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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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エドランへ敷設開始

「……揃ったわね」


メイヤは現場を見渡した。


敷設作業員の募集は完了。

人員は、十分すぎるほどに集まっている。


「これなら――回る」


小さく頷く。


「予定通り、エドラン領都へ向けて工事を開始」


声が響く。


「各班、持ち場につきなさい!」


「了解!」


一斉に動き出す作業員達。

静かだった地面に、音が生まれる。


「……それにしても」


メイヤは運び込まれた資材へ視線を向ける。


「レール、思ったより多いわね」


積み上げられた鉄材。

想定よりも、明らかに余裕がある。


「お母様の手配、か」


ふっと息を吐く。


「無理のない範囲で回してくれてるんでしょうけど……」


それでも、この量は助かる。


「……ありがたいわね」


素直にそう思う。



「……初めてね」


視線を前へ。


「長距離の敷設」


短い距離とは違う。

工程も、人員配置も、問題の出方も変わる。


「何かしら起こるでしょうね」


小さく呟く。予測はしている。

完璧には進まない。


「……でも」


顔を上げる。


「やるしか無いわ」


迷いは無い。


「止める理由は無いもの」


その一言で、十分だった。カン、カン、と鉄を打つ音。掛け声。土を均す音。

全てが混ざり合い――

一本の線が、少しずつ形になっていく。


「……始まったわね」


メイヤは静かに呟いた。

新しい流れが、確かに動き出していた。


「……それにしても」


作業の様子を眺めながら、セリアは小さく呟く。


「思った以上に、手慣れているわね」


集まった作業員達は、ほとんどが経験者だった。


声を掛け合い、無駄なく動く。

測り、均し、敷き、固定する。


一連の流れに淀みがない。


「慣れてきているわね」


初期とは違う。


もう“作業”ではなく、“仕事”として回り始めている。


「……本当なら」


メイヤは腕を組む。


「全員、雇い入れてしまいたいところね」


単発の労働ではなく、継続的な組織として。


「会社化、か」


ぽつりと呟く。

この路線が完成すれば、終わりではない。


「維持が必要になる」


補修、点検、管理。やる事は増える。


「なら、そのまま雇い入れるのが自然ね」


人も、技術も、そのまま活かせる。


「……今までは」


視線が少し遠くへ向く。


「領内の短い区間だけだったから」


対応も限定的で済んでいた。


だが――


「これからは違う」


距離が伸びる。規模が変わる。


「……体制も、変えないとね」


静かに言い切る。線路だけじゃない。

それを支える“仕組み”もまた、

今、形になり始めていた。

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