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【完結】神様と呼ばれた精霊医 ~その癒しは奇跡か、祝福か~   作者: 川原 源明
第6章 平和な学園生活

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第68話 勉強会

 ダンジョンから寮に戻り、軽くシャワーを浴びてからミアンの部屋に向かった。


 扉をノックすると、ミアンのメイド、ツキが迎えてくれた。


「お待ちしていましたよ、どうぞ」

「おじゃまします~」


 ツキに案内されて部屋へ入ると、見慣れないデザインのメイド服を着た女性がもう一人いた。


 “だれだろう?”と少し不思議に思いながらミアンの元に行くと、同じクラスのミッシェルがいた。


「お嬢様、ラミナ様が見えましたよ」

「ラミナ、待っていたよ~」


 ミッシェルは私に気づくと、微笑みながら言った。


「あら、ラミナさん、待っていましたよ。さっそくですけれど、復習しましょ」


「ラミナと私のやり取りを見ていて、参加したかったんだって」


「えぇ、それにあたくし、ラミナさんに興味があるんですの」


「あっ、そうなんだ」


 この時、どのような返事をすれば良いのか、少し戸惑った。


『ラミナ、肉のお裾分け』


 あっ、そうだった。


 既にキッチンへ戻っていたツキを追いかけて、声をかけた。


「ツキさん、これを」


 そう言って、鞄からオーク肉の塊を取り出す。


「これは……オークの肉ですか?」


「はい。一人じゃ食べきれないので」


「ありがとうございます。使わせてもらいますね」


 ツキは笑顔で肉を受け取ってくれた。


「はい」


 オーク肉を渡し終え、再びミアンたちの待っている部屋に戻る。


「何を渡していたんですか?」


「先週末、キラベルで狩ったオークのお肉」


「キラベルのオーク肉って、おいしいんですよね~」


 ミアンの言葉を聞いて、“へぇ~、そうなんだ”と心の中で思っていると――。


「そうなんですの?」


「おいしいですよ~。もも肉とか、私は好きですね~。ミッシェルさんは食べたことないんですか?」


「ん~、無いですわね……」


「それなら夕食にオーク肉、使ってもらいましょう。ちょっと待っててくださいね」


 ミアンが部屋を出ていき、ミッシェルと二人きりになる。


 普段あまり会話しない間柄ということもあって、ちょっと気まずい。


「ところで、ラミナさん」


「はい」


「あなたの、いつも漂わせている香りって、ファントムフラワーじゃありませんの?」


 ファントムフラワー……なんだか久しぶりに聞いた名前だった。


「そうです。ファントムフラワーの香料を混ぜた洗料を使っているので」


「へぇ、良いですわね」


「ファントムフラワーをご存じなんですか?」


「知っていますよ。あたくしの国の花ですの」


 その言い方と表情に、ふと引っかかりを覚える。


 国……って、ミネユニロントだったっけ?


「あれ? ミネユニロント?」


『ミッシェルは、ミネユニロントの第2王女ですよ』


 まさかの王族だった。


「そうですわ」


「ごめんごめん、お待たせ」


 ミッシェルの返事とほぼ同時に、ミアンが戻ってきた。


「お帰り」


「それじゃあ、今日やった世界史から始めましょ」


 私は教科書とノートをカバンから取り出し、机の上に広げた。


「ラミナのノート、見せてもらっても良い?」


「ん、いいよ」


 ミアンにノートを渡す。


「丁寧にまとめられていますわね」


 二人は私のノートをもとに、復習を始めていた。


 私はというと、手元に残っている教科書を読み進めていた。三大文明について書かれたページをめくると、次はファーラ文明の詳しい説明が続いていた。


 次回の授業は、ノートの内容的にファーラ文明についてだろうか?


 ファーラ文明のページを見ていると、


『ファーラ文明では、稲作、文字以外にも発展した技術があるんですよ』


 アクアが教科書の上でうろうろし始め、先生モードに入った。


『建築技術と青銅の加工技術が発展するんです。鉄等の金属加工技術は倭国文明で発展していたのですが、歴史上はファーラ文明で表に出てくるんです』


「へぇ……」


「ラミナさんは、誰とお話しているんですの?」


 無意識にアクアの発言に返事をしていた。


「精霊さんじゃないですか?」


「うん、アクアが……、精霊さんがファーラ文明について教えてくれているの」


「お昼みたいに姿を見せて、私たちに聞こえるようにしてほしいかな~」


「あ、うん、いいよ」


「精霊さんが見られるんですの?」


「うん。お昼、食堂で姿を見せてくれたよ」


「へぇ」


 ミッシェルの視線がこちらに向いた。どうやらミッシェルも見てみたいらしい。


「アクア、いいかな?」


『構いませんよ』


 そう言うと、私の手に乗り、魔素をごっそりと持っていった。


「わぁ、可愛いですわね」


「だよね~」


「ん、んん、では改めて予習部分を話していきますが、よろしいですか?」


「あっ、もう少しだけ、待って」


「わたくしも、もう少し時間がほしいですわ」


 待っている間、アクアは二人のノートの様子を見ていた。


「この部分は大事な場所なので、線を引いておく等しておいた方が良いですよ」


「分かりましたわ」


 アクアがミッシェルだけではなく、ミアンにもアドバイスをしていた。


「二人とも、大丈夫そうですね」


「はい!」


「えぇ」


「それでは、ファーラ文明について説明していきますね。ファーラ文明では青銅の加工技術や建築技術が発展していきます。ファーラ文明の地には、そっち方面が得意な多くのドワーフや獣人がいたからという理由があります。青銅の加工技術に関しては――」


 アクアが丁寧に説明を続けていく。それを三人で真剣に聞いてノートを取っていた。聞き逃したら止めて、「今のところもう一度お願い」と伝えると、嫌な顔をせずにちゃんと教えてくれた。


 そして、午後の授業だった魔物生物学もアクアのプチ授業を受け、三人で一緒に夕食となった。


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