表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屋根の下の義妹、窓の外のヒロイン。【連載停止中】  作者: 仁波昼海
No.2 君との放課後

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/23

思いもよらぬ登場

その恋に落ちた日からというもの、僕の生活は目まぐるしく変わった。


夜、夢に出てくるのが彼の事ばかりになった。

それも、話すことは出来ずに彼が遠くに言ってしまう夢。

ご飯の時もシャワーの時も勉強の時も頭のどこかには彼の声や顔が浮かんだ。


ひまわりのように咲く笑顔は僕の心のプロテイン。


それでも僕は集中力が途切れたりはしない。

むしろ頑張ろうと思えたほどだ。


風呂は1.5倍、勉強は2倍、運動は2.5倍。

僕はいつもより長く続けた。


いつだって完璧だった僕の人生は、彼というパーツが新たに加わって更に光度を増していく。


肌がすべすべなのも毎日にモチベがあるのも彼のおかげ。鏡を見るのが前より好きになった。

そんな僕が僕も前より好き。いや大好きだ。

これは決してナルシストなんかじゃなくて、彼への一種の愛情表現。


見てもらえてないから頑張らないんじゃなくて、見てもらうために頑張る。


吹奏楽部のみんなも「なんか最近気合い入ってんね」って言ってくれたし、僕のファン達も「前よりかっこよくない?」とか言ってくれたりしてて。


慣れない恋も少しぐらい重くなったって僕は気にしないから、それを原動力に変えていく。

ギアは重ければ重いほど、進む距離が長くなるからさ。



そうやって僕は過ごし続けた。

だが、恋は情熱ばかりじゃないと神は僕に示唆した。


「あ゛ぁ〜疲れたあ」


そんな生活を二週間続けたある朝。

吹奏楽部の朝練が終わって館に戻ろうとしていた時だった。


「うわぁぁっ!!葉桜さん!?」



聞いてすぐに分かる声の主。

僕の知らない子の名前を呼んでいた。


女の勘が冴え、僕は咄嗟に自転車置き場の死角に隠れて様子を伺う。


僕すら...呼ばれたことないのに!!!!


心の奥で煮えたぎるのはとても激しい...嫉妬だ。


2週間努力してきた人間の目の前でそんな事するなんて、まじ許すまじ。

どれどれ...どんなやつなんだ??


ひょっこり顔を出して、相手の顔を見ようとすると....



(な!?)




マイダーリンが女子生徒Hに頭を垂れていた。

それも申し訳なさそうに。


あ、あいつ.....


名前呼びされるだけでなく...頭を下げさせるだと!!!!!


ダメージを受けて蓄積していた痛みは、やがてカウンターへと変わる準備が整っていた。


抑えきれなくなった感情がいよいよ出ようとして、前のめりに体が飛び出した―――その時。


「おい!お―――」


「はーいストップ〜」



いきなり口元を抑えられ、私は身動きが取れなくなった。

なかなかに強い力で、抵抗もしにくい。

結構やり手のものだ。


「あ〜ちょいちょい待ちなって、私じゃあんたに勝てないって」


心得ている合気道の構えに入ろうとすると、スっと手は離れ、行動主がそういった。


何となく聞いた事のある声に脳は混乱する。

構えを下ろし、後ろをむくと...



「はあ...何やってんだ君は」

「なんか面白い現場ですね!せんぱい!」



同吹奏楽部後輩の天須美日向がそこににっこりと立っていた。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ