第8話 根の奥から湧く恵み
第8話 根の奥から湧く恵み
朝
「グゥエーギュー」
耳元で虹色鳥に叫ばれ勢いよく起き上がる
「ゲッゲッゲッェー」
と笑われてるように感じる、実際嫌がらせなのだろう
恨めしそうに虹色鳥を見るとそっぽを向かれる
紬はため息をつきながら、諦めて大木からゆっくり降りた。
軽くクッキーと、残りのキャベツを食べてしまい、
まず大木の根元へ向かう。
昨日見つけた小さな空洞を覗いてみる
まだ残っているツタをどんどんとっていくと
奥が見えてきた
ぽた。
木の内部からか水滴が落ちている
下にはたくさんではないが、水溜まりのようになっていた
底は砂利と、藻のようなものが生えている藻はとても綺麗な緑で日本にもある綺麗な水に生えているものに似ていた
「すごい、キレー」
少しずつ溜まった水を、てのひらですくってみる。
透明で、きれいだ
紬は少しだけ口に含んでみる
「……おいしい」
普通の水より、ほんの少し柔らかいような気がする
《本》を開く。
【名称】大木の湧水
【属性】水
【状態】清浄
【飲用】可
【成分】樹木由来成分を微量に含む
【効果】肌の状態を整える
「おっ肌にいいんだ!」
紬はうれしい驚きだ!
こちらに来てからほぼ水で顔を洗うだけだったから
昨日まで知らなかった水が、こんなところに隠れていたなんて
少しだけ汲んで持っていくことにする
ツタを思い出して
「使えるようにしたいなぁ……」
大木の周辺をもう一度見て回る。
木の根元
低い枝
落ちている葉
長めの枝も何本か見つけた。
「これなら持って帰れそう」
一本ずつ拾う。
無理に木を折らず、落ちているものを選んでいく
長い枝をまとめて石壁へ運ぶ
戻ってくると、昼になっていた。
*
昼食。
紬はミナハーブを少し食べ、大木の湧水を飲んだ。
しばらくして、身体がいつもより軽いことに気づいた。
「……あれ?」
ずっと重く疲れていたはずなのに、少し楽になっている。
理由は分からない。
紬は《本》を開いた。
ミナハーブのページに、新しい文字が浮かぶ。
【効果】体力・小回復
大木の湧水のページを見る。
【効果】肌の状態を整える
今のところ、それ以上の情報はない。
「……組み合わせたからかな」
まだ確信は持てない。
とりあえず覚えておくことにした。
午後。
紬は大木の周囲を一周する。
いつも寝ている場所なのに、まだ見ていないところが多い。
根の反対側には、小さな草むら。
その先には、細い枝が何本も落ちている。
さらに少し歩くと、長めの枝を見つけた。
「これ、使えそう」
紬は枝を持ち上げる。
少し重い。
それでも、持てないほどではない。
「持って帰ろう」
石壁へ運ぶ。
戻る途中、森の中を見回す。
まだ知らないものがたくさんある。
「明日も少しずつ探そう」
夕方。
ネギに水をあげる。
葉が風に揺れている。
根元には、ほんの少しだけ新しい芽が顔を出していた。
「……早くない?」
紬はしゃがみ込んで眺める。
でも、元気そうだ。
「まあ、元気ならいいか」
木に登って夕焼けの空を眺める、
赤色、紫、青しろい雲、ものすごく綺麗だ、
遠くから虹色鳥が飛んで来ている
「グィェー」
「おかえり〜」
お腹が膨らんでいるから食事後だろう、何かくちばしに咥えている。
「ペッ」
ポトン
虹色鳥はアカツブを紬の前に落とした
「えっ、くれるの?」
「グゥ」
虹色鳥は鳴くとそのまま、大木の上に飛んでいく
「ありがとう〜!」
鳥との交流は続く
アカツブですが、見た目はラズベリーを手のひら位にした植物です。




