったぞ」
「……はい」
指名はその後冴と続き、待機所は無人となった。




