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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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引き際

「……確認は以上ね」


セリアは静かに言った。


王都周辺の状況。

残存する反乱軍。

そして、自分達の戦力。


「……数が足りないわ」


ぽつりと漏れる。


うちの部隊は、数十名程度。

火力は十分。だが――


「これ以上は、支えきれない」


正面からぶつかれば、押し切れる。

だが広域の掃討、長期戦となれば話は別だ。


「……ここまでね」


結論は早い。


「部隊を引き上げる」


「了解」


リディアが短く応じる。


「撤収準備に入ります」


その間に――


「アステリア」


セリアが呼びかける。


「これを」


積んできた予備の武器。

弾薬、簡易装備、予備の炸裂弾。


「……いいのか?」


「ええ」


迷いは無い。


「ここから先は、あなた達の戦いよ」


アステリアは一瞬だけ黙り、


「……助かる」


短く受け取った。


「使わせてもらう」


それで十分だった。


やがて――


「準備、完了しました」


「出すわ」


セリアが頷く。

声には出さなかったが――胸の奥に、引っかかるものがある。


「……芽は、残った」


反乱軍は、まだ終わっていない。

今回で断ち切るはずだった流れは、完全ではなかった。


「……長引くわね」


小さく、誰にも聞こえない声で呟く。

それでも。


「行くわよ」


振り返らない。

船へと乗り込み、配置につく。

やがて。


ドン……と低い音と共に、船が岸を離れる。


ゆっくりと、港を離脱していく。

王都を背に――船は静かに、帰路へと向かった。戦いは、まだ終わっていないまま。

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