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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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港で変わる常識

「……しっかし」


王都港。


通信機の前で腕を組みながら、アステリアは呆れ半分に息を吐いた。


「恐ろしい物、作ったな……」


目の前には、フェルナードと繋がった通信機。

紙。印字。即時返答。


つい数時間前まで、“船で数時間掛かる距離”だったはずの相手と、


ほぼその場で会話した。


「……意味が分からん」


だが意味は――分かる。


「情報が、即送れる」


港で何が起きた。王都で何が起きた。

フェルナードで何が必要か。


「対応速度が……」


小さく舌を巻く。


「今までと、比べもんにならねぇ」


伝令待ち。確認待ち。判断待ち。

その“待ち”が、一気に削られる。


「……軍事もそうだが」


視線が港へ向く。


「いや、待てよ?」


そこで、アステリアの思考が変わった。

港。船。荷。倉庫。


「……これうちにも、欲しいな」


「……姉さん?」


部下が首を傾げる。


「何に使うんすか?」


「港だよ」


アステリアは、即答した。


「港?」


「今までは」


指を折りながら言う。


「過去実績」


「予測」


「そろそろ足りねぇだろ」


「多めに積んどけ」


「……あーあー」


「だが、これがあれば」


港の通信機を軽く叩く。


「王都側で今、何が足りねぇか?フェルナードで何を積めるか?何が余ってるか?即確認できる」


「……っ!」


部下の顔色が変わる。


「必要な物だけ、運べる……?」


「そうだ」


無駄積載。不要物資。倉庫圧迫。積載不足。


「今まで“予測”で積んでた物を効率化できる」


「……うお」


「それって船の回転率も上がるじゃねぇか……!」


「そういう事だ」


アステリアは、少しだけ笑った。


「港にこれ置いて、フェルナードと常時確認。必要物資だけ回す」


「……」


「無駄が減る。利益も上がる」


「……姉さん」


部下が、少し引いた顔をする。


「軍人なのに……」


「馬鹿言え」


アステリアは鼻で笑う。


「輸送理解してねぇ奴は、戦も弱ぇ」


「……」


確かに。兵站。補給。速度。

全て、戦に繋がる。


「……姉さん」


部下は、通信機を見る。


「これ……港そのもの、変えません?」


「変わるだろうな」


アステリアは、静かに頷いた。


「王都と各港、この距離感すら、変わる」


港は、ただの荷受け場じゃない。


「情報拠点になる」


その瞬間らアステリアは理解した。

これは、“姉さんの新しい玩具”なんかじゃない。


「時代変えるやつだ」


王都港で今――物流と情報が、初めて本当の意味で結びつこうとしていた。

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