表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

447/482

次を読む

「……ふぅ」


セリアは小さく息を吐いた。

張り詰めていた空気を、一度だけ解く。


「この辺りの制圧は……完了ね」


視線は、静まりつつある海岸。

崩れた陣地、積まれた物資、拘束されていく兵。


「この補給拠点を潰した」


独り言のように呟く。


「反乱には、これで決定打に近いはずだけど……」


すぐに目を細めた。


「相手は、どう出るかしら」


普通なら――引く。

ここで戦力を失えば、立て直すしかない。


「……後が無い連中ね」


声がわずかに低くなる。


「何をするか、読めない」


一拍。


「王都側の方は――どう動くかしら」


海の向こうを見据える。


「ここの情報が届くには、まだ時間が掛かる」


だからこそ――


「動くとしたら、その後」


先を読む。それが、今やるべき事。


「メイヤ」


「ん?」


「船の戦闘員、半数を休ませて」


「了解」


即答だった。


「交代で休憩入らせるのよ」


「解ったわ!」


そして。


「リディア隊には、周囲の警戒を厳にと伝えて頂戴」


「はっ!」


返事と共に、伝令が走る。

戦いは終わった。まだ、終わってはいない。

静かな海の上で、セリアは次の一手を思考していた。


その頃――


遠く離れた王都。


フェルナード方面へと伸びる街道の先を、夜の見張りが見据えていた。


「……あれは」


暗闇の地平に、小さな赤い点が揺れている。


「かなりの距離ですが……赤く……炎、ですね」


「反乱軍か?」


隣の兵が低く呟く。すぐに眉をひそめた。


「しかし妙だな。わざわざ目印になるような真似をするか?」


「フェルナード軍……ですかね?」


「いや」


即座に否定する。


「報告では、数日前に連絡が届いている筈だが……」


視線は赤い光から外さない。


「だがそれなら距離が合わん。準備を整え、急行したとしても……まだ出たばかりの筈だ」


「……そう、ですよね」


一瞬の沈黙。


揺れる炎だけが、夜の向こうで存在を主張している。


「……しかし、一体……?」


「分からん」


短く切り捨てる。


「警戒を厳に」


「はっ」


王都はまだ、何も知らないが確実に、何かが近づいていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ