言葉になる光
「ほれ!」
ドサッ!!
「たっぷり作ってきたぞ!!」
目の前に積み上がる、例の通信機械。
机の上に、床に、箱。とにかく大量。
「……」
メイヤは、その量を見て少し引いた。
「……相変わらず」
小さく息を吐く。
「やる事、早いなぁ……」
「だろ?」
リュミエルは、胸を張る。
「で?」
首を傾げる。
「こんな沢山、何に使うんだ?」
「……」
メイヤは、じっと見る。
「……逆に」
一拍。
「何の為に作ったのよ?」
「んーーー?」
少し考える。
「ビックリさせる為!」
「…………あんたねぇ」
思わず額を押さえる。
「よーく考えて」
機械を一つ持ち上げる。
「遠くにいる相手に、電気の明かりでトン、トンってやれば、光るのよ?」
「……そうだな」
「例えば」
メイヤは棒を叩く。
トン、トン、トーン。
「これを、“緊急”って意味に決める」
「……ふむ」
「じゃあ」
トーン、トン、トン。
「これは“集合”」
「……」
リュミエルの顔が、少しずつ変わる。
「……まて」
「うん」
「……まてまて」
「気付いた?」
「……遠くにいる奴と」
息を呑む。
「意思疎通、出来るのか!?」
「そう!!」
メイヤが、ビシッと指を差す。
「だから今度は!その“トントン”とか“トーントントン”とかに、意味を持たせた」
「文章!!」
「文字!!」
「規則!!」
「全部考えて!!」
「……っ!!」
リュミエルの目が、完全に“発明家の目”になった。
「くぅーーーーっ!!面白ぇ!!!任せろ!!!」
そのまま、紙と工具を抱えて走り去る。
「……ふふ」
メイヤは、小さく笑った。
今までは、“光る”だけ。だが――次は違う。
“意味を持つ”
それは、単なる道具から、“言葉”への進化。
「……線路の次は」
ぽつりと呟く。
「通信網、ね」
物流。軍事。行政。
全てが、また一段――速くなる。




