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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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506/516

遠くが近くなる日

数日後――王都。


港近くのアステリア拠点に、大量の木箱が運び込まれていた。


「……何じゃ、この量は?」


アステリアは、目の前に積み上がる木箱の山を見て眉をひそめる。


「しかも」


視線が横へ流れる。


「技術者まで来てんじゃねーか」


護衛兵も、部下達も困惑気味だった。


「アステリア様」


一人の技術者が、一礼する。


「セリア様より、お手紙を預かっております」


「……ん?」


受け取り、封を切る。


『遠くの話が、近くに感じるって凄くない?』


「…………は?い……?何のこっちゃ?」


部下の一人が、木箱を指差す。


「姉さん!この木箱の中身が、それみたいですぜ」


「……あ?」


中には、見慣れぬ機械。

配線。金属。棒。


「遠くの情報を飛ばせる機械、らしいです」


「……意味が分からん」


「俺も先程、技術者に聞きましたが……」


別の部下も腕を組む。


「よく分かりませんな」


「……まあ」


アステリアは肩をすくめた。


「完成してから、詳しく聞くか」


数時間後。

技術者達は塔へ配線を伸ばし、

機械を組み上げ、最終確認に入っていた。


「アステリア様!」


一人が、興奮気味に振り返る。


「受信可能距離でした!!」


「……はあ?セリア様の予定ですと」


技術者は機械を見ながら続ける。


「そろそろ、連絡が来ると思われます」


「……は?」


その瞬間。


カタ。


トン。


トトン。


機械が、勝手に動き始めた。


「……っ!?き、来ました!!」


紙が、少しずつ印字される。


『セリア様より』


「……」


アステリアが固まる。


続く。


『近衛隊長と、少しは進んだ?』


「てめー!!」


「適当な事、言ってんじゃねー!!!」


技術者の首を絞める。


「ぐぇっ!!アステリア様!苦しい!!です!」


技術者達、困惑。


「……」


アステリアは、紙を見る。


「……いや、待て試しに、こっちからだ。質問、送れ」


「は、はい!」


「……あぁー?」


少し考え、ニヤリと笑う。


「じゃあ、これだ」


『姉さん、甘いものばっか食ってると太るぜ』


部下達、静まり返る。


「……あねさん!大丈夫です?」


「まあ見てろって」


トン。


トントン。


送信。


「……」


「そもそも」


アステリアは腕を組む。


「訳分からん機械で、遠くの奴と話せる訳――」


カタ。


トトン。


「……っ」


印字。


『悪かったわね! ダイエット中よ!!』


「…………」


「…………は?」


空気が、止まる。


「……まさか」


アステリアの顔が、引きつる。


「……もう一つだ」


『学生時代、殴った人数は?』


部下達。


「え?」


「姉さん?」


「……」


トトン。


カタ。


『先生含めて、12人』


「…………」


「…………まじか」


アステリアの背筋に、寒気が走る。


「その話……俺と姉さんしか……知らねぇはずだぞ……?」


「……」


全員。機械を見る。


「……何だ」


「この機械は……?」


遠くの情報。


即時。秘密。会話。

それはもう、“伝令”ではなかった。


「……化け物か」


王都とフェルナード。

距離を越えて。今、“遠い”という常識が、

崩れた。

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