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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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崩れる戦線

「クロスボウ隊!中止!」


メイヤの声が響く。


「バリスタ!敗走方向へ向けて、炸裂弾を撃ち込め!」


「了解!」


ギィンッ――!!


ドォンッ!! ドォンッ!!


逃げようとする敵の進路に、爆発が連なる。


「うわっ!?」


「前が……塞がれてる!?」


退路を断たれ、動きが鈍る。

その様子を見て、セリアは小さく頷いた。


「……いいわよ、それで」


戦場にはまだ、あの音が残っている。

乾いた音と、遠距離からの炸裂。

聞き慣れないそれは、確実に敵の心を削っていた。


「くっ……!」


「もう無理だ……!」


じりじりと押され続けた兵達の均衡が、ついに崩れる。


「退け! 退けぇぇ!!」


誰かの叫びを境に――敗走が始まった。


「行くぞ!」


リディアが即座に反応する。


「追撃!」


「おおおお!!」


勢いのまま、部隊が前へ出る。

崩れた敵を押し潰すように、距離を詰める。


だが――


「深追いはするな!!」


鋭い声が飛ぶ。


「この辺りを制圧する!」


一拍。


「歩兵隊、掃討戦に移れ!」


「了解!」


兵達が動きを切り替える。

逃げる敵を追い過ぎず、周囲を固める。

倒れた敵、潜む敵を一人ずつ排除していく。

戦場は、次第に静まり始める。

爆音は遠のき、残るのは――

勝者の足音だけだった。


さらにリディアが声を張る。


「抵抗する者は容赦するな!素直に降伏する者には武装解除を指示しろ!」


「了解!」


兵達が一斉に動く。


剣を振り上げる者。

両手を上げて膝をつく者。


「ま、待て! 降伏する!」


「武器を捨てろ!その場に伏せろ!」


混乱の中で、声が飛び交う。

なおも抵抗する者には、容赦なく刃が振るわれ降伏した者は、次々と拘束されていく。


その大半は――戦意を失っていた。


武器を落とし、その場に崩れる者。

あるいは背を向け、ただ逃げていく者。


戦場はすでに、勝敗を決していた。

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